若手営業マン必見!営業職で成長するコツ #03 【株式会社Mujin営業本部物流営業部統括 藤巻陽二朗】
ロジ人では物流テックと分類される業界の著名人、サービスをインタビューしていきます。今回は、株式会社Mujinで物流営業部 統括を務める藤巻陽二朗さんにインタビューをしていきます。#03では若手営業マンに向けて、成長のコツについてお聞きしていきたいと思います。
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成長を加速させる新しいチャレンジ
ー Mujinの知能ロボットは、世界初の完全自動倉庫にも使われていると拝聴しました。確実に市場でのシェアを広げつつありますが、事業成長の秘訣はどこにあるのでしょうか。
新しいチャレンジが成長に繋がっていると感じます。私がMujinに入社した約4年半前、知能ロボットの脳みそにあたる「Mujinコントローラ」を強みとし、ロボットハンドや対象物を認識するカメラの開発はあまり力をいれていませんでした。(※Mujinの事業については#02をご覧ください)
しかしお客様は新しい技術がほしいのではなく、課題を解決するための手段としてMujinを選んでくださっています。お客様に新しいご要望をいただいたときに「ここまでしかできません」ではなく、「ここもやってみよう」と前向きに考え、課題解決できる範囲を広げるべく、現場環境に適したカメラや対象物に合わせた最適なロボットハンドの開発などにも力を入れるようになりました。
そもそもロボットは周辺のシステムと連携をして動かさなければなりません。コンベヤや安全柵、ロボットを載せる架台もそうです。
Mujinにロボット周辺をまとめて任せられたら、お客様にとっては窓口が一本化され、利便性が向上します。我々としても、ロボット周辺をより早く、正確に把握でき、万が一何かあった場合でも全体をフォローできます。そのため、最近ではロボット周辺のコンベヤなどにも対応できるようになってきました。今年もまた、Mujinはどんなことができるようになるんだろうと常にワクワク感があります。
ー お客様を思う気持ちが物流自動化ソリューションを進化させて、Mujinの事業成長に繋がっているのですね。よくある社内の悩みとして、ニーズを営業からエンジニアに伝えても、なかなか実現しないケースがあると思います。藤巻さんはどのようにされていますか。
社内的に納得してもらうためには、営業の努力も必要です。エンジニアも忙しい中で、営業からの要望をすべて叶えていたら、仕事が終わりませんからね。
ではどうしたら要望を実現してもらえるのか。一番良い方法としては「これを開発してくれたら、これぐらいの市場が見込めます」と数字的なコミットがあると要望が通りやすいと思います。「なんとなくやってほしい」と伝えるより納得感があります。
実は、当社のデパレタイズロボットの二面ハンド開発を進めた際、プログラムを書くのがとても難しかったのです。しかし二面ハンドを開発したことで、重たいケースでも破損することなく掴み、最適なスピードで移載できるので、従来に比べ能力を向上することができました。それにより、これまで導入できなかったお客様へも導入できるようになり、喜んでいただけるため、その旨をエンジニアに説明し開発を進めることができました。
エンジニアに限らず、他の人に動いてもらうときには、理由を持って、効果を見せながら頼むのが大事です。
今日からできる!営業で成長するコツ
ー 藤巻さんが営業職として成長したい若手の方に向けて、今日から実践できるアクションがあれば教えてください。
実践して一番良かったアクションは、自分の営業スタイルを客観的に見ることです。具体的には、自分が営業しているところを録画または録音します。それを後で見返すのです。今はスマートフォンがあるのですぐに録音も録画も実践できますよね。
実は、これをやってみようと思ったきっかけがあります。Mujinでは、お客様向け見学会を定期的に実施しています。まず、セミナールームでMujinについてのプレゼンテーションを行います。その後、実際の知能ロボットやAGVが動く様子を目の前でご覧いただきます。
「メールより電話で、電話より会って、会うより実際のものを見て」とはよく言われますよね。人の受け取る情報は、目で見たものが8割を占めると聞いたことがあります。知能ロボットやAGVが実際に動いているのも、動画だけではなく生でご覧いただかないと伝わりにくい部分があると思います。
このプレゼンテーションは、営業で輪番制にしているのですが、プレゼンの質が人によってバラバラだったら、お越しいただくお客様に失礼ですし、盛り上がらない回も出てくる可能性があるかもしれませんよね。そこで、営業部でプレゼン大会を開催し、お互いにフィードバックし合うことにしたのです。
プレゼンター以外の営業が聴衆者になり、みんなで意見を言い合います。「声のトーンが良くない」「画面の遷移がスムーズでない」「1ページに時間を使いすぎ」「そもそも説明がうまくない」とか、上司部下関係なく正直に言われます(笑)でも指摘される部分を自分で聞き返すと、確かにうまくないんですよ。
そのときに、自分がプレゼンテーションをしている姿を携帯で撮って見返すことで、「この言い方、社内の人には通じるけれど、一般の方が聞いたらわからないかも」「言葉が詰まった」「聞いてくださる方の立場に立ったベネフィットを伝えきれていない」と、さまざまな反省点が見えます。これを繰り返しているうちに、プレゼンテーションのスキルが上がりました。
このように、営業職として成長できるアクションとして、自分を撮影して客観的に見て学ぶことは成長に繋がると思います。ぜひ今日から始めてみてください。初めは自分の話す姿を見るのが恥ずかしかったり、違和感を覚えたりするかもしれませんが、すぐに慣れます。効果は大きいですし、手軽にできますよ!
