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副業グラフィックデザイナー1歩目のデザインは何から?

皆さんはグラフィックデザイナーと言うと何をデザインする人のことだと思いますか?
グラフィックデザイナーを目指す方なら、何をデザインすることを夢見ているのでしょうか。

ポスター、看板、書籍、WEBページなど身の回りにも多くのものが「グラフィックデザイナー」によりデザインがされています。

よくデザインについて知識の少ない方からは、デザイナーと言うと「ファッションデザイナー」だと思われることがあります。このように一般的には「何にデザインが必要か」などの知識が浸透してなく、「デザイン=おしゃれ」で「おしゃれ=服」となってファッションデザイナーに結びつくようです。

実際にはこの文明社会の中で「デザインされていないもの」などほぼなくて、身の周りのものはデザインが施されたものばかりです。

それらにはそれぞれジャンルごとのデザイナーがいます。
例えば目の前のスマホやパソコンはプロダクトデザイナーの仕事です。

そんな中、ぼくらグラフィックデザイナーと言えば「平面」に表示されるものをデザインします。
印刷、画面表示の違いはあるにしても概ね平面に表示されるものをデザインします。

現代はインターネットやスマホ・パソコンの普及でWEBやアプリ、映像などに関連するデザインもグラフィックデザイナーの仕事になりました。
ぼくが社会に出た頃は概ね印刷物のデザインしか仕事がなく、否応なく印刷畑のデザイナーとして社会に出ました。

要は「印刷の知識」を必要とするデザイナーになったワケです。

WEBデザイナーの場合はバナー程度なら知識も不要ですが、LPと呼ばれるランディングページでも少なからずWEB制作の知識が必要です。
サイト全体をデザインするなら、サイトマップを構築したり多くのWEB特有の知識が必要になります。

このようにデザイナーごとに必要な知識に違いがあり、グラフィックデザイナーだとしてもデザイン媒体ごとに必要な知識が違ってくるんです。

ってことはグラフィックデザイナーを目指すのであれば、この違いを考慮して「どんな仕事をする」デザイナーになるかを検討しなくてはいけません。


人気のWEBデザイナーが初心者に向かないワケ

さて、前述した「デザイナーと言えばファッションデザイナー」はイマドキは適用されないかもしれません。WEBデザイナーの台頭で「デザイナー=WEBデザイナー」が浸透してきています。

古くは広告関係は印刷物が主戦場でしたので、チラシやパンフレットなどの仕事が多くありました。しかし最近はそれらがWEB上に存在していることも多く、印刷ではなくWEB表示で完結する様式でもののデザインの仕事が急増しました。

WEB系注目度の急上昇から「WEBデザイナー」自体の注目度も急上昇しました。そのことで「WEBデザイナー志望」が増え、「WEBデザイン講座」が増えます。そのことでさらに注目され、ますます認知が広がります。

この流れでビギナーからWEBデザイナーを目指す路線ができあがります。「最近、未経験からWEBデザイナーを目指す人多いね」なんて風潮があれば、「ならば私も」と思う人も増えてきます。

デザイナーという横文字職業の人気も助けて、目指す人が増える要素が満載です。

ではWEBデザイナーというのは未経験から本当になれるものでしょうか。もちろん「なれない」わけはないですが、他のデザインと比較しながら解説していきます。

前述した印刷系のデザインと比べてWEB完結のデザインをする場合は印刷の知識は要りません。

これはよく「WEBデザイナーの利点」などに挙げられるものですが、本当は印刷の基礎知識に比べたらWEB知識の難易度はなかなか高いです。

印刷物のデザインも何をデザインするかによって「どのくらいの知識」を必要とするかに差があります。ですが概ね基礎は必要で、印刷物のデータの作り方を知っていないといけません。
これがハードルと言えます。

WEBデザインはバナーのようなパーツをデザインするだけなら、WEB特有の知識はゼロで良い場合もあります。

ただページそのものをデザインするのであれば、そうはいきません。
パソコンでのWEB表示を最近あまり見てないなんて方もいると思いますが、このようにWEBはパソコンとスマホの「両方」で表示される必要があります。同じページが。

これ、どういう仕組みになっているか知ってますか?

