キーワード学習①:ポリウレタン

お疲れ様です、にとさんです。


①前置きのようなもの

技術士二次試験「化学部門」キーワード学習まとめの第一弾として、自身のバックグラウンドの一つであるポリウレタンを元に情報まとめを行います。

実際には、別途記事でも記載しますが「化学部門」の過去問からキーワード抽出して、そのキーワードを調べた内容から 様々な切り口で情報を抜粋して、A4 1枚程度のコンパクトサイズに文章を書けるようにする・・というのが基本ですが、今回は自身のバックグラウンドを可視化したり、改めて振り返ったり、キーワード学習まとめの練習用としての作業として実施しました。

技術者であれば自身の専門領域の内容を説明しようとすると、本一冊執筆できるレベルの情報量や質は持ち合わせているものの、それをコンパクトにまとめようとすると途端に難易度が急上昇するので・・・技術士二次試験はその要約スキルをこれでもかという位に問われる試験になります。

今回記事では要約前の、自分の頭の中にある内容の出力になります。出力するフォーマットとしては、別途記事でご紹介しました技術士ぺんた様の動画内容を参考に実施しました。リマインドになりますが↓です。こちら以外にも参考になる動画を投稿されている方のため、本資格勉強をされる方は是非とも視聴おススメのチャンネルでもあります。

1、4部門技術士ぺんたの「技術士合格セオリー」 ※再紹介

内容を一部抜粋しておくと、

キーワード分析項目
1、概要
2、原理、構造メカニズム
3、特徴、長所
4、適用箇所、効果
5、実用例、手順
6、リスク、留意点
7、対策、工夫
8、波及効果、将来展望
9、熱意

https://www.youtube.com/watch?v=LVwDxj9IU9M  (4;00~より解説)

という9項目を元にキーワードをまとめてみると、どのような問い方にも対応して解答できるのでは、という事をご説明されています。

2,【技術士二次試験】キーワード学習について

もう一つキーワードまとめ以降の活用方法として、 "資格合格パートナー「スタディング」" 様の記事内容も参考にしました。まとめたキーワードを元に、以下の切り口で模擬論文を作成する事を推奨されております。単純にキーワードで情報をまとめるだけでなく、その情報の出力方法についての習熟内容についての一つのやり方の紹介です。いわば、アウトプットを中心としたキーワード学習になります。具体的には以下の内容です。

Ⅱ-1-1
あなたの専門分野に関係する、法令、規格、公的な基準を2つ挙げよ。
その2つに関して、作られた背景と目的を説明せよ。
(解答用紙1枚で記入)

Ⅱ-1-2
あなたの専門分野に関係する、既存の工法、手法、製法などを3つ挙げよ。
その3つに関して、メリットとデメリットを述べよ(解答用紙1枚で記入)

Ⅱ-1-3
あなたの専門分野に関係する、新しく開発中の工法、手法、製法などを3つ挙げよ。その3つに関して、メリットとリスクを述べよ(解答用紙1枚で記入)

※自分の場合ここに"対策"を追記しています

https://studying.jp/engineer/blog/20210325.html 

上記 "専門分野" を、"キーワード" に置き換えれば、キーワードのアウトプットを意識した内容まとめのトレーニングになると考えられます。抽出したキーワード全てについては完璧に書けないかと思いますが、学習を継続する上でアウトプットを意識しながらまとめる事で、必要な時にすぐ実践的な形で引き出しができるようにする良い訓練とも思いました。上記のアウトプット方法については今後の参考指針として役立てようと思います。

・・・という事で前置きはこれくらいにして、キーワードの内容まとめについて下記記載します。

② キーワード学習情報①:ポリウレタン

1、概要

ポリオールとイソシアネートのニ成分より生成する高分子化合物。

2、原理、構造メカニズム

硬化剤のイソシアネートと主剤のポリオールが付加重合する事で架橋ネットワークが生じて硬化物となる。ポリオール、イソシアネートの架橋間分子量を増大する事でゴムのような柔軟性が得られ、逆に減少する事でゴムタイヤのような高くて強靭な性質を付与することが可能。

3、特徴、長所、短所

〇長所
①柔軟性、弾性を自由に設計できる(架橋間分子量の調整により可能)
②耐摩耗性、耐衝撃性に優れる
③加工性が良い。注型加工を採用可能であり、任意の形状を得やすい。

◯短所
① 耐水性に劣る。湿度(水分)により加水分解が生じる為。
②耐熱性に劣る(※補足1)
③経時で変色する (芳香族イソシアネート使用時)(※補足2)

