【解説】ばりぐっどコミュニティを、"教育系"にした2つの理由
はじめての方は、はじめまして。
いつもお世話になっているみなさまは、いつもありがとうございます。西海クリエイティブカンパニー / ばりぐっど大学の宮里です。
今回は、ばりぐっどコミュニティを、「教育系」のコミュニティにした理由をできるだけ論理的に解説してみたいと思います。
その前段として、コミュニティの定義について、私自身はどう認識しているかについて、前提認識を説明します。飛ばしたい方は中断以降の【教育系にした2つの理由】人の価値を上げる / 役割を想像してもらう から読んでいただいても大丈夫です。
【前提認識①】 組織の構成要素 /共通目的、貢献意欲、コミュニケーション
・組織は、以下の3つの要件が全て揃ったときに、成り立ちます。
1.共通目的
2.貢献意欲
3.コミュニケーション
これは組織論の権威であるチェスターバーナード氏の定義で、上記の3つのうち、どれか一つでも欠けている場合は、組織と呼べないというものです。実例に当てはめて考えてみると、わかりやすいです。
ex1) 1 の共通目的がないケース (2.貢献意欲 3コミュニケーションはある)
社員の一人一人は、頑張ろうとしており、コミュニケーションもとっているが、チームの「共通の目的」が不確か/不明瞭であるため、バラバラな状態。ここは一定数の規模のマネジメント経験がある方や、10名以上の組織の所属したことのある方は、イメージできる人も多いのではないでしょうか。
ex2) 2の貢献意欲がないケース(1.共通目的 3コミュニケーションはある)
チームが何をやりたいかは理解しているし、会議などでコミュニケーションはとってはいるが、「正直関わりたくない、この事業から離れたい」という状態。
ex3) 3のコミュニケーションがないケース
共通の目的があり、貢献意欲はあるが、コミュニケーションはない場合。これはシンプルに別の団体です。例えば、まちの水産資源を使って、地域に仕事を生み出そうとしているAという企業と、BというNPOは、別にコミュニケーションをとっているわけではない、シンプルに別のチームです。
【前提認識②】組織 ⊇ 法的な定義された組織 /法的な定義されない組織
※A ⊇ B は、BはAに含まれる、という意味です。
組織には、法的に定義されているものと、定義されていないものに分かれる。ex) 法人やNPO、国家や市区町村、家族、小中高などの教育機関、といった登記簿で第三者に証明可能なものを、前者。一方で、ママ友、アムラー(安室奈美恵さんのファン)、 ARMY(BTSのファン)、高校や大学の友達グループ、など人によって定義はそれぞれだが、確実に存在はしている集団。
上記の認識の上で、"コミュニティ"という組織を、なぜ教育型にしたかの理由を説明してみたいと思います。もちろん出発点は「人が減っても大丈夫な社会」をつくるため、という部分です。
【教育系にした2つの理由】人の価値を上げる / 役割を想像してもらう
ではここから本題です。教育型のコミュニティにした2つの理由を説明します。「人が減っても大丈夫」にするには、「実際に仕事を作る」ことが、非常に重要だと考えているので、その観点から判断したのが、この2つの理由になります。
①物的資本価値の伸び率 < 人的資本価値の伸び率
おにぎりの値段をあげるのは難しいです。だいたいコンビニで120円で売ってますし、高級なおにぎり専門店でも、一つ300円ちょっとがMAXでしょう。
一方で人間のパフォーマンスは、同じ人間でも、文脈やフィールドを適切に配置できればX倍変わります。これはデザインができないし、向いてもいない僕に、デザインを勉強させたとしても、せいぜい半年後に、3000円ほどのデザイン(しかもお情け商売)が制作できた、、というくらいがいいところでしょう。一方で、デザインを本気でやりたい人が1年しっかり勉強すればその単価は桁が変わります。0が一つ、場合によっては2つ変わることもよくあります。
学びを、仕事につなげることができれば結果(仕事)で返せる部分があるのではないか、というのが"教育系"にした一つ目の理由です。
②役割のわかりやすいさ
世界中のほとんど誰もが、学校生活を経験したことがあるため、教育型組織での振る舞い方が想像しやすいというのも実は大きいです。教師、学生、同級生、先輩・後輩というふうに役割が想像しやすい。
またコミュニティについてネガティブに捉えられやすい”離脱”に対しても、「卒業」という概念がありますし、遠くから見るだけ参加の「公開講座」も肯定されるのが教育です。スキルを学んで、バリバリ稼ぎたいから参加している人も、情報収集として参加している人も、特に大学や大学院を経験したことがある方は想像できます。
新規の組織を立ち上げるときに非常に困難な部分が「何の団体なの?」を外の人にもそうですが、中の人にもわかりやすいことが必要です。
もちろんばりぐっど大学の現状はまだまだわかりにくいことはたくさんありますし、僕自身の能力不足で、メンバーの皆さまに本当に申し訳ない判断の連続です。
それでも、ばりぐっど編集部やばりぐっどエンジニアなどは、極めて多様にその活動を広げ、継続的にそして実際に社会に貢献しています。
つまり、"ばりぐっどは、学校だよ"ということで、自分の役回りが"体験入学した人"だったり"一年前に入った先輩"だったり、時々自主勉強会をやって、お互いにPtoPの学びを深めたり、よそのクラスの同級生に自分が得意な科目を教えたり、、といった「役回り」がある程度想像しやすいのでは?
というのがばりぐっどを"教育系"にした2つ目の理由です。
【まとめ】
1.成長できる環境としての学校にすることで、人の数ではなく、スキルを上げて、価格がつきやすい状態にする。
リソース(時間とお金)が限られている中で、早めに高い結果(仕事の数や量)を出すためには「人的資本」に値段をつける産業が必須で、そのためのコミュニティにする必要があった。
2.学校ととらえれば、役割が想像しやすく、運営コストが下げられる。
オンラインベースになることが予想されるなかで、説明などのコミュニケーションを割く余力がなく、「オンラインのはじめて参加」や「一回くらいしかあったことがない」人でも一旦始めやすいのでは?と思った。
以上の2つが、ばりぐっどを、「教育系」にした大きな理由です。
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