この仕組みも1種だけではないのですが、何にしてもWEBでの表示とパソコンでの表示の両方をデザインしなくてはいけません。表示される文字サイズや画像サイズは、スマホとパソコンでは大きく違いがあります。

スマホは縦画面、パソコンは横画面です。この違いは大きなものです。

印刷物は触っても何も反応しませんが、WEBは触れることでアクションを起こします。そのアクションがダサいとサイトそのものがダサくなりますよね。そのアクションもデザイナーの仕事です。
ってことはWEBではどのようなアクションが可能で、どんな効果を持っているかなどを知っておく必要があります。

またWEBサイトは様々な目的を持っています。
「購入」ができる、「情報を調べる」ことができる、「ファイルを生成」できる、「ファイルを共有」できるなどの「ユーザーのアクション」があり、それに沿ったデザインが必要です。

WEBはページを移動することができ、目的にあった「ユーザーの導線」が必要になります。

皆さんも経験があると思いますが、目的を持ってWEBサイトに訪れると「使いにくい」と感じるものもあると思います。ユーザーが使いやすいように設計をする必要があって、その設計の上にデザインが存在します。

ということはWEBサイトを構築する上での知識が必要になるワケですが、様々な機能を持ったものをデザインするのであれば、それらの機能を理解しておく必要があります。

建築デザイナーを思い浮かべてください。
家をかっこよくデザインする建築デザイナーが「空調」や「採光」のことを知らなかったらどうでしょうか。見た目はとてもかっこいい家なんだけど、住んでると換気は一切できず空気が澱んでる、太陽光が一切差し込まないので昼間でも部屋中暗いなんて家。
快適な生活という目的に合ったものになってないはずです。

前述したプロダクトデザイナーが「ハサミ」をデザインしたとします。
細かな細工があり、無茶苦茶おしゃれな見た目なのに「細工が指に当たって力を加えづらく」て「切ることが難しい」ハサミだったらどうでしょう。
機能性が低く、目的に合ったものになってないはずです。

このようにデザインをするものには全て「目的」が存在します。
その目的も含めてデザインに反映する必要があります。
見た目だけ良くしてもダメなんです。

ということは、WEBサイトの仕組みについての知識が必要で、ユーザーの動きを想定して、使いづらくないという点をデザインに反映しなくてはいけません。

さらにWEBサイトを「構築する」のが自分なら、それができるスキルが必要です。構築担当が別であれば、構築する人が必要な素材を渡せるようにしなくてはいけません。必要な素材とはなんでしょうか。

このようにWEBデザインに携わると「見た目」を考える以外にデザインに対して考えることが多くあります。それを考えるためには多くの知識が必要です。

もちろんここまで読んで、むしろ「楽しそう」って思う人もいると思います。未経験からWEBデザイナーになってる人は実際に多くいると思うので、目指してたどり着けないものではありません。

ただ「デザイナー」というものに対して「向いているかどうかの見極めをしたい」と考えている段階にあるなら、上記の知識やスキルを得る段階を乗り越えてから判断するのは酷ではないかと思います。
運良く「向いていた」という場合は、そのまま突き進んでいけますが、そうでなかった場合は費やした時間や費用は無駄に終わるかもしれません。

WEBデザイナー講座などの期間や費用を一度確認ください。

乗り越えなければいけないものを感じるはずです。ただこの「乗り越えなければいけないもの」の存在が「やる気」になる場合もあります。悪いことだけではありません。
ただこの「やる気」はポジティブなものとも限りません。

やる気があるのはとても良いのですが、やる気があれば辿り着けるわけではないんです。上記のWEBデザイナーに必要なものが「簡単になる」わけではないので、やる気がある種の「盲目」さを生んでいるのかもしれません。

やる気のある人の足を引っ張りたいわけではありません。
そのやる気を他に向けることもひとつの手段かもしれませんよ、という話を次はしていきたいと思います。


未経験がやりやすいデザインは情報量で決まる

前項でWEBデザインをするにあたって「考えること」「得る知識量」の多さによって未経験者にとっての「難しさ」をあることを伝えました。

これによって分かることは「情報量」がデザインの難易度に関係しているということです。

そもそもデザインというのは「情報のビジュアル化」なんです。

例えば販売を目的としたWEBサイトなら「購入してほしい」「こういう商品だ」という情報を見た目に落とし込んで目的達成を目指すものです。

この購入してほしいという情報を「購入されるよう」デザインするため、こういう商品だという情報を「魅力が伝わるよう」デザインするわけです。

この情報が少なければそれほど悩むこともないんですが、多くなればなるほどそれらをデザインの中に落とし込む難易度が上がります。
その中にはとても簡単なものもありますが、「どうやればいいんだ?」というものもでてきます。

