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「好きな地域で働く」を、もっと身近な選択肢にーー新しい移住転職サービス「LoLLL」の提案
いつか好きな地域で自分らしく働いてみたい。でも、移住先や働き方について具体的なイメージが持てないーー。
そんな人の背中を押す、まったく新しい移住転職サービス「LoLLL(ロール)」が本日2月4日に始動しました。移住転職に興味・関心がある人たちのためのコミュニティ運営を通じて、移住先やキャリアプランの検討から伴走。提携する地域企業とのマッチングや、移住後のフォローまでを中長期的にサポートすることが特徴です。
LoLLLを運営するのは、10年以上にわたり社会人教育事業を展開してきた株式会社Schoo(以下「スクー」)。インターネットでの学びを起点とした社会変革に取り組んできたスクーが今、都市部のビジネスパーソンの人生設計や、地域の人材不足に注目する理由があります。
より多くの人に「LoLLL=Lushness of Life(豊かな人生)」を届けるべく立ち上がった本事業について、プロジェクトの中心メンバーに話を聞きました。
コミュニティでなら、「移住先の検討」から始められる
ーーLoLLLがどのようなサービスかを教えてください。
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金田:いつか大都市圏以外の地域で働きたいと考えている方のための、移住転職コミュニティです。コミュニティにご参加いただいた方々と、私達に賛同してくださっている全国の地域企業の求人をつないでいくのがメインの活動ですね。ただ、一般的な転職エージェントのように採用情報を紹介するだけでなく、移住先や暮らし方の検討から転職のためのスキルアップ、移住後の定着まで長期的にサポートできることが我々の強みです。
ーー移住の検討のサポートのために、「コミュニティ」という形を選んだのにはどんな理由があるのでしょうか。
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大西:移住先を決めていない状態でも、多様で新鮮な情報を随時得ていただけるようにしたいと思ったからです。
今って、移住を検討する時にまず「どの自治体に行くか」を決めないと行動に移しづらいんです。自治体が決まればそこの移住相談窓口に行ったり、その自治体関係のイベントに参加したりできる。でも、行き先を決めるまでも結構大変じゃないですか。行き先を決めていない人向けの移住情報って限られるし。その点LoLLLでは、移住先を決めていない状態でもいろんな情報を得ることが可能です。
ーー具体的にはどのような情報を得られるのでしょうか?
大西:LoLLLのコミュニティには、移住経験のある方が複数名、アンバサダーとして参加してくださっています。そういった各地の移住の”先輩”から、コミュニティの中でアドバイスをもらうこともできますし、一対一のキャリアカウンセリングや、私たちとの直接的な対話ができるMeet Upイベントもご用意しています。また、地域のビジネスや移住に詳しい有識者や、地域企業の方によるオンラインセミナーも定期開催していきます。
金田:第一回でご登壇いただくのは、元「ジモコロ」編集長で長野に移住されている徳谷柿次郎さんです。とても具体的で面白い話が聞けますよ。
大西:あと、いまコミュニティに参加すると、Schooの授業動画を見られる特典もついてきます。納得のいく移住転職に向けて、スキルアップが必要だと感じている方にはぜひ入会をおすすめしたいですね。
移住の検討って、ある意味学びのプロセスでもあると思うんですよ。情報を得て、取捨選択して、自分の知識を増やしながら価値判断をしていくという。スクーは一貫して「学び合い」の体験を大切にしてきたし、LoLLLもそこは同じです。コミュニティでなら、特定の正解をただ知るのではなく、N対Nの情報共有の中で考えを深めていける。みんなで学び合うことで、より良い検討ができると考えています。
なぜ今、移住転職なのか
──教育事業を展開してきたスクーがなぜ今、地域企業と働き手をマッチングするサービスを立ち上げるのでしょうか。
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金田:一言で言えば、東京一極集中による地方経済の衰退が、スクーの実現したいビジョンと深い関係にあるからですね。
まず働き手について言えば、移住相談件数は年々増加を続けています。総務省の発表によれば、令和5年度の相談件数は40万件以上で、前年度から3万件以上増加しています。しかしながら、実際に移住件数そのものが激増しているかというとそうではない。住むところも働くところも変えるというのは大きな決断ですから、そうそう気軽には行動に移せませんよね。とはいえ、本当に望む生き方のために移住を考えている方が多いのであれば、我々に手伝えることがあるのではないか、という想いがあります。
