華陀診療録 アルコール性肝硬変
「通っている病院の先生から、あなたはお酒の飲みすぎで肝硬変になっている、と言われました。でも症状はありません。東洋医学で診てもらえますか?」と初診されました。
毎日、お酒を飲むけど、肝機能はγ-GTP以外はすべて正常で、アルコール依存症もありません。
一見、肝硬変様の顔色に見えますが、よく診ると「地黒」なだけで、酒渣や悪血もない綺麗な顔色をされていました。
ストレスと我慢が日々溜まるお仕事をされており(交感神経の過緊張)、晩酌でゆったり気分転換されて眠る日々(副交感神経での代償)を送っておられます。
藤本蓮風先生はご自分が大酒家なので、酒飲みの患者さんたちにはとても優しくて、本物の肝硬変の患者さんにも「どんどん飲め! 大丈夫だ! オレが治してやる!」と元気づけられています。
患者さんの心身をしっかりと診定めておられるから言い切れるのですね。
この患者さんも飲めるDNAを持たれていて、好き&楽しく飲んでおられるので、まったく問題はありません。
エビデンス&マニュアル医療と統合医療の違いがここにあります。
脈診・腹診・舌診・背診では典型的な「頭熱足寒」で、ご自分でも自覚されていました。
ひどい肩こりがあり、エステで揉みほぐしてもらっても翌日にはひどい状態に戻ってしまうとのことで、脳氣功では脳幹〜脊髄の冷えと水毒が顕著でした。
昔、転倒して骨盤を強打したことが数回あるそうで、仙骨診をすると、仙骨に冷えと体毒の塊があり、これが元凶だと分かりました。
仙骨で氣血水が淀み、脳髄液の流れが滞っているための肩こりだったわけです。
これではいくら肩を揉みほぐしても効果は出ませよね。
肝硬変の予防も、仙骨の体毒も「刺絡療法」がよく効きます。
経絡経穴を疎通してから苓姜朮甘湯で温めると良いでしょう。
まだまだお仕事を続けたいとのこと・・・もちろん大丈夫!ですよ。
未病を治すと、楽しく&明るく&元気で幸せな未来が開けてきます。
老化&劣化しない未来の自分を想像してみるだけでワクワク&ドキドキしてきますね。