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マニアックなアルストPillBottle Stones Stoveのレビュー

 Youtubeでキャンプギア動画を見過ぎた。特にアルストの動画を見過ぎたのだ。ある日変な動画がお勧めに出てきた。前半半分は外国人が既存のキャンピングストーブを延々と紹介する内容だったのだが、突如円形の石を取り出して積み上げ、火をつけた―。そう、それはアルストだったのである。

 ということでテキサスのMYOGメーカー、Neotorek社のPillBottle Stones Stoveをレビューする。Youtubeでさえ動画が2本ぐらいしか出てこない(私が見たオフィシャル動画と、それをDIYしようとする動画)と言う超絶マニアックなギアだ。燃料を燃やしてる感じなので、比較するのはカーボンフェルト(CF)ストーブや猫缶ストーブSide-Bなどだと思う。はっきり言ってデメリットや不満点が多い。しかしシンプルな操作感やコンパクトさと言う点では結構嫌いになれないギアだというのも正直な感想だ。


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内容物

  • ストーンストーブ4つ(直径約4cm、厚み約1cm、重量が10g)

  • 金属メッシュの下敷き2枚

  • チタン製風防1枚

  • ピルケース1つ

  • 燃料1gあたりの燃焼データシート1枚(ケースに貼ると良いよと書いてある)

  • アマゾンで買うべき燃料のおすすめ1枚

となっている。風防の角の丸みなどをみるとMYOGらしさがほとばしっていて実にほほえましい。データシートなどを含め、とてもアメリカ人のおっちゃん的優しさが溢れた品物だ。
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動画ではピザ窯用の耐火レンガで出来ていると話していて、見た目も石っぽい感じだったが、私の手元に届いたのは粉にまみれた軽くて白いものだった。よく見ると妙に毛羽立っている。なんだか軽い紙粘土を練って固めたような感じだ。匂いは…セメントやモルタル、リフォーム現場のようなちょっとカビっぽく感じるあの香りである。

火をつけた様子

使い方

  1.  ストーンストーブの入ったピルケースに液体燃料を注ぎ込んで、燃料を染み込ませる。

  2. 燃料が染み込んだら余った燃料をボトルに戻す。

  3. 金属メッシュを下に敷き、ストーンストーブを2段積んで上に鍋を載せて火をつける。

というのが一連の流れだ。私は燃料用メタノールでしか試したことがないのだが、複数の燃料に対応していると謡っており、ホワイトガソリンなども使用できると書いてある。

使用中の様子

火力

火勢的にはアルミ缶で作る小型のアルストより弱く、カーボンフェルト(CF)ストーブよりは強いといった感じ。トランギア0.6Lヤカンに入れた26度の水400mlが約6分で沸いた。大体1つあたり15ml弱ぐらいの燃料を吸っている雰囲気。メーカー曰く、1つでは火力が弱すぎ、2つで使うのがちょうどいい感じ。とのことなのでこれ以下で使うのはちょっと不便そう。

ステンレスとチタンのクッカーで米1合を炊いたところ、ステンレスでは大変ちょうどよい感じに炊けた。チタンは少々焦げたが、大きな失敗と言えるほどではなかった。

メリット

  • 全体的にシステムがコンパクト

    • ピルケース1つのサイズに全部入り、50g以下。

  • 2つのクッカー同時に扱える/2回分運べる

    • でも風防一枚

  • 使い方が簡単

    • 吸わせて積んで置いて点火するだけ。確かに壊れるところがない。

  • 液体燃料なら何でも使える

  • 五徳不要

    • 小さなクッカーなら五徳不要。結構安定している。

    • デカい鍋向けのシリーズもある。

  • 意外とすぐ冷める

    • アルミ缶アルストと比べて冷めるのが速く、すぐ収納できる。

デメリット

  • 燃料の吸収に時間がかかる

    • 普通のアルストは注いだらすぐ点火できるが、これは10分ぐらい置く必要があるし、フル充填にはピルケースに2回注ぎ、吸収後は燃料を戻す必要がある。

  • ピルケースから燃料がちょっと漏れる

    • 吸収待ちの燃料が蓋と本体の間から染み出す。吸収しきれば問題ない。私はネジ蓋式のピルケースに変更した。

  • トングが欲しい

    • 取り出すときに直接燃料を触ることになるので。ニクツカミみたいなトングが欲しくなる。

  • 不燃・熱対策必須

    • 点火当初は金属メッシュの範囲を越えて火が広がる。地面に対する耐熱・不燃対策か大丈夫な地面で扱う必要がある。

メッシュの外へはみ出した火
  • ストーブの接触面や中心部に燃え残りが出る

    • 燃焼が終わっても積んだストーブをばらして火をつけると蛍火ぐらいの火がしばらく燃えるぐらいの燃料が残ってしまっている。

  • 終わりに不完全燃焼する

    • 最後の方になるとボボボボボ…と燃料の蒸発と燃焼が追い付いてない状況になり不完全燃焼をして目が痛くなってくる。個人的には極めて致命的…

  • 汚れに弱い

    • ストーブ自体、吸水性が高い素材なので、液体汚れをストーブが吸ってしまう。私の場合、米の噴きこぼれを吸ってしまった。火にくべて燃やしてしまうことは可能のようだがちょっと面倒くさい。

  • Websiteが超ダサくて買いにくい

    • 2000年代の手書きHTMLかおい!と言うレベル。

まとめ

 ズバリ、CFストーブなり、当方自作のアルミ缶アルストが使えるならそっちを使った方がいいかも。(ぉぃ)五徳不要のCFストーブが欲しいならアリ。
 軽量で壊れにくく、お手軽なことは間違いない。しかし燃料量の調整はしにくいし、コンパクトさ(体積・重量)では小さいCFストーブや当方自作のアルミ缶のアルストには勝てない。悪くはないが1軍になり切れない。嫌いじゃないが尖がったところが無いというか…。まったりした火力なので五徳無しのCFストーブぐらいのものを探している人には刺さるガジェットだと思う。


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