(※補足1)
一例で軟質ウレタンフォームの場合、-20℃〜80℃が推奨温度範囲になります。80℃で連続使用した場合、強度が半減する期間は500〜700℃)

(※補足2)
紫外線により芳香環がキノン構造に変化する事で紫外光領域を吸収するため、黄変と呼ばれる黄ばみが生じるようになります 。下記がMDIベースの記載ですが、メチレン部分の水素が乖離して共役二重結合が生じることで着色します。


4、適用箇所、効果

① クッション材:軟質ウレタンフォームとして。
自動車シート、寝具、家具等に適用。
特に自動車シートクッションの場合、0.05kg/m3程度の低密度フォーム体として使用する為、軽量化による自動車燃費向上に寄与する。

②断熱材:硬質ウレタンフォームとして。
冷蔵庫、建材用断熱材等に適用。
フォーム中の気泡が繋がっていない独立気泡状態では、気泡内の気体対流が抑制されるため熱伝導率が低下する事で断熱性か得られる。

③ゴム材:ウレタンエラストマーとして)
シューズソールなどに適用。
耐摩耗性、対屈曲性等の機械的特性に優れる為、シューズ底に使用される。


5、実用例、手順

下記軟質ウレタンフォームの製造手順を示す。

① ポリオールを主剤として、各種助剤をプレミックスする。
② ポリオールとイソシアネートを攪拌混合する。
③ 金型内に注型し、硬化により任意の形状を得た後に脱型する。
④ 脱型後処理(脱型したシートに外力を加える or 真空化で減圧処理)。
⑤ バリ取り、補修

尚、それぞれの項目の補足事項としては下記の通り。

① 助剤プレミックスについて
助剤としては、ポリマーポリオール(充填材)、架橋剤、反応触媒、整泡剤、水(発泡剤)が代表例。ポリオールは、分子量3000〜7000程度、官能基数3〜4程度のため架橋構造となる。イソシアネートは、TDI/MDI=80/20の混合物が主流。

② 攪拌混合について
実験室レベルではミキサーによる攪拌、試作機以降のスケールでは高圧循環機などに代表される衝突混合方式専用設備を使用する。

※衝突混合とは、高圧で吐出した液体同士を衝突させる事で攪拌する方式。高圧循環機では注入ヘッド内でポリオール/イソシアネート2液を衝突混合→混合液を金型内のキャビティに注入する。日本キャノン(※プリンターのメーカーではなくて、ウレタン成型設備メーカー)HPを参考例として掲載。

③ 注型~脱型について
注入する液量(≒密度)と、イソシアネート(I)/ポリオール(P)混合比率によりフォーム硬度が幾らかコントロール可能。また硬化は混合比率、触媒選択等で変動するが、概ね4〜6分程度で完了する。

※硬度調整用の混合比率として、適用可能範囲は概ねI/P=0.9〜1.05程度(100分率で表した場合、90〜105なり、100でI/Pは同比率となる。尚100分率で表した比率は、イソシアネートインデックスという。以降インデックスと呼称)。インデックス増加で架橋密度上昇による硬度UPとなり、同配合において密度変化と併用して下記のようにシートクッション硬度の調整が一定範囲可能となる。但し他結合(ウレア結合、アロファネート結合、ビウレット結合)増加により特に100以上では諸物性悪化を伴う為留意が必要。本件は別途解説。

④脱型後処理
シート内の独立気泡状態のセル膜を外力で破る事で連続気泡状態とし、セル内部の高温気体を逃して寸法安定性を得るため。この操作をクラッシングと言う。

※クラッシングを行わない場合、セル膜内部の高温気体が冷却される際に熱収縮が発生し、フォーム全体が収縮するため任意の形状を得られなくなる。通常は低クリアランスのロールで潰す事で実施。但しベンチクッション(後部座席の左右一体型のシート)では、金属フレーム等を補強材として組み込んでおり、ロールクラッシングが不可となるため減圧処理によるクラッシングを行う。

⑤ バリ取り、補修
金型成型のため、型隙間からはみ出るウレタン部位(バリ)の除去が必要となる。一般的にはカッターで行う。

また成型した製品中に、一部欠損箇所が生じた場合で補修可能レベル(目安Φ10程度の欠損まで)の場合は、補修用のスラブウレタンで穴埋め、接着、表面平準化を経て補修が実施可能。成型時の成型不良については別途解説予定。


