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「なぜ、地方の女子学生は・・・」の調査結果への感想

とてもいい調査だなと思ったので、感想を書こう。
何はともあれ、まずは【調査結果】を読んでみてほしい。
これまでなんとなくわかっていた(?)感じていた(?)ことが数値化されて、ホッとするような気持ちだ。結論を見たら「やっぱりな」「そんなことはわかってるよ」の気持ちにはなるだろうが、こうやってデータとして可視化するのは大変なことで素晴らしい調査であることは間違いない。

「なぜ、地方の女子学生は東京大学を目指さないのか」

この調査は、地方女子高校生の進学支援を行う団体 #YourChoiceProject 「なぜ、地方の女子学生は東京大学を目指さないのか」の問いに答えるべく、地方女子:1310名、地方男子:1666名、首都圏女子:542名、首都圏男子197名を対象に行ったものだ。

〈結論のおさらい〉

結論1:地方女子は東大進学にメリットを感じない傾向にある
結論2:地方女子は資格取得を重視
結論3:地方女子は安全志向
結論4:保護者の期待は生徒の難関大志望度に強く影響する
結論5:地方女子は自己評価が低い傾向にある
結論6:残存する「女子は地元」の呪縛

感想

私は元「地方の女子学生」だ。
高校生のときに「東京大学を目指そう!」とは思わなかった。
東京大学を目指せるほどの学力はなかったからかもしれないが、もしかしたら、そう思うこと自体が「結論5:地方女子は自己評価が低い傾向にある」に含まれるのかもしれない(いや、現実に学力は全く足りなかった。)

結論1と結論2について

「地方女子は東大進学にメリットを感じない」それよりも「資格取得を重視する」
これは確かにそうだ。
勉強をがんばって東大進学したところで、就職で地元に帰ろうと思うといろんな部分で変な障害に見舞われる(気がする)
そうであるならば、地元の大学に進学して、看護師資格・薬剤師の資格・弁護士の資格とか国家資格を取得した方が、就職には困らなさそうだ。と思うだろう。

結論3について

「自分が志望する大学に行くためなら浪人したいと思うか」は「思わない」だろう。「浪人してる」なんて地元の人には知られたくもないだろう。
それを回避するためにも、合格安全圏に進学を目指そうとするだろう。

結論4と結論6について

ここでは指摘されていないが、進学校の進路指導の影響も少なからずある。
「地元国公立」に進学させることが使命だ!高校の実績を上げるためだ!と思っている高校の先生はいる。あとは進学塾の先生の「お言葉」だ。

親の影響はかなりある。
受験する娘自身が他都道府県の大学が魅力的だなと思う前に、
親のおすすめは「家から通える大学」だ。
娘が遠く離れた東京大学に行くよりは、家から通える大学に行って欲しい願望があるだろう。それを娘は「勝手に決めないで!私の人生!」と思えるかというと多分そうではないし、そう思えることは女子高生には簡単ではない。

例えば、「私は東大に行く!私の人生を勝手に決めないで!」と娘が言ったとする。それはおそらく「青春だね」「反抗期だ」として親には取り扱われるだろう。もちろん中には、「そうか!じゃあ東大目指せ!」という親もいるとは思う。
そんなこんな悩みに悩んで、「みんなが言ってる通り、私も家から通えるのがいいと思う」の気持ちに最終的にはなる(ような気がする)

おわりに

どれも納得の結論だった。

私自身の話をすると、東京の近くの大学に進学したため、友人の中にも自然と「東大生」が増えた。それに加えて、学部生でも参加できる研究会で東大に出かけたり、東大の先生が非常勤で授業に来てくれたりもして、その結果として「東京大学」に親近感が湧くようになった。
「日本1なことは知ってるがよくわからない存在の大学」としての東京大学が、「知ってる大学」になったような感じだ。
「ロールモデルがいないこと」が指摘されていたが、それはそうだなと思った。
ロールモデルがいれば、もっと早くに東大が「知ってる大学」になり「眼中に入る」ようになったかもしれない。


ここまで述べてはきたが、無論、地元の大学に進学することは悪いことじゃない。問題は東京大学を受験してもおかしくない能力のある女子高生たちに、「東京大学」が選択肢のひとつとして位置付けられていないことにある、と思う。

東京大学は賢い人たちばかりいるし、先生たちも豪華だ。
東京に住むと東京でしか行けない美術館や博物館もある。映画館も本屋さんもいっぱいあるし、研究会やイベントも毎週どこかで行われている。
田舎にはないことだ。

ときに「田舎出身だ」の気持ちになったり、実家が太すぎる同級生に打ちのめされそうになったりはするが、そんなことは気にせず自分の気の合う友達や先生が1人くらいいればなんとかなる。

あと言うとすれば、地方の女子高生が地元から抜け出す機会は多くない。
大抵の場合、大学受験が一番最初の機会になる。
一生地元にいるのも人生だ。出て行くのもまた人生だ。

女子高生たちがいろんな出来事に縛られず可能性が最大限に発揮されれば、大学も学生も国家でさえも、未来は明るくなるだろう。



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