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【二次創作BL小説】「シルバーリング」タプトリ(18禁)5,477文字
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「なぁ、スンリ。
デビューしてすぐ位にさ、俺、お前に指輪買ってやっただろ。
覚えてるか?」
「あ・・ シルバーのやつね。十字架が透けてる..
あは。懐かしい~」
「そうそう。お前が、何にもアクセ持ってなくて・・
オフ時間にSHOPで、あまりにも物欲しそうに見るからさ、俺のなけなしの小遣いで買ってやっただろ?」
「あははは。うんうん。懐かしいねー」
「懐かしいじゃねーよ。アレ、どーしたんだよ。失くしたのか?」
「失くしてなんかないよ! ちゃんと持ってる。あの時だって買ってもらえてすごくうれしかったんだよ。でも・・みんなにペアリングみたいだって
からかわれて。。」
「ずっと付けてればよかっただろ。
俺は付けてたんだから」
「だって・・」
「だって・・? なに?」
「恥ずかしかった・・・から・・」
何でこう複雑な顔をするんだxx この男は!
そうやってメンバーを惑わすんだ。。
「持ってるんだったら、また付けろよ。
俺も付けるし」
「えっ?」
「一緒に付けよーぜ」
「なんで?? 急にそんなこと・・」
スンリは正直だ。戸惑いを隠せない
「・・今の僕たちが あの指輪をしてたら、ファンの子だってビックリするでしょ?
すごく高い指輪だって買えるのに。。」
「お前、"初心忘れず"って言葉知らない?
大事だろ?! そーゆーの。一緒に付けよーぜ☆」
「タッピョン。。」
(僕、どうしたらいいの? まさか、またあの指輪を?
何が起きるのか・・・・いやな予感しかしない。。)
.えーと・・たしか・・このあたり・・
・・あっ.た!
クローゼットのずっと奥に
小さな箱を探し出して
やっと見つけた シルバーの指輪。
鈍くくすんだ指輪を見ながら、タッピョンはなぜ急に?この指輪のことを
言い出したんだろう・・と思いあぐねる。
たしかに懐かしい..
甘酸っぱいような気持ちにもなる。
お金もなくて、もちろん休みもなくて、ただただ練習と歌の収録に明け暮れた5人の毎日。
ヒョンは兄として、おままごとのように僕に指輪を与えた。
「スンリが欲しそうだったから」
その指輪のデザイン違いをヒョンは買った。
だから、ペアリングなんかじゃない。
僕はうれしくて付けていたけど、ある日、ジヨンヒョンに咎められた。
「そんなの付けるなよ。お前には衣装に合うアクセがあるだろ」
タッピョンはずっと付けていたから、僕は何となく付けずらくなって・・
箱にしまい込んだ。。
あれから 7年...
僕は指輪が苦手になって・・
タッピョンはアンティークでオシャレな指輪を常時何個も付ける男になった..
シルバーのリングをクロスで磨きながら
この指輪を今、嵌めることの意味を考えていた・・
.「指輪、見つかったか?」
数日、顔を合わせる度にタッピョンに言われた。
とっくに指輪は探し出して、今もジャケットのポケットの中に入っている。 ただ、嵌める勇気がないだけ..
見ると、ヒョンの左手には懐かしい指輪が・・
「あっ・ それ・・」
あの時のシルバーの指輪が 薬指に嵌められている。
「今のヒョンには似合わないよ。。」
「つまんないこと言う男だな。お前は~。
俺が今、嵌めたくて嵌めてるんだから いいだろ!
お前、なに勘違いしてんの?! 友情の証だろ?
早く探し出して、付けて来い!」
友情・・・
タッピョンが何にこだわってるのか分かんないけども・・
僕がモゾモゾとジャケットの裾を掴んでたら
ヒョンが
僕の右手を取り上げた..
代わりに、自分の右腕を突っ込むとポケットから指輪を取り出した。
あっ!・・
「なんだよ。。持ってるじゃん。。」
.
見つけられて、バツが悪い。。
ヒョンはニヤニヤと指輪を見ている。「けっこう きれいだな」 なんて呟きながら..。
「ねぇ、タッピョン・・新しいの買わない?」
「はっ?」
「付けるなら、新しくて"いい指輪"を買おうよ。 お揃いにする?」
「お前は何を言ってるんだ?
あの時、なけなしの金で買った指輪だから、今、付けようって言ってるんだ!
