同じカメラを７台持つ理由

僕が作品作りとして使用しているメインのカメラはLomography（ロモグラフィー）のLOMO LC-A+です。35mmフィルムを使用するコンパクトカメラで、デニムの後ろポケットにも収まるコンパクトカメラです。そのカメラを僕は現在７台所有しています。コレクションとしてではなくて、実際に使うためにです。

実際に所有しているLC-A+

でも、「どうして７台も必要なの？」って疑問に感じると思います。実は僕にとってはまだ７台でも足りないくらいなんです。その理由はフィルムスワップによる多重露光を撮影するため。フィルムスワップとは撮影を終えたフィルムを巻き戻した後にカメラから取り出し、そのフィルムを現像せずにもう一度カメラに装填をして上書きをするように再度撮影をして重ねる多重露光の方法です。僕はこの方法で全く違う国同士を重ねることが多々あります。

日本の桜とフランスの凱旋門を重ねたフィルムスワップによる多重露光

例えばフランスをメインに撮影に行くとします。まず僕はフランスに行く前に日本でフランスと重ねるためのフィルムを数本撮影しておきます。撮影したフィルムをフランスでカメラに再装着して多重露光として撮影をします。さらに別のカメラではフランスで撮影した後（数ヶ月後または数年後）に別の国または国内で重ねて撮影するためのフィルムも同時に撮影します。それがカラーフィルムだったりモノクロフィルムだったりします。これを同時に同じロケーションで撮影を進めていきます。と言うことで同時にフィルムスワップ用の多重露光だけで4台ほどは必要なのです。さらにフィルムスワップをしない通常撮影のカメラも必要で、フィルムもカラーやモノクロなど数種類に及ぶのでここでも数台カメラが必要なのです。

ある日のホテルの机の上

特に欧米など遠距離の場合は、毎年行けるような場所ではないので撮り溜めをしたくなるのです。そうするともう僕が持っている７台だけでは足りなくなるのです。そのためカメラの使用計画を立てます。どこでどのカメラを使用して、どこでカメラを次に切り替えるか。限られた台数のカメラをうまく回すために尋常ではないくらい計画を立てます。でも僕にはとても重要な作業なんです。でもちょっとこの作業が楽しかったりするのです。