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あなたの”見える化”は大丈夫? グローバルで戦う秘訣【前編】
数年前、ロンドン本社を構えるコンサルティングファームのAPACオフィスで、日本人初のコンサルタントとして入社しました。
幸運なことに、入社早々、外資系銀行のグローバルプロジェクトにアサインされました。50カ国を巻き込む壮大なデータプロジェクト。
私の直属のクライアントは、名だたるコンサルティングファームを渡り歩いてきた、まさに敏腕。私の社会人人生で出会った最も仕事のできる人トップ3に入る人物でした。頭の回転の速さは超人的で、厳しさでも有名でしたが、その方のサポートのおかげでプロジェクトを軌道に乗せることができました。
実は、パフォーマンスが振るわず、プロジェクトから外されそうになったロンドンオフィスの同僚もいました。彼には私がコーチングを行い、なんとかプロジェクトに残ることができたというエピソードもありました。
私のアサイメント最終日も間近に迫った頃、例のクライアントと1on1ミーティングを行いました。
「ココリコ、君のプロジェクト遂行能力は素晴らしい。データ分野の知識も申し分ない。しかし、もう一つ上をいくにはもっと頑張らないといけないことがある。なんだと思う?」
数秒の沈黙の後、彼は言いました。
「もっとvisibilityをあげることだ。」
このフィードバックは、当時の私には意外でした。今でも時折思い出しては考えさせられます。
私は、自分で言うのもなんですが、日本人としてはかなり主張ができている方だと思います。海外で「日本人たった一人」という環境で長年試行錯誤してきた結果、身につけた能力の一つでした。しかし、クライアントの求めるレベルは「グローバルのトップで勝てる人材」。
彼の視点から見ると、私はまだ発展途上だったのです。
(でも、私の伸びしろがあったからこそ、あえて助言してくれたんだと思います)
Visibilityを上げる。一体どういうことでしょうか?
様々な方法がありますが、私がここ数年集中して取り組んできたのは、Thought Leadership(ソートリーダーシップ)の構築です。「この分野ならこの人」と周囲から認められるGo-To Expertになることです。
これは、グローバル市場でリーダーシップを発揮するために避けては通れない概念であり、同時に、私たち日本人が苦手とする分野でもあるのではないでしょうか。
私は第一人者と呼べるレベルに達したかは分かりませんが、最近、冒頭で登場したクライアントから「最近、色々なところで活躍してるね!」とメッセージをもらいました。努力が認められた気がして、思わずスマホの前で「Yey!」と叫んでしまいました(笑)。
次回は、ソートリーダーシップについてより具体的に掘り下げて書いてみようと思います。乞うご期待!
この夏から始めたnote、お読みいただきありがとうございました。
来年は、さらに具体的な事例や、皆様からいただいたご質問への回答なども交えながら、より充実したコンテンツをお届けしていきたいと考えています。引き続きよろしくお願いします。