ちなみに自動車用シートクッションの場合、要求特性としては概ね以下のような物性値が挙げられる。

要求特性一例(Q) ※基本JIS6400準拠
・25%ILD      :ウレタンフォームの硬さ指標
・密度      :0.35〜0.60kg/m3程度が適用領域
・反撥弾性率:ウレタンの反撥性を評価 (※基本、スキン除去時の値)
・残留圧縮歪:ウレタンのへたり性の評価
・応力緩和率:着座時の沈み込み程度の評価
・引張特性 :引張強度、伸び、引裂強度
・燃焼性  :FMVSS準拠による評価


6、リスク、留意点

安全上の観点(Safety)
① イソシアネートが人体に有毒である点。

特にTDIではアレルギー症例が報告されている。当初問題ない場合も、長年使用継続する事で身体の許容量を超える事でアレルギー反応が生じるケースもある。花粉症と同様のイメージが分かりやすい。

② 燃焼時に、有毒なシアンガスが生じる可能性がある点。
特に断熱材として現在用途で使用する場合は、燃焼性担保については留意が必要。

③ VOC(揮発性有機化合物)の発生量、種類を留意する必要がある点。
特に自動車内装材料である車用シートとして使用する場合は、乗員の健康被害を鑑みて特に注意が必要。ポリウレタンフォームでは、反応触媒として使用する三級アミンが臭気要因として知られている。

品質の観点(Quality)
① 経時により劣化し、性能低下が生じる点。
特に水存在化では加水分解により、紫外線照射環境では光分解により劣化が顕著化する (※補足有)

②芳香族系のイソシアネート使用時、経時により変色が避けられない点
上記記事 短所③参照。

③ウレタンフォーム発泡時は、原液を所定温度に厳密管理が必要となる点。
温度により発泡速度が顕著に変動する為、厳密管理を怠るとフォーム成型時の硬化/発泡のバランスが変動し、成型不良に繋がる可能性がある。特に夏冬の気温差により原液温度が変動し易くなる点は、フォームの歩留を低下する季節変動要因となる為留意が必要 (※ちなみに過去ウレタンフォーム開発時の製造現場では、設定温度±1℃を温度管理幅としていました。それくらい温度は発泡速度に直結する要素になります)

(※補足情報)
光分解メカニズムの一例としては下記論文に掲載されている光フリース転移反応、ノーリッシュI、II型反応等が生じると考えられます。ちなみに光フリース転移はウレタンフォームに限らずに、フェニルエステル系の構造を持つ材料であれば発生します(よく代表例で出されるのが、ポリカーボネート。ポリカーボネートの黄ばみの原因の一つが、この光フリース転移になります)。参考文献として下記掲載します。

【参考文献】ポリウレタンの劣化と安定化
https://www.jstage.jst.go.jp/article/adhesion/40/6/40_6-4/_pdf/-char/ja


コストの観点(Cost)

ナフサ価格に連動してウレタン原料価格も同様に変動する点。
これはウレタンの主剤であるポリオール、イソシアネートがいずれも石油由来の成分である為である。主剤となる代表例としてポリオール、イソシアネートの石油成分からの誘導を挙げる。

ポリオール(代表例:PPG)
プロピレンより誘導される(プロピレンに水/塩素による付加反応でクロルヒドリン生成→アルカリ存在下で脱塩化水素工程を経てエポキシ化し、プロピレンオキサイドを得る。更に開環重合を行う事でPPGが製造される)

イソシアネート(代表例:TDI)
トルエンより誘導される(トルエンのニトロ化→還元によるアミン化→ホスゲンによるイソシアネートが工業的製法となる)


原料調達の観点(Delibary)
主剤のイソシアネート製造企業のメインプレイヤーが海外企業である点。
断熱材用硬質ウレタンフォーム用途として製造されるMDIシェアとして、

1、万華化学工業(中国) 25%
2、BASF(ドイツ) 20%
3、Covestro(ドイツ)17%
4、Huntsman(アメリカ) 15%
5、Dow(アメリカ) 15%
6、東ソー(日本) 5%

となり、日本の代表選手としても僅か一桁台に留まる(日系企業では東ソー、及び三井化学がプレイヤー)。国際情勢不安定、地政学リスクの観点から、特に海外拠点展開を検討する上で、自国内でサプライチェーン完結が難しい現場がある点。

