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授乳にまつわるあれこれ~桶谷式母乳育児~



いきなりですが、母乳って不思議です。



1.母乳って不思議

自分の身体から出てくる不思議な液体。乳白色で本当に牛乳みたい。

牛の母乳、牛乳はスーパーで必ず目にしますが、母乳は子どもを生む前は見たことがありませんでした。
自分が赤ちゃんの頃、飲んでいたはずですがもちろん覚えていません。
街中でも、授乳風景は目にしないでしょう。

最近になって、デパートや駅の構内など授乳室がある場所は増えてきました。
新幹線では、多目的室を授乳室として使用させてもらえます。

わたしがしばらく住んでいた横浜市では、移動式授乳室(正式には、ベビーケアルーム)である「mamaro」が置いてある施設もありました。

これは畳一畳分くらいのスペースで、工事の必要もなく、かつレイアウトに合わせて移動もできる、昔よく街で見かけた電話ボックスのような箱です。

しかしながら、自分が授乳するまで、そうした事情を全く知りませんでした。


母乳は栄養満点、「完全食」と言われています。
また味も、子どもがゴクゴク飲むぐらいだから美味しいのでしょう。

言葉が話せるようになった2歳くらいの子どもに母乳の味を尋ねると、「甘い」と答えたというエピソードを聞いたことがあります。
そのくらい、栄養も味も良いのでしょう。

ところで、アフリカの一部の地域では、夫が妻の母乳を飲む習慣があるところもあるらしいのです。
近年、それが女性と子どもへの搾取として問題になっています。
女性と子どもは男性の所有物であるという文化が背景にはあります。
その上、そうしたくなるくらい、母乳は美味しいし栄養があるということだと思います。
夫に母乳を飲まれることに対して背筋が凍るほどゾッとするとともに、母乳の味についても興味が出てきました。

母乳を作ることはコントロールできません。
ここでは、母乳は勝手に作られて、赤ちゃんがしばらく飲まないと作られた母乳の行き場がなくなり、胸が張って痛くなってきます。

母乳が出る人は出るし、出ない人はでない、というところもコントロールしている感覚が持ちにくい点です。
でも、これはコントロールできる方もいるかもしれないし、ある程度はできる気もする。

私は、「桶谷式母乳育児」と出会って、ある程度コントロールできることを覚えました。

2.おっぱい

子どもが0才のとき、断乳をするまで「おっぱい」という言葉を発しなかった日はありません。

母乳や授乳を指す言葉として「おっぱい」を使っています。乳児を育てる親たちの間では共通用語です。
この「おっぱい」には性的な意味は入っていません。「子どもの食事」という意味合いで使用しています。

童謡の「げんこつ山のたぬきさん」の歌詞「おっぱい飲んでねんねして、抱っこしておんぶしてまた明日」の通り、日々「おっぱい、おっぱい」。

こんなに「おっぱい」と言う日々が来ることを想像していませんでした。

ところで、上野千鶴子さんの『サヨナラ学校化社会』の中で、「情報」とは、自分にとって自明のものと異質度の高いものとの「あいだ」から、その「落差」から生まれます。」と書いています。

わたしにとって、この「落差」が最も大きかったのが、母乳育児でした。
だって、これまでおっぱいについて学んだことがない。

日常生活でも目にしない。秘められたものでした。

3.桶谷(おけたに)式母乳育児とは


 桶谷式母乳育児とは、「桶谷式母乳育児ママサポートサイトOPPA!」によると、桶谷そとみさん(1913-2004)という助産師さんが考案した乳房マッサージと母乳育児方法のことです。

彼女は、第二次世界大戦の最中、母乳が足りず栄養状態が悪いために命を落としていく赤ちゃんを目の当たりにするというつらい経験から、「母乳は出るものではなく、出せるようにしなければ」という思いで試行錯誤の末、お母さんに苦痛を与えず乳房の調子を整える独自のマッサージ方法を確立」されました。

桶谷式母乳育児推進協会の認定を受けた助産師が、いまや全国に約330の母乳相談室(助産院)を開設しています。

来院時の母親の悩みは様々ですが、一番多いのは、母乳が足りない、または足りない気がするという母乳の量に関する相談です。

他にも、「生まれたばかりでおっぱいが上手に飲めない」、「おっぱいが腫れて痛い」、「そろそろ断乳(卒乳)したい」など赤ちゃんが生まれてから、母乳育児を終えるまでの様々な相談に対応し、楽しく、元気に母乳育児ができるよう、お母さん、赤ちゃんをサポート」してくれます。
 

4.桶谷式母乳育児との出会い


母乳の調子を整えるために、出産後退院してすぐに乳房マッサージを受けに行かれるという方もいました。

私は産院を退院後、胸にチクチクした痛みと痒みを感じ、行くことになりました。
初めての乳房マッサージ。桶谷式は痛くない、と聞いていたのでどんなものかドキドキ・ワクワクしたことを覚えています。
母乳が詰まっているとそれを出すための感覚があってやはり痛い。

だけど、終わってみるとスッキリして、授乳がつらくなくなります。

その後、断乳するまで通いました。

おっぱいの調子を整えながら、助産師のNさんとお話することも楽しみの一つでした。

次回、助産師Nさんの活動についてまとめようと思っています。
 


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