今、買っても有り難みがないだろ」
「ヒョンがこだわる理由が分からないよ・・。
きっと、メンバーだって皆びっくりするし・・」
お前は、何にビビってるんだよ・・
「安心しろ・・ 目立たないように他の指輪もいっぱい付けるから」
「そういう問題じゃないって~」
「じゃーあ、どういう問題だよ?」
んっとぉ....。
「ん。問題ないなっ。ほら、手、貸せ。」
タッピョンの左手が、僕の左手を取る。
『ちょっ/ 待って!』
「何?!」
「・・右手にして・・・」
「しょーがねーなー・・」
ヒョンは仕方なく左手を離し、
僕の右手の薬指に、7年前の指輪が嵌められた。。
どうすんの、よ、コレ。
あーぁ。。 もう知らない..
右手が重い.. 右手が重い...
外しちゃおうか・・
でも、きっと ヒョンは怒るよね。。
また、「友情がぁー!」って
どうしちゃったんだろうね・・あの人。
それに、今思えば「右手」にしたのは間違いだったよ。。。。。。。。。。
だってさ.. 歌う時話す時マイクを持つのは右手なわけで..
いやでもカメラに映り込み、人の目につくわけで...
あぁ、、どうしたら。。。
そっと違う指に・・
いや、でも他の指には入らないよ。。。
どうして、薬指に入っちゃったんだよお~~
いや、待て。
俺、考え過ぎなの?
タッピョンに深い意味は無いのかも・・
サラッと付けちゃえば何でもないことなのかも・・
****************
ヒョンが言った通り、タッピョンの両手には たーくさんの指輪が嵌められてて。
でも、どうしても左手のシルバーリングに目が行っちゃうんだよね・・
ハァー。。。
僕が意識し過ぎるのかな
みんなに突っ込まれるのも時間の問題だと思うけど。。。
****************
数日が過ぎても
意外なことに誰もリングに触れてこない・・
ん?
あー・・皆、僕に興味無いんだね^^
あっはっは。
堂々としてればいいんだね^^
タッピョン、毎日キゲンがいいしね^^
気づいたのは、僕のファンサイトだけかぁ・・
****************
「ねぇ、ジヨンヒョン・・」
「ん?」
TVモニターを見ながら
テソンが言い淀む。
「なに?」
「今日、僕、気づいたんですけど・・
スンリ.. あんな指輪してましたっけ?
彼女できたんですかね~
何も問題起きないといいですけど・・」
「お前、今頃気づいたの?
あれ・・4日前からしてるぞ。」
「えっ. 4日?」
「それに、あれ、タプ兄が昔、スンリに買ったヤツ。」
『えっ? ええっっ!? なんで』
「・・・・。何でか知らないよ」
「ちょっと待って。どうして昔の指輪をスンリが、今、付けるの?」
「お前、はっきり言うなぁー・・」
「ねぇねぇ、ジヨンヒョン、はっきり聞いてよー」
「何を聞くんだよ。。
俺は恐くて聞けないよ」
「え・・ ヒョンらしくない・・」
「お前、聞けよ!」
「やだよ~」
「タプ兄も、最近シルバーの指輪してるんだよ・・・」
『うっそ!?』
・・・・・・・・・
ハァ。。。。
テソンの絶句とジヨンのため息。。
「こういうのは、"事"を荒立てない方がいいと思うんだ・・」
「"事"って何!?」 テソンの顔が青ざめている。
「スンリが意味もなく、あの指輪をしてるとも思えないし・・」
「(ゴクリ)。。」
「俺が、さっさと指輪を外しちゃえばいいんだろうけど、、
その後が怖い。。」
「ジ. .ジヨンヒョン...
ここはヨンベヒョンに間に入ってもらいましょう。。
それとなく いきさつを聞いてもらって・・」
***************
「んで、何よ?
俺が何をすればいいわけ?」
「だぁ~からぁ~、ヨンベヒョンがスンリに"その指輪、どうした?"って
聞いてくれたらいいわけ」テソンが必死に説明している。
「だからあー、スンリが"最近、買ったんですー"って言ったら、それで終わりだろ?」
(んー・・・ヨンベの言葉は当たっているようで大きく外れている。。。。)
「だからぁ~、そこを上手くヨンベヒョンに聞き出してもらいたいんでしょ!
その指輪はどうしたのか・・ どんな意味があるのかって・・」
「あのさぁー、
どんな意味だっていいんじゃないの?」
『ヨンベッ!!!』
『ヨンベヒョンっ!!』
.
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