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#2「新幹線を止めるな!」

皆様こんにちは、救急医@タマネギ🧅です。
前回の続き、今回は#2「新幹線を止めるな!」です。
(前回記事はこちら↓)
ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです!



点滴がない、、!


新幹線内で体調不良となった女性、私が診察を行った際、ABC評価のC=Circulation=「循環」が崩れているような印象を受けたため、私は新幹線の乗務員に点滴を準備していただくようにお願いをしました。

しかし、残念ながら新幹線内には点滴セットはなし。

🧅)「点滴ないんですか、、(ガックリ_| ̄|○)」

と、思わず本心が出てしまい、おそらく車掌さんを困らせてしまいました。

ひとまず、

・ショック体位(患者を横に寝かせて膝下に毛布等を入れて足を上げる)をとる。
・大量の毛布を使用して患者を温めて、余分な体力を奪わないように。

一旦これくらいしかできることがありません。


新幹線、すぐに止めるか目的地まで行くか


急病人が出たここは新幹線車内、地上だったらここで救急車を呼んで
(日本であれば)10分もせずにお迎えが来ます。

車掌さんらに今どういう状態か説明した後、車掌さん(👨)が一言、

👨)「新幹線止めた方がいいでしょうか?」

と人生で二度と聞くことのないセリフを呟き、ちょっと動揺した私は

🧅)「あ、そんなこともできるんですね」

とひとごとのような返事をしてしまいました。

今回は症状も特になく血圧も上がり、手足もあったかくなってきて水分も自分で取れるほどに回復しました。緊急を要するようなサインはなかったため一旦女性の目的地まで新幹線を進めていただき、駅のホームで救急隊に待機していただくようにお伝えしました。

無事に目的地につき、救急車で搬送されるまで私も一旦駅から出てお見送りをし、また新幹線に乗って無事に帰路に着いたのでした。

「新幹線を止めるな!」

医療者の存在


今回は私に加え、救命士の方が車内アナウンスを聞いて駆けつけてくださり
一緒に今回の対応を手伝ってくださいました。

病院内でもなく、ましてや地上なのに救急車も呼べない新幹線の中というアブノーマルすぎる環境においては、この救命士の方の存在が非常にありがたい限りでした。救命士の方、本当にありがとうございました。

(もし医療者が車内に誰もいなかったらどうなるのか、、)
と対応が終わった後ふと考えました。

車掌さん初め乗務員スタッフの方々も常日頃から急病人対応は少なからず行っているとは思いますが、さすがに医療者がいなければ判断に戸惑うかと思います。そういう視点で生活してみると、もし私が医療に無知な立場だったらとても恐ろしいとも感じてしまいます。頑張って医師免許を取得して、結果今回のように(微力ながら)社会の役に立つことができることは、ありがたいことですね!


改めて、車内に誰も医療関係者はいなかったのか、、?


無事に急病人対応が終了してめでたしめでたし〜で終われば良いところではありますが、あれだけの人数を運ぶ新幹線🚄(ましてや満員)の中に医師・看護師といった医療関係者が本当に誰もいないなんてことはあるのでしょうか?とすこーしだけ残念な気持ちになりました。

もし今回のように病院でない場所で急病人が出た場合、名乗り出ることが普通なのでしょうか?

ということで次回は「名乗り出る医師・名乗り出ない医師」についてちょっと法律の観点から記事にしたいと思います!

今回はここまで。最後まで見て下さりありがとうございました🧅

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