しかも多くなればなるほど、それらの関係性もありますから「どう配置するべきか」「優劣はどうするべきか」などなど悩みを増えてきます。

このように情報が多いとデザインは難しいと言えます。

それであれば「情報が少ないデザインが未経験者に合っている」と言えるのです。

例えば先ほどから何度か例にしているWEBバナーなどは、かなり簡単な部類になります。

情報量は依頼者に依りますが、例えばyahoo!のトップページ右上のあれだとしたら、メイン画像とメインワード、それに多少の説明文程度が構成要素です。それを効果的に配置して装飾できればOKというものになります。

またはYouTubeのサムネなんかも同じような情報量で、装飾の仕方も流行りがありますし、難しさはさほどありません。

これらは印刷の知識も不要で、サイズさえ正しく理解しておけば良いので見た目がちゃんとできていれば誰でもできるので未経験者に向いていると言えます。もちろん意図はあるので、それを効果的に実現できるデザインである必要はあります。

同様のものとして「電子書籍表紙」「ECサイト商品画像」などがあり、これらも情報量が少なく、必要な知識が少ないものです。
ネット上での仕事の依頼も一定数あるので、おすすめ度的にはかなり上位になります。

またこれらは皆、「配置」「表現」がデザインのメインになりますので、どれかひとつにチャレンジするなら全てにチャレンジしておくことで依頼の幅を広げられます。

さらに印刷の知識を多少プラスできると「名刺」「フライヤー」「ショップカード」「年賀状」など小さめの印刷物にもチャレンジできます。
印刷物のファイルを作るという知識だけで良いのでステップアップに最適です。収入源の幅を広げたい時に勉強してみましょう。

このように情報量の少ないデザインが未経験者が始めるには最適なのですが、上記のものよりもっとおすすめのものがあります。
それは次の項でお話しします。


デザイン初心者が最もチャレンジしやすいのはロゴデザイン

さて前項では「情報量の少ないデザインが未経験者に最適」ということをお伝えしました。

これについて「デザインとは」の部分に少し触れておきたいと思います。
ズバリ、デザインとは情報のビジュアル化です。前述してましたね。

情報とは色々とありますが、まずは依頼者の意図・要望です。

例えば商品パンフレットの場合、その商品が売れることを意図してチラシを作る必要があります。売れるためには商品の魅力を正しく伝える必要があります。あるいは事実以上に伝える必要があります。

その商品のターゲットが女性だった場合は女性に好まれるデザインにする必要がありますよね。

機能性が売りの場合は、その機能についてできれば数字を用いて分かりやすく良さを伝える必要があります。図などもあるといですね。

どのような印象を持たせるかなどを設定し、その雰囲気の中でデザインを構成します。

競合商品もあるでしょうから、それらとは差別化されたメリットなども伝えられるといいでしょう。

商品のスペックや、どこで購入できるか、問い合わせがあればどこにすれば良いか、メーカーや取り扱い店は信頼できるか等々、伝えるべき情報が多くあります。
それを伝わるように配置を考え、表現を考え、飾って構成します。

こういったものの構成はセオリーもありますので、知識があれば一定のまとまりは簡単に構成できますが、素人の制作物は一瞬で見抜けるほどプロとの差は大きなものです。

「何をどうすれば良いか」を考えた場合、情報が多いことが難しさを増すのがデザインです。やれることが無限にありますので、「何をするべきか」「何をしてはいけないか」を理解していないといけませんし、情報の多さがその手段のパターンも雑多にして、結局のところ何をしていいのかを判断しづらくします。

なのでパンフレットより情報量の少ない媒体がビギナーには適していると言えます。
印刷物なら名刺などです。とてもおすすめです。

ただし前述したとおり、印刷の知識が必要です。それほど難しいものでもないのですが、「これでいいのかな」を確認する術がないと「仕事に不安が拭えない」状態になりますので、不安ってイヤですよね。

