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ビットコインが他のすべての資産と本質的に異なる点(第1編)
1.供給量が制限された唯一の資産
一般的に最も希少だとされる 石油や金 でさえ、実際には 無限に近い とも言える。
その埋蔵量は正確に測定されたことがなく、測定すること自体が不可能である。
ただし、採掘技術やコストの制約により、採掘量が徐々に減少するだけだ。
石油や金は、価格が上昇すると採掘量が増える。
資源の価格は 需要と供給のバランス で決まるため、価格が上昇すれば供給も増える。
生産者は採算性が低い地域でも採掘する動機が生まれるからだ。
しかし、ビットコインの総供給量は2,100万枚に固定されている。
世界人口約70億人で均等に分配すると、1人あたり0.003 BTC しか保有できない。
しかし、実際には失われたコインや大口保有者の分を考慮すると、個人が取得できるビットコインの実際の供給量は約1,400万枚 にすぎない。
これを70億人で分けると、1人あたり0.002 BTC しか持てない計算になる。
ビットコインは、需要が増えても供給を増やせない唯一の資産である。
2.ヒューマンリスクが存在しない唯一の資産
株式、企業、アルトコインなど、ほとんどの資産 には 人間(組織)の影響 がある。
例えば、テスラやエヌビディア(NVIDIA)などの優良企業であっても、CEOや経営陣の行動によって価値が変動する。
汚職、不正会計、背任、横領、株主欺瞞などのヒューマンリスク(Human Risk) を回避することはできない。
しかし、ビットコインは特定の個人や組織の影響を受けない。
ビットコインに関する唯一の議論は 「サトシ・ナカモトは生存しているのか?」 という点だけだ。
しかし、ビットコインコミュニティでは サトシはすでに死亡したと考えるのが一般的 である。
その理由は、サトシのウォレット(約100万BTC)が一度も動いたことがないから だ。
1BTCが1億円なら、100万BTCは 100兆円 に相当する。
果たして、その莫大な資産を売らずに持ち続ける人間が存在するのか?
(イエス・キリストや釈迦レベルの聖人でなければ不可能だろう。)
ビットコインコミュニティでは、こんな言葉がよく使われる。
「今や私たち全員がサトシだ!(We are all Satoshi)」
つまり、ビットコインは特定の個人や組織ではなく、ネットワーク参加者全員によって維持されるシステムである ということだ。
3.物理的に消滅させることができない唯一の資産
ビットコインは、世界中の約40,000以上のノード(Node)で運用されている。
それぞれのノードは独立しており、自己利益のために運用 されている。
家庭やオフィス、地下室で稼働しており、ビットコインの価値が上がるほどノードの数は指数関数的に増加 する。
ビットコインは、たった1つのノードさえ残っていればブロックチェーンが維持される。
つまり、世界中のすべてのビットコインノードを物理的に取り除くことは不可能 だ。
これは 歴史上最も強力な分散型ネットワーク といえる。
一方、イーサリアム(Ethereum)を含むほとんどのコインは中央サーバーに依存している。
例えば、イーサリアムのノードの多くはAWS(Amazon Web Services)で運用 されている。
極端な例だが、AWSのデータセンターが破壊されれば、イーサリアムネットワークは大きな打撃を受ける だろう。
また、ヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)やイーサリアム財団の関係者が起訴されれば、イーサリアムの存続自体が危うくなる可能性もある。
(この中央集権的なリスクは、ビットコインを除くすべてのコインに当てはまる。)
こんな疑問を持つ人もいるかもしれない。
「世界中のインターネットを一斉にシャットダウンすれば、ビットコインノードも停止するのでは?」
その答えはシンプルだ。
「その時には、あなたの銀行口座の預金を心配すべきだろう。」