7、対策、工夫

安全上の観点(S)
① イソシアネートが人体に有毒である点。

製造時に防毒マスク、またプッシュプル設備などの充分な換気能力を導入する事。また花粉症のように【人によっては極僅かでもアレルギーが発生する】事も留意し、取り扱い時にアレルギー症状が生じた場合、速やかに担当業務の見直しを実施する。

②ポリウレタン燃焼時に、有毒なシアンガスが生じる可能性がある点。
難燃性を付与する。具体的には、難燃剤添加、または硬質ウレタンフォームの場合はイソシアネートの三量化によるイソシアヌレート構造を導入する事で達成できる。尚イソシアヌレート環導入には、一般的にカリウム塩、もしくはアンモニウム塩が知られている。

③VOC(揮発性有機化合物)発生の留意点。
触媒である三級アミン揮発抑制手段として、反応性触媒の使用が考えられる。これは触媒内に水酸基を有する事でウレタンフォーム骨格内に触媒が化学結合する為である。商品例として、東ソー製RZETAが知られている。

【参考文献】−アミンエミッション・臭いを抑えたウレタン発泡触媒
https://www.tosoh.co.jp/technology/assets/2014_03_07.pdf


品質の観点(Q)
経時により劣化し、性能低下が生じる点。
使用用途、環境を考慮して素材選定する事。基本的に加水分解抑制のため、高湿度、水接触環境の使用は控える事。また直射日光が暴露する用途も避ける事が推奨される。

②経時により変色が避けられない点。
耐候剤(UVA、HALS)の添加により光エネルギーを主骨格の化学変化に使用される前に除去する。前者は光エネルギーを熱エネルギーに変換して光開裂によるラジカル発生の低減後者は発生したラジカル補足により主骨格とのラジカル反応を抑制するメカニズムで作用する。もしくは、脂肪族や脂環族タイプのイソシアネートを使用し、キノイド構造が発生しない骨格とする。

③原液を所定温度に厳密管理が必要となる点。
製造現場の注入ヘッド〜ワークタンク(ヘッドからの循環先として液貯蔵するタンク)の配管保温を実施する。事前に液温変動時の発泡挙動を検証して発泡速度(代表指標はライズタイム)と温度応答性を検証する。また注型する際も意図的に液温を変化させた際の成型性の良否を確認し、ロバスト性が確保できる製造条件を設定する。

コストの観点(C)
①低密度化の推進
発泡剤(水)添加量を増加して発泡倍率を上げる事で低密度化し、一製品あたりの原料使用量を低減する。但し一般的に、低密度化は所物性の低下を伴う為、該当製品における物性許容範囲の見極めが必要。

デリバリーの観点(D)
調達計画の内示をサプライヤーとなる原料メーカーと共有、適正在庫を確保頂く。一般に数ヶ月前より内示を行い調達計画を検討する。

8、波及効果、将来展望

昨今のエネルギー不足問題を解消に貢献可能と考えられる。
特に軟質ポリウレタンフォームは、低密度化による軽量化で自動車軽量化に寄与。硬質ウレタンフォームは、冷蔵庫、住宅建材などの断熱材として広く適用されており、冷暖房効率の向上に貢献している。

9、想い

自身の保有するウレタン知見により、特に自動車業界の車両開発に貢献する技術者の方々などにお役に立つ事ができればと考えできる。

自動車業界では全部材共通の永遠のテーマとして、①軽量化(燃費向上) ②薄肉化(車載スペース確保)が挙げられており、自動車シートについても同様の要求が、各自動車OEMより打ち出されている。軽量化は密度低減と諸物性低下の相反、薄肉化も同様の相反が発生し、如何にトレードオフを克服するか日々の課題となる。

主剤、添加剤の選定方法により課題克服は可能であり、実際に過去自身でウレタンフォーム開発内においても克服達成による実用化材を立ち上げた経験もある。ウレタン業界の第一線からは退いたものの、同知見は同様の自動車業界担当者、またウレタン業界全般に関連する技術的な貢献ができればと考える。


③キーワード学習 模擬論文

1,キーワードに関係する、法令、規格、公的な基準を2つ挙げよ。

ウレタン製品に関連する規格として、下記二点を挙げ、制定背景及び目的を記載する。

①JIS6400(軟質及び低反発ウレタンフォームの試験に関する規格)
制定背景

1921年に民間で定められていた工業規格の見直しが行われ、1941年までに520件の規格が制定。その後、戦後1946年に工業標準化法の制定により、日本工業規格 (JIS規格前身)が確立された。

