「論理的思考法」クイズ!【第4問】「幅広く募っているが、募集してるという認識ではなかった」
政治家発言の「コント」
日本の政治家は、いつから「お笑い芸人」になったのだろうか? 彼らの発言を聞いていると、まるで「コント」である。コメディアンが観客を笑わせようと意図しているのであれば理解できるが、彼らは国会や委員会や記者会見において公式声明を発しているのである。もはや、幼い子どもたちからさえ、大笑いされるレベルではないか!
読者は、次の発言をどのように思われるだろうか? その発言のあった状況を改めて確認した上で、なぜ「コント」になるのか、どこまで非論理的なのか、いかに日本語が破壊されてしまっているのか、自分自身の頭でよく考えて、発見してほしい。「論理的思考法」のよい訓練になるはずである。
「幅広く募っているが、募集してるという認識ではなかった」
2020年1月28日、当時の安部晋三首相は、衆議院予算委員会で「幅広く募っているが、募集してるという認識ではなかった」と述べた。
その前提として、次のような状況があった。日本の内閣総理大臣が主催する「桜を見る会」は、安倍政権になってから急激に参加者と支出額が増加し続けた。2019年4月13日に開催された「桜を見る会」には、約1万8000人が参加し、支出額は当初予算約1767万円の3倍以上の約5518万円に上った。
内閣府は「政治家枠」が8894人だったと公表しているが、その内、安倍後援会関係者だけで850人に及ぶ。さらに、本来は「各界で功労・功績のあった方々を慰労する」という趣旨の会であるにもかかわらず、芸能人や保守系文化人、マルチ商法で業務停止命令を受けた人物や「反社会的勢力」も参加していることが判明した。要するに、税金で運営される「桜を見る会」が、安倍夫妻に「私物化」されているという批判が噴出したわけである。
2020年1月28日の予算委員会において、共産党の宮本徹議員は、安倍事務所が支援者に渡した「桜を見る会申込書」に「ご家族、知人、友人の場合は別途用紙でお申込み下さい。(コピーしてご利用下さい)」と書いてある点を取り上げ、本来は推薦者が必要な「桜を見る会」の根本方針から大きく逸脱して、安部事務所が「幅広く募集しているのではないか」と質問した。
これに対して、安倍首相は、「幅広く募っているが、募集してるという認識ではなかった」と答弁したわけである。驚いた宮本氏は、「募るというのは募集するというのと同じですよ。募集の募は募るっていう字なんですよ」と叫んでいる。この動画が YouTube にアップされているので、紹介しよう。約22分過ぎからの二人の質疑応答に注目してほしい。
なぜ安倍氏は、これほどまでに信じ難い「詭弁」を弄さなければならないのだろうか(笑)?
ヒント:「言葉のすりかえ」・「その場しのぎ」・「姑息」
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