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アジア・太平洋戦争(=大東亜戦争)/一橋大学院社会学研究科教授/吉田 裕 氏 論🇯🇵

南方戦線の最大問題は国力の限界を超えて戦線を拡大した事にあると考える。1942年後半期から連合軍の反撃が始まると日本軍は制空・制海権を奪われ補給路が完全に寸断され大量の餓死者が出た。日中戦争以降の軍人・軍属の戦没者数(戦死者・戦病死者の合計)は約230万人だが栄養失調による餓死者と栄養失調による体力消耗の結果マラリア等の伝染病に感染し戦病死した広義の餓死者の合計は6割強の140万人に達すると推定されている。過酷な行軍を強いられた兵士の大部分が兵員確保のため召集された体位や体力が劣る青年で高齢の予備役兵も数多くいた。陸海軍の各部隊は『現地自活主義』を命じられ物資は現地で賄えさせた。石油などの重要資源は全て日本に送り食糧等の必要物資は住民から奪ったので東南アジアの人々は深刻な食糧難に陥った。食糧はあるのに栄養失調になり衰弱死した兵士が大量に出た理由に精神を病んだ拒食症が原因だった可能性も考えられる。


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