指数の出来上がり方と使い方について
コミュニティ内の雑談の中で、指数についての考え方について話が出てきたので、自分なりの見解を書いてみようと思います。ちなみに、自分は指数を作っている立場ではないという前置きはしておきますね。
*データ網羅が大きい指数と、少ない指数も同じく指数と定義して今回は書いているので、競馬指数を作る上で当たり前となる内容も、できていないことがあることを前提に書いています。広い定義として考えていただければと。
では、まず指数というのは何かというと、出走している馬に対して何かしらのファクターを利用し、序列をつけるものになります。
そのため、指数の高い馬と低い馬が出てくるわけですね、もちろん指数の高い馬が買い、指数の低い馬は買わない方が良い、という当たり前の話しになります。
なぜ、こんな当たり前のことから書いているのかというと、指数の高い馬は本当に買いなのか、という部分から考察する必要があるからです。
・指数は作成者の思いが反映されるもの
まず、指数については、作成者の思いが反映されるものになります。
指数は様々ありますが、作成者が何を重要視しているのか、何をいらないデータと思っているのか、10のデータなのか、100のデータなのか、1000のデータなのか、など様々違いがあります。
簡単なところだと、調教のデータを取り込むか、みたいな内容がわかりやすいかなと思い、全ての調教データがまだ数値化されていない状況の中でブレが大きくなるよね、指標として使うのはNGでしょ、という人と、出てるデータがあるなら使った方が良いよね、みたいな方もいらっしゃるかと思います。
これは、どちらが良い、悪い、ということではなく、指数は作成者がどれだけ競馬のことを理解しているのかがかなり大事で、その上で必要なデータを篩にかけられているのか、データは何をもとにしているのか、各データの重みづけをどのように考えているのか、など様々な要因が出てきます。
ここで何を言いたいのか、というと、指数は数値化されるなので、全て同じような内容で作られているでしょ、とユーザは思いがちですが、指数の作成者を信頼する、ということになります。
「作成者を信頼する=その人の思いが投影される指数は信頼できる」
というロジックですね。そのため、何でも良いから指数を見て考えましょう、というわけにはいきません。
・指数を並べるのはいいの?
では、いっぱい指数を集めて何が良いのか考えればいいんじゃないの?という考えに行き着くと思います。自分的には、これはあまり良くないと思っています。
理由は人気馬を買うように設定される可能性が高いこと、が挙げられます。
当たり前ですが、指数を作成する段階で、作成者はオッズを知りません。
そのため、オッズ妙味をどう考えるのか、は指数作成者で変わってきます。
当たり前の話しをしますが、天皇賞秋でイクイノックスが最終単勝5倍で買えます!ということがわかっていたら、指数はものすごく高い点数をつけるでしょう。ただ、そんなことはわからないので、指数作成者は指数に対して人気を取り込むのか、取り込まないのか、を判断することになります。
1.人気を取り込んで考える場合には、様々な方法(ここで取り上げると膨大な内容になるので割愛)で全ての馬のオッズ(単勝ベースなのか合成ベースなのか)を考え、物差しを作り、その物差しを基準に妙味があると判断できる場合、指数が高く弾き出されることになります。
2.そもそも指数がオッズを反映しない、と考えることもできます。これは純粋にこの馬が来る可能性が高いです、ということですね。この場合はシンプルに、指数の高い馬と自分を利用する側でオッズと睨めっこして、見合うかどうかを判断することになります。
上記のように、物差しが違う指数を並べて判断しても、特にオッズに対しての考えがばらついてしまう(指数作成者の精度もまばらだと重みづけもおかしくなる)こと、強い馬を買いましょうが混じることで結果人気サイドが浮かび上がってしまうので、有効な方法にはならないです。
3.指数を利用するには作成者の思い(癖)を知ろう
では、指数って使いにくいじゃん、となりそうですが、人間では膨大なデータを扱いきれない、人間の主観がどうしても入ってしまうので、一定の方針に従って物差しを作ってくれる指数はかなり優秀です。
そのため、指数は何を考えて作られているのか、何を重要視しているのか、を知ることが大切です。
本来は指数の作成者に何をどう作ってるの?と聞くのが良いのですが、これはおそらく秘伝のタレと同じであり教えてもらえないことが多い(まず難しい)でしょうし、膨大なデータを絶妙なバランスで重みづけをして調整をしているはずなので、作成者も説明をしきれないケースも一部にはあると思います。
では、ユーザはどうしたらいいのか、というと、1つの指数を徹底的に分析し、作成者の思いや癖を読み取り、何を重要視しているのかを見極めることが必要です。また、作成者の出している指数を利用した予想を見るのも良いでしょう。
かなり極端な例を出しますが、新潟直線1000mで内枠ばかりを本命にしている指数があるとします。このケースを見たら、枠順の意識を全くしない指数なんだな、というのがわかりますね。
また、指数が高い馬が人気薄の馬ばかりのものがあったりします、これはオッズ的な何らかの指標が入っている(当たり前ですが、総合判断をしていけば、オッズを見ないのであれば人気サイドに高い数値が偏るはず)と考えられます。
指数は上記にも記載した通り、物差しを作ってくれるものなので、どんな物差しであるかを分析し、自分の予想に取り込んでいく、というのが良い使い方かなと思います。
最後に、重ねてですが、指数は人を信頼するものである、は忘れないようにしましょう。
近い知り合いですと、とうけいばさんのカイ指数、ぽたさんの指数などありますが、競馬に造詣の深い2人が作っている指数であれば、物差しを作る上で間違いはないものである、と思いますし、ユーザの立場であれば分析をして、どのような利用方法があるのかを考えているところから考えていくと思います。
(自分はアナログ人間なので、軸がぶれないように極力他のファクターを利用しないように気をつけていますが、使ってもいいよ!という状況であれば、まずは分析するところから始めるかなと思います)
たまには競馬の本質から少し離れたコラムを書いてみましたが、いかがでしたでしょうか。楽しんでもらえたら幸いです。
それでは、今日はこの辺で。