認知バイアスを考えよう
コミュニティに推奨を出していて、的中させることと回収させることの違いが認識できていないかたがいらっしゃったので、せっかくですし自分の考え方を含めて、コラムにしてまとめてみようと思い書き始めました。
競馬を長くやっている方であれば、当たり前にやっていることですが、今はAIの波及、キーワード的な文言がSNS上で普及されやすくなっているので、さらにこの的中と回収の意味合いが大事になってきており、馬券を買う時に意識をする必要が出てきています。
では、まずは認知バイアスとは何なのかを考えていきましょう!
競馬をやっていると、さまざまな格言に出逢います。
いくつか例を挙げると、
「新潟1000mは外枠が有利」
「東京ダート1600は外枠が有利」
などですね。
これは的中率、というものを意識する上では大切なことで、
新潟1000mは外ラチを使ってまっすぐ走りやすい、馬場の良いところを走りやすく、内枠は外に切れ込まないといけないため不利
東京D1600は1角までの距離が長いため、スピードが出やすく一度揉まれてしまうと再度エンジンをかけるのにパワーを使うので、内枠は不利になってしまう
など、この内容を論理的に説明も可能です。
競馬は的中しないとお金が返ってこないギャンブルなので、常に最適解を選べば+になるよね、新潟1000も東京ダート1600も外枠だけ買っていこうと考えがちですが、これは誤りで、このような単純で誰もが入手できる情報については、AIなどが助長する、理由をわかりやすく説明しやすいために、予想を配信する人間が推奨をあげやすく、人気が人気を呼んで、的中した時のリターンがかなり渋くなります。
当たった時に配当が渋いな、と感じる時は大体、何かしらのパターンでこの認知バイアスに引っかかっていることが多いですね。競馬が控除がなく行われているギャンブルであれば、これでも勝負できると思いますが、残念ながら馬券は買った瞬間に100円の価値はおおよそ券種によって変わりますが、75円ほどになっている可能性が高く、当たってもジリ貧にどんどんとなっていきます。
人間は的中した時にアドレナリンが出る厄介な生き物です。また、理論的に説明ができることを求めたがる傾向になるので、運の要素の身を任せることを嫌います。そのため、認知バイアスはどんどんと加速していき、特に普段馬券を買わない人たちが参入してくるG1などは、この認知バイアスは最大化します。
では、満足のいく配当を得られるためにはどうしたらいいのか、というと、この認知を外す買い方を考えればいいのです。ただ、この認知というのは厄介なもので、理論的に説明ができるものであることが多く、闇雲にやると的中率が極端に下がります。
当たり前ですが、新潟の1000mや東京D1600の内枠ばかりを買っていたら、当たるものもあたらなくなり、資金がショートして何もできなくなる、ということにつながりますね。
では、どうしたらいいのか、というと、以下の2つが対応策として考えられます。
1.認知の裏で論理的に説明できる内容をもち、馬券を購入する
2.世の中の認識の裏をとる要素を考え馬券を購入する
1についてはそのままで、世の中全体が認識し、AIもそのように動くもので裏を取れるものがあれば、そこを狙っていくことですね。
一例を上げます。
これは、先週の平場の東京D1600の1レースです。
1人気がマンマリアーレで単勝2.1倍。先ほどのような東京ダート1600で大外とこれは外さないよね、という認知バイアスが入っています。
私の予想はこちらでした。
東京D1600の先ほどの外枠が有利な理由を思い出してください。
「1角まで長いのでスピードを維持したく、被されるとスピードがロスしてしまうので、再度エンジンがかかりにくい」
これはどんな時にも適用されるのか、というと違っていて、
「出走頭数が少なければ、全体としてのスピードが上がりにくくなるため、被された時のロスが少なくなり、内枠が不利であることは変わりないけれども、不利の度合いが少なくなる」
となります。また、外枠の優位性も、スピードの維持が強くなくなるので下がっていき、結果としては頭数が少なくなることで、枠並びの優位性が少なくなるわけですね。
AIなどはこの辺りを考えているのかわかりませんが、指数として低いものを見ていく、あまり競馬のロジックを知らない、データだけを見ていたりする推奨者は内枠だから来ないでしょ、といって消してくれるので、2番人気-3番人気の馬連が何故か3210円ももらえる状況が出来上がります。
これは一例で、自分は世の中の認知されているものの裏をどのようにしたら論理的に取れるか、ということは常に考えていて、このようなものはいくつもパターンとしては持っています。
競馬の予想は正しい知識をいかに収納し、必要な時に取り出せるか、なので、このようにオッズが取れるパターンがきたら、多少が不利でもリターンが大きいから狙おう、というふうになるわけですね。
これが一番正確に裏を取れるパターンですが、予想のやり方でこのようなやり方を使わずに、認知バイアスの裏をとることができます。
これも一例を上げますね。
今週の平安Sです。このレースはミトノオーとメイショウフンジンがいるから早くなって、前が潰れるという戦前予想をされた方は多くなったかなと思います。
徹底逃げの2頭がいて、逃げられる馬は1頭しかいないので、もう1頭は飛んでしまう可能性がある、と考えやすくなり、前の2頭で決まる決着についてはかなりケアが薄くなります。
メイショフンジンについては、前走OP勝利とこの中で実績上位であるものの、10人気とかなり人気を落とします。
ただ、今回のように折り合うレースになった場合、そのまま前目で決着する、なんていうことももちろんあるわけで、そんなケースで複勝は970円ももらえる状況になります。
人間がこうなりやすいだろう、と思うことがそのまま目の前に訪れる可能性はそこまで高くなく、特にみんなが囃し立てて話す情報ほどそのままのレースにはなりにくいです。
展開の予想をするときは、もちろんその精度を上げていくことも大事ですが、
「こうなりやすいだろう」よりも「こうなる可能性もありそうで、このケースは認知バイアスの裏が取れそう」
と予想をしていくと、オッズリターンを見越した狙いができるようになってきます。
ただ、ここで全てにおいて無条件に裏どりをしていくと、予想のバランスも崩れ、結果として無理なものを追いかけていくもののみとなるので、あくまで可能性があるものの中で選択すること、が大切になります。
最近配当が辛いな、当たってるのに増えない、という方がいらっしゃいましたら、参考になれば幸いです。
また、前述しましたが、G1など大きなレースになればなるほど、味を知らないラーメン屋に評判だけで並んでいくよう、人気が人気を呼んで、妙味が平場よりも認知バイアスによって薄くなります。
自分はG1は常にフルスイングを目指してやっているのは理由で、一撃過去のホープフルのような馬券が取れれば、それで回収できるからですね。
このホープフルでG1何年分かわからないくらいな配当がでましたが、これを目指していくのがG1の正しい戦い方かなと。
当てに行く、はやめて、チャレンジしていく、皆様も意識を変えて頑張っていきましょう!
では、今日はこの辺で!