中小企業診断士2次試験の解答プロセス
本質論の次は方法論、すなわち解答のプロセスです。2次試験の勉強とは、「自分に合った解答プロセスを構築すること」にほかなりません。
私は、以下の①~⑥のプロセスで解いていました。誰もがやっていることもあれば、あまり人がやっていないこともあるかもしれません。
プロセス①文字数数え
これをやっている人は少ないかもしれません。私は試験が始まったら最初に解答の文字数をチェックしていました。読む時間や考える時間はある程度コントロールできますが、プロセスの一番最後に来る解答記述に要する時間はほぼ文字数に比例して決まるため、何時何分で記述プロセスに入るのか最初に逆算して決めてしまいます。せっかく時間をかけて考えても最後に書く時間がなくなったら元も子もありません。
私の場合「650文字以上なら急ぐ必要あり、700文字なら50分は必要」といった感じで調整していました。文字数と記述に要する時間は人それぞれなので、自分なりの時間を把握しておくとタイムマネジメントに役に立ちます。
プロセス②企業概要と設問読み
次に、冒頭の企業概要をざっと読んだ後、本文は飛ばして設問に目を通していました。問題の全体像を把握するためです。これを行うと本文を読む前にバックキャストで「本文にはこういうことが書いてあるはずだ」という仮説を持つことができるため、本文を読み込む際の精度や効率が上がります。
プロセス③本文通読と見える化
そして本文の通読。2次試験は時間との戦いで何度も繰り返し読み返している時間はないので、全体を通読するのはこの1回限り。私はその1回で赤ペンで様々な書き込みをして徹底した見える化をしていました。読み漏らしがないように、そして何度も読み返さなくて良いようにするためです。
プロセス④設問と本文2度目読み
通読が終了したら、読み込みの仕上として、設問と本文(赤ペンで見える化した箇所のみ)を短時間で再読します。これは解答を考えるためではなく、次のプロセスである「対応付け」の前段階として、設問及び関係しそうな与件文を短期記憶に定着させるためです。
プロセス⑤対応付け
これが最も重要なプロセス。対応付けの成功なくして安定した合格答案は書けません。対応関係のわかる設問から順番に次々と終わらせて行き、最後に漏れがないかをチェックします。
↑ なお、ここまでは思考力をほぼ使わない「機械的な作業」です。慣れてくると同じような時間で一定のレベルで安定してできるようになります。
↓ ここからが本当に頭を使う時間です。
プロセス⑥記述
まずは、対応付けに基づく与件文の引用などによって直接解答できる設問から書いていきます。与件だけでは単純に答えられない問題はいったん後に回し、全体像が見えてきた段階で全体的なストーリーも考慮しながら解答して行きます。
なお、記述のテンプレートは「結論、理由①、②」の一択で十分です。合格するために豊かな表現力などは不要です。
①から➄のプロセスを機械的な作業としてできるようになること、特に➄対応付けを確実にできるようになること。ここまでできるようになれば合格の八合目までは来たと言っていいでしょう。
なお、私は、このようなプロセスを事例毎にワンペーパーにまとめ、毎日過去問を解くたびに少しずつブラッシュアップして行きました。最終的には自分専用にカスタマイズした事例毎の3枚の「プロセスシート」が完成します。