一方でそれは、日本経済のために重要な取り組みでもあるんです。今度は地域企業側についての話になりますが、スクーは10年以上前から、オンラインを通じて全国の法人や自治体に学びの場を提供してきました。当然たくさんの地域の方々ともつながりがあり、今もさまざまな課題に一緒に取り組んでいるのですが、その中で圧倒的によく聞くのが人材不足の問題です。ポリシーもニーズもある良い企業はたくさんあるのですが、なかなか採用に手が回らない。
一方に地域で働きたいが踏み出せない方々がいて、一方に人手を欲している企業の方々がいる。ここを結び合わせていくのは、我々のビジョンである「『あたたかい革命』が起こり続ける社会を残す」ために不可欠だと考えています。
地域で働く未来を、もっと身近なものに
ーーいま、大都市圏以外の地域では、どんな人材が求められているのでしょうか。
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白坂:LoLLLのプロジェクトが立ち上がる前から、スクーは地域に関する取り組みを続けてきました。その中で実感したのは、”右腕”的人材へのニーズの高さです。経営者のアイデアをどんどん実行に移せるような人は切実に求められていますね。右腕といっても、なんでもできるハイスペックな人が欲しいという意味ではないんです。「自分の経歴やスキルなんてありふれているだろう」と思っているような人でも、十分合致するようなニーズであることも多くて。
金田:中でもやはり、WEBやマーケティングの知見がある人は人気がありますね。同時に、ハイクラス人材やスペシャリストのニーズも高いです。たとえば海外取引がメインだから外国語の使える人材に来てもらいたい、という製造業やエネルギー事業の企業はいくらでもあるし、経理や財務職も常に引っ張りだこです。だから実はグローバル志向の方や、スペシャリストとして成長したい方にもぜひ地域に目を向けていただきたいんですよ。
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小池:今、地域移住というと「起業家やクリエイターがやるものでしょ」というイメージを持っている方も少なくないと思うんです。でも当たり前ですが、実際に移住を望むのも、移住するのもそういう人ばかりではありません。地方移住や地域政策を研究されている社会学者の伊藤将人さんの著書によれば、移住相談窓口にくるのは会社勤めをされている方が圧倒的に多いそうです。雇用されて働く人たちにとっても住む場所を選びやすい社会であってほしいし、LoLLLもその一助としたいです。人が動くためには、魅力的な仕事と出会うことが重要ですから。
白坂:そうですよね。たとえば私の地元だとサービス業の発展が著しくて、給与もどんどん高くなっています。「このままなんとなく都会で働いていていいのかな」「成長実感が得られないな」と感じている人には、ためしに日本全国を選択肢に入れてみては、とご提案したいです。
ーー給与といえば、首都圏から他地域への転職の場合、給与の維持やアップが叶うかといった点が気になる人が多そうですが、その辺りについてはどう考えていますか?
金田:たしかに、首都圏と比べて給与水準が低くなる地域や業種もあります。ただ、一概に「地域に行くなら、絶対に給与の大幅ダウンを受け入れなければならない」ということはないです。私たちも、安易に「給与が大幅に下がっても、住環境が良いからおすすめですよ」といった勧め方はしたくありません。ですから給与を始め、多様性理解などさまざまな観点で自信をもってLoLLLの参加者におすすめできる企業と提携を進めている状況です。
とはいえ移住転職の場合、仕事面以外の要素も合わせて検討する必要がありますし、トータルで考えたときに納得感があるかどうかが何より大切です。まさにそういった検討のお手伝いをするのがLoLLLだと考えています。
移住転職検討を、「豊かな人生」の一部に
──どのような方にLoLLLを利用していただきたいと考えていますか?
白坂:移住転職に関心のある方というのは前提として、働き方に悩んでいる若手ビジネスパーソンの方にはぜひ気軽に利用いただきたいですね。「まだ具体的には考えられないけど、移住ももしかしたらありかも」くらいでまったく問題ないです。
これはみんなでよく話すことですが、まずは選択肢を知ってもらいたいんですね。私自身、大学生の頃などは「若いうちは大都会で働くか、地元で安定した就職をする以外に選択肢はない」と思い込んでいました。でも今はいろんな働き方が可能になってきましたし、地域の面白い企業も増えています。地域企業で働きながら副業で都市部の仕事を持つ、なんて働き方も珍しくなくなってきました。そういった新しい価値観やライフスタイルに触れられる場として、LoLLLを使ってほしいと思っています。
ーー参加を検討されている方に一言お願いします。
金田:「LoLLL」という名前は「Lushness of Life(豊かな人生)」という言葉から生まれました。移住を検討する過程も「豊かな人生」の一部だった、と思っていただけるよう、私たちが全力でサポートします。LoLLLでお会いしましょう。
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文:LoLLL編集部
写真:Natsuki Kuroda