ー たしかに手軽に始められますね!プレゼンテーションの練習や動画でご自身の営業を振り返って、特に気づきを得たポイントはありますか?
ひたすらに営業トークをするのではなく、話したくても我慢しなければならない瞬間があると失敗から学びました。ある日、弊社のCEOから条件付きでプレゼンの練習を命じられました。「お客様は経営者を想定し、時間が限られているため、制限時間は5分間」。しかし、そう言われたにも関わらず、5分を少し過ぎてしまったんです。めちゃくちゃ怒られました。
「忙しくて5分しか時間がないと言っている人に対して、5分で説明できない営業の商品なんて買わない」と。その通りですよね。本来5分で収めたうえで、伝えたい要点も網羅して買ってもらうために説明をしなければいけません。このプレゼンテーションでの私のミスは、重点を置くべきところではない部分に時間をかけてしまったことです。
経営者の方に説明する際には、経営者の方に対する説明の仕方があります。時間がないのであれば要点だけ伝えても購入していただけるスキルをつけなければなりません。ご担当者の方に対しては、ご担当者の方に刺さる説明をする必要があります。例えば口頭説明ではなく、動画をたくさん入れてイメージを膨らませてあげるのもよいかもしれません。「失敗した」と感じたと同時に、良い経験になりました。
キャリア形成のヒントは「まずやる」
ー 勉強になります。ロジ人は若手社会人に「物流の大切さ」「キャリア形成におけるヒント」を発信することを目指しています。キャリア形成において若手が大切にすべきことを教えてください。
個人的にはチャレンジ精神が大切だと思っています。やってみなければわからないこともあるので、何でも好奇心を持ってまずやってみること!私は人が面倒で嫌がる仕事をよく率先して引き受けます。人が嫌がる仕事って「何で嫌がるんだろう」と興味があるんですよ。嫌な仕事をどうしたら好きになれるのか、面倒な仕事はどうしたら面倒じゃなくなるのか、改善を施していくのが面白いと思っています。
人が嫌がる仕事こそやってみることで、本来の自分の業務にも取り入れた方が良いものが見えてくるような新たな視点が養われます。当然自分の経験にもなります。
-「チャレンジしてみて良かった」と思えた具体的なエピソードはありますか。
ある日、大量のデータを、誰もが難しいと思うような限られた時間でまとめなければならない仕事がありました。期限内に終わらせるために、これとこれを組み合わせたら終わらせられるかなと考え、参考書を購入し挑戦したところ、周囲が想定していたよりも早く終わらせることができました。その時は「こんな仕事もできるのか、すごいね」と言ってもらえました。そうすると敬遠される仕事のあとには、良い仕事が舞い込んでくるようになったのです。なぜなら「この人ならできそうだ」と良い印象を与えられたからです。
食わず嫌いをしてやらないでいると、気づかないうちにチャンスを逃してしまいます。だからチャレンジ精神や好奇心を持って、新しいことでも周囲が嫌がることでも、すぐに挑戦してみることが大事です。
ー 最後に一言お願いします!
社内で掲げている7つのバリューの中で、特に好きなバリューが2つあります。
「Never Give Up, Never Surrender(最後の1分まで断じて諦めない)」
「Be Crazy About Your Job(仕事に夢中であれ)」
どんなに苦境に陥っても、最後まであきらめないでやりきる姿勢をお客様にも応援していただいています。また、これらのバリューを社員一人一人が意識し一丸となって、Mujinのビジョンである「過酷な労働から人々を解放し、人類が創造性、技術革新、そして世界をより良くする活動に集中できる世界を実現する。」に向かっています。
これから人手不足が加速していったとしても、今までと同じまたはより良い品質で豊かな社会を作りながら物流が循環できるよう、歩みを止めずに進んでいきたいです。
ー 藤巻さん、ありがとうございました!
<取材・編集:ロジ人編集部>
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