民意の芽吹き？維新、れいわの躍進と無所属のしぼみ。台東区議選2023
2023年4月23日（日）に、統一地方選の後半戦として、台東区議会議員選挙が実施されました。
投票数は78,185票で投票率は約47%となり、2019年に行われた前回実績68,240票、 約43%を上回りました。
台東区議会選挙の当選者、候補者の所属組織別に、得票数や獲得議席数を集計、前回2019年と今回2023年の区議会選挙を比較することで、台東区民の民意の動きを分析・推定します。
まずは所属組織別の獲得票数です。
日本維新の会が、約7,000票純増の大躍進で2議席獲得
れいわ新選、参政党、あたらしい党も新たに議席獲得
無所属、立憲民主、NHK党が票数や議席減
次に、所属組織別の獲得議席数と、獲得議席あたりの得票数（議席獲得効率）です。
自民党は勢力維持、議席獲得効率も横ばい
無所属の獲得議席あたり得票数は、前回新人で現職の候補者「本目さよ」の得票数の多さにより大きく平均値が引き上げられており獲得効率が悪い
公明党は得票数が減ったものの、党としての候補者別の最適配分により議席獲得効率を上げ、自民党に続いて5議席を獲得
日本維新の会は前回の獲得議席がゼロだったことから候補者擁立を積極化できなかったのか、候補者2人に得票が集まり、1議席獲得あたりの得票数が非常に悪くなっている
れいわ新選組も台東区初擁立ということが影響したのか1人しか候補者を立てず、議席獲得効率はよくない
国民民主党は、2候補のうち1候補が接戦で敗れたため議席獲得効率が大幅悪化
台東区議会では、ほとんどの案件が区長提案かつ全員賛成であることから、多数派工作がどれぐらい重要か分かりません。
しかし、議会の多数をどう確保するかという視点では国政同様に自公が連携するだけでは、定数32に対して半数に満たない15議席しか確保できていませんので、無所属や日本維新の会他の勢力との連携が必要な議会の構造です。
選挙全体を見ますと、総投票数が増える中、自公共といった老舗組織は勢力を何とか維持している状況です（公明党はやや減）。
立憲民主はかなり勢力を落としました。個別候補でいうと前回当選で今回落選の河井候補が得票数約1,800から約800に落としています。政策的に同じように左方向の組織への乗り換えですかね。喫煙に対する態度ですかね。
無所属候補への総投票数が減り、政策の方向性が比較的はっきりしている維新、れいわ、参政、あたらしい党への投票が増えた（生まれた）ということは、有権者が特定の政策集団を支持することで旗色を示すことの意義を感じ始めたことを意味しているのではないでしょうか。
政策決定プロセスを理解すれば、個人で活動する候補者を応援したところで、実政策への関与は極めて限定的だと分かるので、政策集団単位で自らの投票を決めるということは、合理的な判断だと考えられます。
とはいえどこかの政策集団支持者が増えたということではなく、そのときそのときで、政策集団の政策や情勢を見て投票行動をするということです。
今回取り上げた台東区議会議員選挙の当選者には、区議会レイヤーで、課題を発見し、その解決に力を尽くしてほしいです。区民は議員の行動を見て、次の投票行動を起こします。
【おまけ】
この選挙結果を受けて、私が各組織の責任者（あくまでも区レベルの）だったならば、このように方針を定めます。
自民党
躍進する日本維新の会との交流を今から深めて、対立関係を作らずに主流であり続ける工夫をする
無所属（指示系統はないので、無所属トップ当選の本目さよ議員視点で）
自分のことだけ考えるなら、何もせず
区政への影響力増大を考えるなら、自らと似た考え方の候補者を2人育成して、次回選挙では区をエリア3つに分け、エリア別に投票先を示唆することで勢力拡大を狙う。またはどこかの組織と連携する。
公明党
党候補への総投票数の減少を深刻にとらえて、次回候補者数を1人減らすことで、4議席の死守に全力を注ぐ
日本維新の会
4年後の次回までに、候補者を5か6枠まで増やす準備を進める
日本共産党
支持者の高齢化、減少を受けつつも引き続き3議席を死守
都民ファーストの会
引き続き2議席を死守
立憲民主党
引き続き2議席を死守
国民民主党
2議席を再度獲得できるよう、他党への得票者へのアピールを強化する
れいわ新選組
今後の得票数向上の可能性を見極めつつ、まずは2議席獲得できるよう準備を進める
参政党
今回獲得した1議席を死守
あたらしい党
今回獲得した1議席を死守
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