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宗教を否定してはいない

日本共産党が理論的な基礎としている科学的社会主義は世界観としては宗教的世界観とは異なるが宗教の存在を否定して宗教の廃止を主張するものではない。日本共産党の根本方針をあらわした網領は「信教の自由を擁護し、政教分離の原則の徹底をはかる」と明記し、将来においても「様々な思想・信条の自由・反対政党を含む政治活動の自由は厳格に保障される」と規定している。日本共産党には、こうした網領と組織原則を規定した規約を認めて宗教者が入党している。参議院議員をつとめた故・小笠原貞子副委員長はキリスト教の信者であった。仏教徒や天理教信者などが共産党の議員や候補者になっているというケースも各地にあり、多くの宗教者が核兵器廃絶や憲法9条擁護的立場、国民生活安定などのために積極的役割を果たし日本共産党との対話と共同が発展している背景に宗教者党員の奮闘がある。共産党は宗教を否定する、といった俗説は科学的社会主義についての誤解に基づくものであるとともに、その誤解が広まった原因に旧ソ連などで実際に宗教弾圧が行われたという歴史的事実がある。しかし旧ソ連は、社会主義の看板こそ掲げていたがスターリンが指導者になった時代に官僚的で抑圧的な社会に変質し社会主義とは凡そ無縁な体制となった。旧ソ連などでの宗教弾圧は、ソ連が社会主義だったからではなく社会主義とは懸け離れた社会で行われたものである。旧ソ連の大国主義と国内の民主主義抑圧は不可分で、日本共産党はソ連が崩壊した際には、これを歓迎する態度を表明した。旧ソ連の誤りは絶対に再現させてはならない、と強調していた。


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