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安全ピンって少し危険

映像の人だと思ってたキクザキさんという友人がここ数年、無常感とあたたかさが同居しつつ何やら消化しきれない味のする写真や文章をInstagramやnoteにあげていて、同年代で子育て時期が近かったこともあり、色々なニュアンスが心にへばりついてくるようで良いなと思っていた。

日々に追われて疲れてても、まだ諦念に負けきらず粘り腰でマシなほうに行こうとする意思がいつも文章から滲んでて、読んでてすこしやる気をもらってたので、いつかジンでも作ってよって言ったか、言った気になってましたが、そのキクザキさんがエリーツという文芸誌に寄稿する予定ということで先に原稿読ませてもらった。やったぜ!
いつもの日記と地続きのようで、日記ともエッセイとも小説ともつかない文章塊を読んでたら、いつのまにか様々なエピソードのニュアンスが自分ごととして重くのしかかり、深くため息をついてしまった。

その文章塊は子育て中年男性がかつての自分の気持ちを参照しながら地域の少年達へ送る視線や、今の自分がどのような気持ちで関わるかというような事などが書いてあったように感じた。

いま大人になって、生活地域で見ることのできる少年達を見たとき、自分が出口の無い暗い毎日を送っていた事を思い出す。
その子達に大人の幅で言ってあげれることを、やれることを実践している普通の凄さにやられつつ、自分が暗かった少年時代ももしかしたら誰かのやるせなくもあったかい視線があったのかなと思うと、そんなのあったとて救われないわ…とも思ったが、せめて暗い子供がいたら大人としてマシなことしたいなと感じたり。

そして、その不安そうな子供たちを見る我々大人だって、全然いろいろ解決し終わってないよね、でも俺たちが傷ついてる場合じゃないよな、という読後感を持った。

で、これは5/19の文学フリマという催しで売られるようなので買いに行こうと決めた。


エリーツ@文学フリマ東京Z-23〜24

ふむふむ……他の執筆者、カルチャー強者ばかりだな!特集自体も自分にとってタイムリーな気がする。そちらのテキストも是非楽しみにしたいと思います。

キクザキさん自身の告知文
文芸誌『エリーツ9』特集「四十五歳からの思春期」に寄稿


※ぬめり坂の写真はさっきたまたま撮っただけで、文章と無関係です。

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