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BDRリストの管理と実践について
BDR(Business Development Representative)は、ターゲットアカウントの開拓と商談創出の重要な役割を担います。
しかし、そのリスト管理をどのように行うべきかは、多くの企業が直面する課題の一つです。本記事では、BDRリストの適切な管理方法と実践について解説します。
SFAでBDRリストを管理することはおススメしない
BDRを行う際に、データをどこに残すかは非常に重要です。基本的には一元管理を推奨したいところですが、SalesforceやHubSpotなどのSFA(Sales Force Automation)ツールでBDRリストを管理するのは必ずしも最適ではありません。
私自身、BDRの活動をSFA上で管理できないか試みたことがあります。しかし、結論として難しいと感じました。その理由は以下の通りです。
1. 個人データの一意性の確保が困難
SFAでは、リードやコンタクトを管理する際に「メールアドレス」などの固有の記号をキーとして利用することが多いです。しかし、BDRの段階では、まだメールアドレスを取得していないケースが多く、同姓同名や会社名との紐付けが難しくなります。
2. データ量が増えると管理工数が膨大になる
BDRリストには、ターゲット企業ごとに多くのキーマン候補が含まれます。そのため、SalesforceやHubSpotに大量の未検証リードを追加していくと、データの整理や更新作業に膨大な工数がかかり、かえって非効率になります。
3. データドリブンなセールスができなくなる
BDRでは、リード獲得のための試行錯誤が頻繁に発生します。SFAに登録が正確性が担保できないと、柔軟なデータ分析やアクション管理がしにくくなります。
メールアドレスの取得まではExcelなどでアクション管理がベター
私はBDRの段階では、リード(メールアドレス)を取得するまではExcelやGoogleスプレッドシートなどの表計算ソフトをカスタムして管理するのが最もシンプルかつ効果的だと考えています。
推奨フロー
BDRリスト(キーマン候補)をスプレッドシートで管理
アクション(手紙、コール、SNSなど)を記録
リード(メールアドレス)を獲得したタイミングでSFAに登録
SFA上で商談化以降の管理を実施
この方法を取ることで、
無駄なデータをSFAに増やさず、クリーンなリストを維持できる。
BDRの進捗を柔軟に管理できる。
Excel上でカスタマイズしたダッシュボードを作成し、KPIを可視化できる。
必要な要素はキーマンリスト、アクション管理、KPI、簡易ダッシュボード
BDRリストを管理するうえで、最低限必要な要素は以下の3点です。
1. キーマンリストの作成
BDRの最初のステップは、ターゲットアカウント内のキーマンをリスト化することです。以下の情報を整理しておくと良いでしょう。
企業名
部署名
役職
氏名
過去の接触履歴(過去の展示会参加者、SNSフォローなど)
人事異動情報(定期的に更新)
2. アクション管理の実施
BDRでは、手紙、コール、SNSなど複数のチャネルを活用してアプローチを行います。どのチャネルで、どのようなアクションを実施したかを記録することが重要です。
アクションの種類例:
手紙送付(送付日、送付内容、到達確認)
電話コール(架電回数、接触の有無、次回フォロー日)
SNS接触(LinkedInのDM送信、投稿のエンゲージメント状況)
メール送信(開封率、返信率のトラッキング)
3. KPIとダッシュボードで可視化
BDRの活動を継続的に改善するためには、定量的なKPIの設定が不可欠です。最低限、以下のKPIを追うと良いでしょう。
ターゲットアカウントのカバレッジ率(リスト内の何%にアプローチできたか)
リード獲得率(アプローチした中で、リード情報を取得できた割合)
商談化率(リードのうち、商談につながった割合)
チャネル別の効果測定(手紙・コール・SNSの成功率)
Googleスプレッドシートで簡易的なダッシュボードを作成し、KPIを可視化すると、BDRの生産性向上につながります。
ロゴトルでのBDR管理の実践
ロゴトルでは、スプレッドシートを活用したBDRリスト管理を行い、全てのデータを顧客と共有することで透明性の高い営業支援を実現しています。
キーマンリストの作成・更新を定期的に実施
マルチチャネルでのアクション履歴を一元管理
ダッシュボードで成果をリアルタイム可視化
この方法を取り入れることで、データの正確性を保ちつつ、「攻め」と「管理」のバランスを最適化できます。
まとめ
BDRリストの管理は、SFAだけで完結させるのではなく、
リード獲得前はスプレッドシートで柔軟に管理
リード獲得後はSFAで適切に追跡
という流れを採用することで、効率的かつデータドリブンなBDR活動が可能になります。
また、アクション管理やKPIを可視化することで、継続的な改善を図りながら、商談機会を最大化できる仕組みを構築しましょう。