そうなるとやはりバナーやサムネ画像などが良いように思います。
もちろんこれらもとても良いのですが、もっとお勧めのデザインがあります。

それがロゴデザインです。

ただこれは賛否あるんです。実は。
でもそのうちのほとんどは「別のデザインへ未経験者を誘導したい」という思惑によるものです。

ロゴデザインは簡単です。なので専門スクールなどあまりなく、カリキュラムを組んで儲けることがしづらい側面があります。
すると「デザインスクール」「デザイン講座」などをやってるところの情報発信では「ロゴはダメ」ということを伝えるために「それらしいこと」を言ってきます。これもデザインのひとつですよね。広告主の意図です。
デザイン未経験だと判断が難しいと思いますが、ご自身でしっかりと「おかしなこと言ってないか」を気をつけてください。

上述した通り、デザインは情報のビジュアル化です。なので情報を上手く扱えることがデザインを簡単にします。「誰かに都合のいい情報」というのは「デザイナーとして」気づけると良いです。
だってぼくらも「依頼者に都合のいい情報」でデザインを構成する人になるんですから。

情報を扱かうプロなんです。

でもやっぱり順序があります。
だから情報の少ないデザイン。だからロゴデザインなんです。

もうひとつの否定意見は「ロゴは難しい」というものです。
これについてはぼくとは真逆のことを言う人がいるんですが、実はそれはそれで「分かる」です。

チラシや名刺、バナーやサムネ画像などは主にデザイン要素を「配置」してデザインするものです。それとは違いロゴはフォルムを「形成」するデザインです。

この違いから「どちらを難しく感じるか」については個人差があります。実はぼくも若い頃にロゴの難しさを感じていました。というかチラシデザインで力をつけていったタイプなのでフォルムを形成する力はがついたのは後からだったんです。

なのでこの「先に身についたデザイン能力」がどっちかによって「ロゴは難しい」と感じてしまうんだと思います。

どっちもたくさん経験した今となっては「どっちが」というのはないように思っています。
なので先にロゴをやってしまえば「ロゴが難しい」ということはないと考えています。

ロゴに含める情報も他のデザインと同じように個々に違うものです。
依頼者が多く情報を「ロゴに持たせたい」と要望することもあるかと思います。

しかしロゴにそれほど多くの情報は「持たせられません」から、絞ってもらうしかありません。あれやこれやとたったひとつのシンボルに情報を含めようとしたら、良いデザインになりません。むしろ「削ぎ落とす」観点が必要なものなので、やはりデザインで構成する情報は少ないものです。

もちろん取捨選択をして「これは省く」などの検討はしなくてはいけません。デザインに含めない情報も検討をするので「取り扱う」という意味では、まったく触れないわけではありません。

例えば企業のロゴだったとして「事業内容」をロゴに表現するかどうかを検討します。最初から「その情報はいらない」としてしまうわけではなく、使用しない情報も知っておく必要があります。

しかしやはりロゴで構成する情報は少ないものです。
こういった理由からデザイン未経験者にはロゴデザインをお薦めしています。

ひとつ追加したい情報もあります。

近年ではココナラなどのクラウドソーシングサービスが一般的になってきました。そのことでロゴデザインを「どこに頼めばいいのか分からない人」がそれを解消できるようになりました。

なので「ロゴのことなんて頭になかった人」がロゴを頼んでみようと脳裏に浮かぶようになって、以前よりロゴの需要が増加しているような肌感があります。

ぼくはインターネットがない時代からデザイナーですが、このネット時代での受注システムの発展で「なかった需要」が発生している状況も生まれています。

これがロゴを勧める理由に追加しても良いのではないかと考えています。

さあロゴつくろ。
デザイン未経験の方へこの言葉を届けて4年くらい経つんですが、まだまだ未経験からそれほど多くのデザイナーは育っていません。

チャレンジしてみてはいかがでしょうか。


ですが独学者の問題点は孤独です。
それを解消するためにコミュニティを設けました。
現在400人弱のメンバーがいます。

ここでは多くの先駆者がいて、分からないことがあったら質問ポストすると応えてくれたりします。良い環境が構築できています。

また自分のデザインが「どんなもんなんだろう」って疑問になることもあると思います。ある程度デザインレベルが上がった自覚を持てるとなおさらです。

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人それぞれ進み方は違うものです。デザインに限った話ではありません。
角度が違えば見えるものは違うでしょうし、情報の差で視野も異なります。
もちろん前述したようにメンタリティでも視野も違えば思考を十分にできるかに大きな差も出ます。

プロセスは違えど求める結果が同じであれば、より良い選択をする必要がある。それだけは変わりません。

より良い選択をしていただければと思います。
さあロゴつくろ。


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