CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN / 花様年華 (2023)
YouTubeかインスタで見つけたある若者達に釘付けになった。
彼らの名前は『CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN』(チョコパコチョコキンキン)
何故釘付けになったかと言うと、車の中で録音したり、口でハーモニカを咥えた状態で膝を殴られてその時に出た音をサンプリングしたりとやっている事がめちゃくちゃ面白かったからだ。都内を中心に録音しているそうだ。
そして、それから作り出したとは思えない楽曲がめちゃくちゃカッコ良い。彼らが気になって気になって仕方がなかった。どこか異国情緒漂う雰囲気が細野さんに似てるなと思っていた。
それから直ぐに全部の動画を観て直ぐにインスタをフォローして動向を追っていた。今年の10月には「くるり」「折坂悠太」「青葉市子」「OMSB」「トミーゲレロ」らの錚々たるメンツが出演する『朝霧JAM』にも出演が決まったのを知ってすげぇ!と思っていた。
そして、一昨日、最近の日本の音楽を紹介しているYouTubeに取り上げられた。
みのミュージック
元々は「カリスマブラザーズ」と言うグループのYouTuberだったのだが解散後は音楽のYouTubeに転向した。
ビートルズやツェッペリン等のレジェンド達を紹介したりしていたが、最近の日本の音楽もめちゃくちゃ紹介している。同じく最近の日本の音楽好きな自分としては観ていてとても面白い。実際に会って音楽話をしてみたい。。。
それくらいに面白いYouTube。
そんな、みのミュージックで「CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN」が紹介されたのでうわぁー!!と思わず声が出てしまった。
しかも知らなかった事実が。。。
「CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN」のメンバーの1人が何と!めちゃくちゃ好きな細野晴臣氏のお孫さんだったのだ!
思わず「嘘やん!!!!!」と誰かと喋ってるレベルの声量で独り言を言ってしまった。
また繋がった。好きなアーティストどうしが繋がった。最初に聴いた時の細野さんっぽいな〜はやはり間違っていなかった。
細野晴臣と言うレジェンド
言わずと知れた『細野晴臣』氏。
坂本龍一、高橋幸宏と組んでいた「YMO」こと「イエローマジックオーケストラ」で知っていると思う。
その前は大瀧詠一、松本隆、鈴木茂と「はっぴいえんど」と言う日本語ロックには欠かせない存在のバンドをやっていた。
バンド解散後には鈴木茂、松任谷正隆、佐藤博、林立夫と「ティンパンアレー」を。
音源もあるが、これはバンドと言うよりもプロデュース的要素が強くユーミンのバックバンドもやっていた。
そして、同時並行でソロもやっていた。
これもめちゃくちゃカッコ良い。
そして、もっと言うと「はっぴいえんど」の前には小坂忠、菊池英二、柳田博義、松本零(松本隆)とサイケデリックバンド「エイプリルフール」をやっていた。
どの時代も音楽性は全く違うが当時の海外の流れを汲んだり、時には先をいったりと兎に角その時代時代で名盤、伝説的バンドにいた人なのだ。そして、一緒に各時代でやっていた面子もレジェンドばかり。
細野さんや細野さんがいたバンドが今の音楽にどれだけ影響を与えているか。彼や彼らのバンドが無ければ今の日本の音楽は海外から注目されていないと思う。実際に海外で言うとマックデマルコも細野さんを敬愛しているし、日本で言うとネバヤンとか星野源とかも細野さんを敬愛している。そう言う人達も出て来てないし、日本の音楽も衰退していたに違いない。(凄い偏見)
でもそれくらいに後世に残した物はとてつもなくデカいのだ。
いつかそれぞれのバンドをもっと掘り下げてご紹介したいと思う。
そんな偉大な音楽家の孫なのだ。
今回のCHO CO PA CO CHO CO QUIN QUINのメンバーは。
CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUINと言う天才集団
そんなCHO CO PA CO CHO CO QUIN QUINは小学校4年でバンドを組んだらしく、忌野清志郎のバンド「THE TIMERS」に憧れて下ネタばかりの曲を作っていたらしい。早熟だ。あまりにも早熟。
メンバーの1人のDaidoはキューバに留学してキューバの民謡のリズム「CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN」を習得。そこからバンド名も来ているのだとか。そう言う土着的な部分と電子音楽が混じっているのが面白い。新しい。でも懐かしい感覚もある。
そして、もっと面白いのが細野さんのお孫さんYutaは早稲田大学の中南米研究会と言うサークルに入っていたと言う事。このサークルからも「TAM TAM」と言うこれまためちゃくちゃカッコ良いバンドがいるのだが、そっちではなく、細野さんも「はっぴいえんど」解散後からそう言う中南米音楽に興味を持ってソロで【トロピカル三部作】と言われるアルバムを作るくらいに中南米音楽に傾倒していたのだ。
凄い。凄過ぎる。世代を超えて、時代を超えてそう言う意思が受け継がれている。インタビューを読みながら鳥肌が立った。しかも、Yutaはおじいちゃんの影響とかでは無く高校の先輩が入っていたからと言う理由で入ったらしい。
そうやって意図していなくてもやっぱりDNAレベルで組み込まれているのか、中南米音楽に魅かれる"何か"があるのだろう。
細野さんみたいに何か新しい事をやろうと言うスタンスも受け継がれているのだろうか。
トロピカル三部作との類似
先程も言ったが細野晴臣さんのキャリアの中でも名盤と名高い「トロピカル三部作」と言う3作品がある。
左から
❶【トロピカル・ダンディー】(1975)
❷【泰安洋行】(1976)
❸【はらいそ】(1978)
これら3作品をそう呼ぶ。
特にこのトロピカル三部作の頃の楽曲に物凄く近い物を「CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN」からヒシヒシと感じる。何なら声とかも似ている。
電子音と生音なので全く一緒とは言えないがノリ的には完全に細野さんのこっちの方向性。細野さんも沖縄民謡を取り入れたりしているし、CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUINもキューバなどの海外の民謡を取り入れている。発想が同じなのだ。
そう言う伝統的な民族音楽と電子音楽を組み合わせているのだ。言うならば、「トロピカル三部作」と「YMO」の融合。
更に言うとトロピカル三部作のラスト「はらいそ」はYMOのメンバーが演奏で携わっているし、この作品を機に今まで散々追い求めてきた"グルーヴ"をなくして、画一的で機械的で人間味を無くす事に興味が湧いて来てYMOになっていく。そこを孫がごく自然に辿って行っている様な気がしている。
もっと言うと、その時3人で結成された【YMO】と時代を超えてこの令和の時代に3人で結成された【CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN】
この恐ろしいくらいの様々な奇妙な共通点がとても興味深い。
彼らもまた坂本龍一氏、高橋幸宏氏みたいな伝説的なアーティストになっていくのだろうか。
いや、そうなって行きそうな感じがプンプンしている。今から何十年後かにそうなっていたらこんなに面白い事は無い。
そう言う事を考えているとワクワクして来る。
今後の彼らの動向に釘付けだ。