奇妙なシャカシャカの手筋

おはようございます。
僕がこれを書き始めたのは夜ですが、おはようございます。

今回はペンシルパズルの1つであるシャカシャカの話をします。
シャカシャカは僕の推しのパズルです。てぇてぇです。

この記事の目標は次のことです。ちょっと上級者向けかもしれません。

  • 「壁」という考え方を説明する.

  • わんど氏の提案した記号 (×)について考察をする.


「壁」ってなーに

おそらく、誰しもがぼんやりと「ヒント黒マスの辺と、盤面の外枠は似たようなもん」と考える気がします(僕はそう考えています)。
これはその具体化と言ったところです。

壁の導入

「壁」を次のように定義します。

  • とは,盤面上の長さ1のタテヨコの線分であって,完成した盤面で「ナナメに 45° 傾いた長方形の中に含まれるもの以外」を指す.

分かりやすくするために、例を挙げます。

例1:盤面の端っこの太線は壁です。なぜなら、下図のように、太線がナナメの長方形の中に含まれることはできないからです。

例2:ヒントの黒マスや、既に置いてある三角形の辺も壁だと言えます。

例3:「壁に接している白マス」の周囲も壁になります。
これは、この白マスがナナメ 45° の長方形に含まれないことから言えます。

壁の性質

壁の大きな性質として、次の2つがあります。置いてみると示せます。
ざっくり言うと、壁は「盤面の外枠と同じ働きをする」と捉えられます。

  • 壁の横に三角形を置く場合は,三角形の一辺を壁にする必要がある.

  • 1マスを挟んで平行に壁があると,その間は白マスになる.

wand 氏の記号✕の導入

こちらの記事(scrapbox のリンクに飛びます)を参照してください。

  • 「面積2の斜め正方形の中心に◯をつける」

  • 「〇でない格子点に✕をつける」

が定義の方法として個人的に分かりやすいです。

壁との関連性

これがこの記事で一番重要な話かもしれません。次のように言い換えをすることができます。

  • 長さ1の線分について、「壁である」⇔「端点が両方とも ✕ である」.

(「壁でない」ことは「あるナナメの長方形に含まれる」ことと、そしてこれは「端点のどちらかが〇である」ことと同値ですから、従います)

✕を用いた手筋たち

✕ に関するいくつかの性質を見つけたので書いておきます。
これを用いると、一部の手筋が少しスッキリと整理できます。

1.ここ↓ は ✕.

これは「〇だと仮定すると1の周りに三角形が入れなくなる」というとてもシンプルな仮定で得られます。しかし、これは例えばこの手筋 ↓

を、考えていることは本質的には変わらないものの、より明白にしてくれます。

2.ここ↓は✕(よって、✕と✕が結ばれて壁が生まれる).

枠から2マス離れというのが、なかなか奇妙な性質です。
これもまた、例えば次の手筋をより見通し良くしてくれます。

ある問題の解説

上で紹介した性質を用いると、次のような問題を「ある程度論理的に」解くことが可能になります。推定難易度はアゼン (Lv:46) です。

https://puzsq.logicpuzzle.app/puzzle/114761

盤面を見ると、さっそく上の性質たちが使えそうですね。
バツ印を書いてみましょう。

バツ印を付けた

壁の✕記号を用いた言い換えから、これらの✕印は次のような壁があることと同じことを表しています。

壁に言い換えた

さて、この状況に見覚えはありませんか?そう、この手筋です。

端っこから (3,3) の位置の2のコレ

壁によって、これと同一視できる状況が作り出されました。このことから、次のように決まります(右下の1の手筋もついでに埋めました)。

あとは、赤の壁を考慮しながら進めば、道なりに解くことができます!
以下が解答図です ↓

終わりに

どうだったでしょうか。

恐らく、この問題は従来では「こうしたら詰むから…」と長い先読みをしないと解けないようになっているはずです。
数あるシャカシャカの中でも非常に特殊な盤面であることは承知していますが、そこに ✕ 記号や壁の概念を導入することで、より速い理詰めをすることができる例になっていると思っています。

シャカシャカの手筋は難しくなればなるほどに様々な景色を見せます。
もし ✕記号を用いて何か新たな世界が開けたら、それはとても面白いことになると思います。これからも手筋を模索し続けたいところです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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