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家族を振り返る~家族システム論とは~

今日は、俯瞰的に家族を捉えることに役立つ理論として「家族システム論」を紹介します。

家族システム論とは、家族を一つのシステムとして捉え、相互作用や関係性が全体に影響を与えるという考え方に基づく理論です。家族の中で起こる問題や行動は、家族全体のシステムの結果であり、個人の問題ではなく、関係性や役割に起因すると考える、因果関係ではなく円環的因果律の考え方を採用しています。

そんな理論を使って、今日のゴールは、家族の基本的な行動の法則が見えるようになることと、自分の家族について振り返って考えてみることです。

参考にした本は、団士郎先生の「対人援助職のための家族理解入門~家族の構造理論を活かす~」です。
対人援助職のためとタイトルに書いていますが、専門書ではなくてとても読みやすい本です。それもそのはず、著者は漫画家で心理臨床家。
ビジュアルやストーリーを使ったわかりやすい内容で、理論や理屈よりも様々な事例から学びを得られるものになっています。

なぜこの本を参考にしたかというと、この本のなかに「家族も学習されるべきテーマの一つである」という一文がありそれに納得するからです。

わたしたちは、家族をどこで学んできましたか?自分が生まれ育った家族と、いま現在営んでいる家族。実践だけで家族を作っている方は多いのではないでしょうか。
家族を学ぶことができるのであれば、家族内で起こっている問題や葛藤に対してうまくやれる力を得ることにつながると思うのです。

では早速、家族を振り返るキーワードとして3つの視点を紹介したいと思います。1つ目がパワー、2つ目がサブシステム、3つ目が境界です。一つずつ解説します。

まずパワーとは、家族が営まれていくなかで働く力のことです。
その種類としては、決定、コントロール、お金、暴力があります。

決定とは物事を決める力や決め方のこと、コントロールとは権威のこと、お金はお小遣いとか遺産がわかりやすい例です。暴力もパワーです。

今回は「決定」をもとに、ご自身の家族を振り返ってみましょう。

質問1として、あなたの子どもの名前は誰が決めましたか?どのようなプロセスで決めましたか?

我が家の事例ですが、結論からいうと夫婦二人で決めたことになります。そういう家族がいまは多いのではないかと思います。
自分の名前や親の名前、その前まで遡ると、祖父母が名付けしていたり神社の神主さんにつけてもらったりと、時代によっても家族の決定は影響を受けます。

決定のプロセスはそれぞれの事情ややり方があるのではないかと思います。我が家流の決め方は、夫婦で一致しないときは、誰がメインで決定をするかを決めるという順序をたどりがちです。

あなたのところの家族の決定のパターンはどうですか。

名付けだけは父が決めてそれ以外のあらゆることは母が決めるというパターンもあります。
それはわたしの実家です。母に権力がある家です。

最近だと、兵庫県知事のサイトウトモヒコさんがニュースを騒がしていますが、彼は昭和52年生まれの40代後半。彼の名前はおじいさんがつけたそうです。祖父が決定権をもつ家の出身だったのかなと想像できます。

さて、3つの視点の2つ目はサブシステムです。
サブシステムとは、家族を一つのシステムとして考えると、夫婦・兄弟姉妹などのまとまりのことを指します。ユニットという表現がしっくりくるかもしれません。そのユニット内での結束や機能がテーマになります。

サブシステムの話は次回に取り上げます。



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