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美容室エレジー(前)
どこで髪を切るのか。
これがそう簡単に解決に至るような問題ではないというのは、混迷を極める現代において、案外人々の間に共通意識があるのではないかと思っている。
あ、もしかして帰ろうとしてるの??待たれよ、待たれよ!
美容院、理容室、家の者カット、はたまたセルフカット…選択の幅は広い。しかし、散髪というのはただ切りゃいいってもんじゃない。ついでにパーマだってただ巻きゃいいってもんじゃない。一度手を入れてしくじった場合、樹木の剪定と同じく基本的には歳月が流れるのを待つ以外にない。こんなにチリチリになるなんて!予想と違うとなれば悲劇の幕開け、何も要求されていないのに外出を自粛したくなる人もいるんじゃないか?仕上がりが原因で事件に…というのは知る限りにおいてはないが…。
とにかく技術だ。技術が要求される。
ただ、他人に髪を整えてもらうとなると、皆それだけでは済まないんです。接客がついてくるでしょ。だから単純な問題じゃないって言ってるやん!←
個人的には、多少面倒だな~と思うこともあったりするとはいえ、そこまで身構えるわけでもない平均的なタイプ?こちらから出向く状況ですし…笑 けれど、世の中には美容師と会話するというシチュエーション自体がかなり苦手な人もいて、後輩にも「考えるだけでつらくて毎回先延ばしにした末に意を決して行くんですよ😱」と話していた子がいた。
小難しい名称のシャンプーを勧められた経験はあるだろうか。筆者は小娘も同然程度の頃、路上で美容のアンケートと言って近づいてきた人に「お肌のお悩みとかおありですかぁ」と訊かれて「お肌にお悩みがあれば皮膚科に行くがそれがどうした」的につい返答して相手が絶句したりしたこともあり、硬派の度合いに気をつけてはいるが、何かの商品の購入を無理強いされたりするほうではなさそうだ。しかし世の中には特にしがらみのある関係性ではないのにどうにも断れない人もいるわけで。
筆者とて、美容室が苦手どころの騒ぎじゃなかったり、急に勧められて難儀する心情自体は理解できなくもない。ある意味特殊な関係性にも関わらず、どうしても一定の拘束時間が発生する中でプライバシーも交えた適当な会話を対面でせざるを得ない状況になったり、頼んでもいない商品のプレゼンが目の前で繰り広げられる空間。そういうものと思って行けばどうってこともないものの、深く考えれば確かにナンダコレ?的な面もある。
これまで何箇所の美容室に行ったか定かではないが、そういえば不愉快な…いやいや、初対面の人間に対しての距離感に疑問を抱く店は自分もあった。客の立場でしか関わることがないため、もちろん一客としての感覚だ。美容師さんの側にも、もちろん普段お仕事をされている中で実は言いたいことや正直困る客などもいることだろう。なにしろコミュニケーションというのは双方間で行われるものだから。
ただ、客側としてはさすがにこれはないわ…と筆者が感じた印象的な事案をひとつお話ししよう。
*
まだ若かりし頃、住んでいる場所からそう遠くないところに、新しいヘアサロンがオープンした。通りかかった時、『へぇ…こじゃれた美容室ができたものだ、次はここに行ってみるか』と思い、いざ髪を切るとなって訪れた。
対応してくれた兄さんは、シャンプーしてカットしてもらっている間は特に何も違和感はなく、平和に終了。ありがたく、さっぱり気分で帰ろうとしたその時である。
「次は、毛染めもしてくださいね」
と、到底聞き捨てならないことを言い放ったのだ。
『………あ?????』
硬派の度合いに気をつけているので声にこそ出さなかったが、筆者の脳内に響き渡る心の声。なんつった、今?いや、今でもしっかり覚えている。←
え、ナニか?ワシは(ワシって言い出したぞ)おたくのメニュー表に載っている中から自分が施していただきたい内容をオーダーし、きちんとその料金を納める客で間違いないと思うが、それに何か異存でもあるってことかね?(ちなみにカット中、カラーも検討しているなどという話はしていない。)ワシはこの店では自分の髪形を貴様の(貴様って言い出したぞ)意向に沿うようにせねばならない何らかの明確な理由でもあるのかの😊?
例①「また来てくださいね」
▶これはもう常套句というか、そりゃ店なら言うよな的な、様々なシーンで客に対するマニュアル挨拶のようなものだと思えるし、また来てくれたならあなたを歓迎します、というのが感じられる言葉なので、文句はない。
例②「危ないですから、ここ触らないでくださいね」
▶そうする理由があるのがわかり、受け手の安全に配慮しているのもわかるため、受け入れられる。
③「次は毛染めもしてくださいね」
▶ワシの自由を侵害する気か👹?👹?👹?
百歩譲って、提案だったと考えてみようか。
だとしたら、客に対する提案の仕方ってのがあるんじゃないのか?
「お客様は、髪の色を変えてみたいと思われることはありませんか」
「当店ではカラー等もいたしますので、またよろしければご検討ください」
相手のことも考えた言い回しというのが世の中にはあろうが。特に、初めて来店した客への言い方としてもありえないと筆者は思うし、オプションがついてないオーダーに不満があるならそもそもカットの料金設定を見直せや!
あと、例えばの話、好きピが(好きピって言ってるぞ)「たまにはこういうファッションをしてる姿も見てみたいなあ」とか希望したなら、自分の趣味ではなかったとしても、できる範囲でよければ応えようか?となるにしろ、好きピにすら「こういうのにしろよ」などど言われた場合、筆者は絶交する人間と思われる笑 人が自由にしても差し支えないことを尊重しない人物が個人的にも無理という話であった。
まあ、お店にはお店の事情があるんだろうけどね。それにしてもよ…。
当然美容師が言っていた“次”などなく、自分の中で二度と行かない店として記憶されたわけだ。こじゃれた店だったのに惜しいというか、残念である。
*
おっと…つい熱が入ったのか、思ったより長くなってしまいました💦
ここで一呼吸置くことにいたしますm(_ _)m
後編は、一転?変に感心したサロン?のお話をさせていただく予定です笑
よろしければ、お時間の許す時にでもお付き合いくださいませ。
それではごきげんよう^^ 皆様お疲れさまです、おやすみなさいませ~👋🏻
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