目的
日本国内の製品やサービスの規格を国レベルで統一することで、品質の改善や生産能率の増進、取引の単純公正化、公共の福祉の増進などを目的として制定。他JIS規格同様、ウレタンフォームに特化したJIS6400も制定。

②UL94(アメリカのULが認証する難燃性規格)
制定背景

1894年にアメリカの火災保険協会が、電気製品の普及拡大による事故防止のため、安全規格審査を行う非営利団体であるULを設立。各種企画内において、特に材料、製品等の難燃性に関する認証規格をUL94と言い、難燃性のレベル事に認証規格がグレード分けされている。

目的
電気製品の普及が進む米国で多発した火災事故の客観的な安全性評価とリスク分析を行うため。規格制定による材料、製品の安全性規格評価により、各種製品の火災・感電・盗難などの事故を未然に防ぐことを目的とする。

(計554文字)

【参考文献】
〇JIS規格制定
https://www.jsa.or.jp/datas/media/10000/md_2418.pdf

〇UL94制定
https://www.iieej.org/public/committees/std/confs/std18/std18-2.pdf


2,キーワードに関係する、既存の工法、手法、製法などを3つ挙げよ。

ウレタンフォーム製品製造の工法を記載する。

①スラブ成型
連続発泡ラインより発泡ブロックを製造し、ブロックを裁断する事で製品形状を得る工法。主に家具用ウレタンフォーム素材製造時に適用される。

メリット :金型を用意する必要がないため安価
デメリット:切削により製品形状を得る為、単純な形状しか製造できない

②モールド成型
金型内にウレタン原液を注入して、発泡成型により製造する工法。主に自動車内装材であるシートクッション、及びヘッドレスト等製造時に適用される。

メリット :金型形状次第で複雑な製品形状を得る事が可能
デメリット:金型製造、及び償却費用が掛かり高価

③スプレー成型
ポリオール、イソシアネートを2液混合した上で噴霧可能としてスプレーガンを用いて、現地で製造する工法。主に、住宅建材用の硬質ウレタンフォームを吹付けにより施工する際に適用される。

メリット :施工箇所に則した形状で発泡成型が可能
デメリット:施工技術習熟が必要

(計418文字) ※段落を切り替えを考慮しつつ、文章は更に追加予定。一度書いて考えます。


3,キーワードに関係する、新しく開発中の工法、手法、製法などを3つ挙げよ。

ウレタンフォーム製品製造の開発中工法、手法、製法を挙げる。

① 「現場発泡ウレタン軽量盛土工法」
土木・建築現場において、地形や構造物に合わせた形状に硬質ウレタン樹脂を発泡させる土木工法。(株)イノアック 『フォームライトW』が挙げられる

メリット :大型建設機械を必要とせず施工可能
リスク  :発泡・硬化反応中に水分が混入すると異常反応が発生する。
対策   :雨養生シート養生、プライマーを地山に塗布。

②『反応性触媒』
ポリウレタンフォームにおいて、低アミンエミッション、低臭気が得られる新規原料。東ソー(株) 『RZETA』が挙げられる。

メリット :低臭気化により、人体環境に優しい製品設計が可能
リスク  :通常触媒と比較して反応性が劣る。
対策   :適切触媒部数設定により、硬化、発泡コントロール

③『二酸化炭素を原料とするウレタン製法』
触媒としてスズアルコキシドを用いて、ホスゲンを使用せず且つ塩化水素を副生せずに、二酸化炭素を使用し副生物が水のみのウレタン製法。産業技術総合研究所より報告有。

メリット :ホスゲン使用なし、且つ塩化水素が発生しない
リスク  :触媒にスズ化合物を使用する為、紛争鉱物使用懸念が生じる。
対策   :紛争鉱物調査によりコンフリクトフリーである事を確認する。

(計554文字)

〇【参考文献】
1,発泡ウレタン軽量盛土工法 フォームライトWについて
https://www.inoac.co.jp/solution/housing_11.html

2,低VOCウレタン発泡用触媒 RZETA®
https://yamaguchi-automobile-tech.jp/list/list-278/

3,二酸化炭素からポリウレタン原料を効率的に合成
https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2014/pr20140930/pr20140930.html

以上です。ウレタンに関して、自分の見聞きした情報などを列挙してみました。これでもかなり情報は抜粋しましたが、やはり溢れますね・・

次回はこの記載事項を、更にA4 1枚にまとめた要約版を作成します。この作業が中々に大変ですが、これが技術士二次試験対策の肝となるため頑張りたい所です。

それではまたよろしくお願いいたします。



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