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マリトッツォの次のブレイクは? ビッグデータが予想する2022年のヒット商品 

こんにちは。ヤフーのオープンコラボレーションハブ「LODGE」です。LODGEはヤフーの事業、サービスとコラボして「今届けたい」イベントを企画しています。

2021年12月2日、イベント「商品ブレイクマップを使って最新トレンドを予想しよう」を配信しました。イベントレポート【後編】をお届けします。

「常に現場を見る」ヒットコンテンツ専門家とデータアナリスト、二人の違った視点から2022年のヒットコンテンツを予想しました。

↓ 前編はこちら


アーカイブ動画はこちらから(第二部)


「これからヒットしそう」が分かる、商品ブレイクマップとは?

第二部のテーマは「ヤフー商品ブレイクマップ」の最新データでヒットの予兆を見てみよう。商品ブレイクマップは今年発表した新しいツールです。

ブレイクマップを簡単に紹介します。
・縦軸は、上に行けば行くほど、検索数が右肩上がりで伸び続けている状態を表します
・横軸は、右に行くほど検索している人数が多いことを表します

右上にあるマリトッツォは、検索している人数も多く、検索数も右肩上がりで伸び続け、「大ブレイクしている」と表現することができます。今非常に売れている商品、ベースブレッドも、すでにブレイクしていると言えます。


ヒットの予兆は、経験と勘とデータに基づいた「理想的に近い波形」

池宮さんは、商品ブレイクマップのプロトタイプのテストをしていた今年7月、今後ヒットするかもしれない商品としてプッシュポップバブルを社内で紹介していました。

池宮さん
「紹介した直後に、検索数が増えました。予兆をうまくとらえられた事例となりました」

品田さん
予兆が来ているというのは、どうやって捉えているのですか?

池宮さん
「予測は非常に難しいです。今後さらにトライしようと思っていますが、過去の推移トレンドの波形と見比べて『理想的に近い波形』を、経験と勘とデータに基づいてピックアップしました。


【食品編】来年ヒットしそうなのは完全栄養食「ベースブレッド」

早速最新データを見てみましょう。まずは「食品編」です。見やすいよう、データを精査して表示しています。

韓国発のマヌルパン、いちごグミ、飲むわらび餅、などが目立ちます。「このあたりは来年ブレイクしてもおかしくないゾーンにある」と池宮さんは解説します。

品田さん
「食品については、イベントとして楽しいものが、どんどん増えてきている感じがします。『Tiktok売れ』のように、SNSで『こんな経験をしたよ』と伝えたくなりますよね。単においしい・安いではなく、たとえまずいものであっても『引っかかるところ』がある部分がポイントになっている気がしますね。

……でもこれは難しいことです。作るほうはインスタ映えすると思って作っても、若い世代の感覚で映えるものと映えないものとが、ありますからね」

伏屋さん
「韓国のよく伸びるチーズなど、食べている光景のかわいらしさと併せて載せられるのが支持されているのかもしれないですね」

池宮さん
「完全栄養食のベースブレッド、このあたりは、ブレイクマップのいい位置にいます。今来ているなあ、という感じがします。ブームが来るのではないかという感じがします」

品田さん
「主食として食物繊維が入っていて糖質が低い商品ですね。ブレッド、パスタなどがありますが、今年甘いパンのラインナップが増えて一気に広がりましたね。

在宅と食事の関係で言うと、2020年は家にいる時間が長くて、ひと手間かけて料理をしようという流れがあったのですが、1年で飽きたみたいですね(笑)。三食家族のために作る大変さがあるので、手をかけないようにしようということで、スーパーの総菜、持ち帰りや冷凍食品が伸びています」

【家電編】ヒット商品につながるカギは「総合的な体験」

続いて、家電を見てみます。一番上に「グリーンポイント」があります。これは商品ではなくてサービス(※)ですが、非常に浸透してきていることがうかがえます。

※参照:国土交通省「グリーン住宅ポイント制度について

池宮さん
「糖質カット炊飯器。エコフロー。ヴェーダスカルプブラシ。やきまる2、などが目立ちます。ご存じのものはありますか?」

品田さん
「炊き方によって炊飯器で糖質コントロールができるアプローチは驚きですね。今は単に商品を売るのではなく、届け方だったり、レシピを一緒に付けることで総合的にヒットになります。企業同士のコラボレーションをどう作るのかがポイントになっているように思います。

ヒット予測で言うと、コンビニやスーパーのバイヤーでさえ、傾向は分かっても何がヒット商品になるのかは当てられない。何が売れたかは二週間たてばPOSデータで明らかで、工夫しなくなってきている。世の中進んだな、と思います。

頑張って作ったのに見せ方とかがちょっとまずくてダメだったりする。納得がいかない、となる。そういったときの微調整は、池宮さんに相談すればできるのですか?」

池宮さん
「むずかしいですね。データから、なぜ売れなかったのか、検索されなかったのか、関心持たれなかったのか、は探ることはできます」

品田さん
「打ち合わせも含めて今日お話してきて、生活者側にある課題とか、顕在化しないニーズを拾っていく方法を、池宮さんがちょっとずつ蓄えているんだなと思いました」

池宮さん
「商品ブレイクマップもそうですね。今何が検索されているのかを抽出したり、ひとつの課題や原因だけを抽出できます。それを組み合わせると、そういったことも可能なのではないかと思います」

品田さん
データや数字だけでない、言葉や、数値化できないことについても感性を持っているなと思いました」


「作る人のこだわり・熱量が、ヒットを生む」

ここで、視聴者から品田さんに質問が来ています。
「ヒットするものとしないものの違いはどこにあると思いますか?」

品田さん
「池宮さんたちはデータからのアプローチをしているけれど、私たちは直接現場を見るようにしています。話題になっているヒット商品でも、10人に話を聞くと『よかった』という人と『そうでもないよ』という人もいる。

いいな、と思った人がその先でどれくらいを持っているか。愛している人たちが他の人を積極的に巻き込んでいくと、ヒットに繋がるのではないかなと思います。作ること自体の頑張りよりも、こだわったこと、がんばりが共感を生む気がしています。そういう話をいっぱい集めているのがわれわれの仕事でもあります」

視聴者からは、「楽しかったです」「二回目の開催も期待しています」などコメントをたくさんいただきました。

池宮さん
「第二回があれば、今回ご紹介できなかった分析もお話できればと思います。乞うご期待ください!」

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