下北半島でシャーマンキング聖地巡礼と地獄巡り
2022年8月20日から22日に行った青森旅行の記録です。
シャーマンキングの聖地巡礼も兼ねて、ずっと行きたいと思っていた恐山を中心に下北半島と八戸周辺を巡って来ました。
2022年8月20日(土)
東京駅からJR東北・北海道新幹線「はやぶさ」に乗って八戸駅へ。
八戸駅
八戸駅でレンタカーをして、むつ市を目指します。
今回は青い森鉄道線には乗らないため、記念に写真を撮りました。青森鉄道ではなくて「青い森鉄道」なのがオシャレ。ロゴマークが可愛い。
道の駅よこはま「菜の花プラザ」
むつ市へ向かう途中、横浜町にある道の駅よこはま「菜の花プラザ」で休憩。横浜町といえば菜の花らしく、菜の花の若芽と菜の花はちみつを使用した菜花ソフトクリームを食べました。
渥美半島の菜の花は見に行ったことがありますが、どちらの規模が大きいんだろう。気になるのでいつか横浜町の菜の花を見に行きたい。
横浜町は陸奥湾に面しているため、道の駅には新鮮な海鮮食材もたくさんありました。刺身用ほたてがなんと1キログラムで770円。即購入。
ほたて醤油も一緒に買い、迷惑にならないように駐車場の端っこで陸奥湾で取れたほたてを原材料にしたほたて醤油を、陸奥湾で取れたほたてにかけて食べました。陸奥湾のほたて倍増!もうほたては陸奥湾産しか食べたくない!
大間崎
むつ市に一旦入ってから、むつはまなすライン(国道279号)を走り、まぐろで有名な町の大間町に着きました。
大間崎にあるマグロのモニュメントは大間の漁師に一本釣りされた440キロのマグロがモデルになっています。写真だと小さく見えるが、大人が背に乗れるくらいに大きい。
大間崎は本州最北端の地!北海道の最南端より北側の地!左手に日本海、右手に太平洋を臨める地!
この日の天候は悪く、今後の天気予報は雨。雲が多く、波も荒い。そして、びっくりするほど風が強い!
北海道までは17.5キロメートルしか離れていないので、天気の良い日には対岸の函館の五稜郭タワーまで肉眼で見られるようだが、この生憎の天候ではっきり目視できず。おそらく右側の影が北海道だと思う。
願掛岩
仏ヶ浦を目指して国道338号を走って下北半島を南下中に鳥居が見えたので、願掛岩公園の駐車場に車を停めました。
右側は「男願掛」で左側は「女願掛」。併せて「願掛岩」です。
写真は願掛岩からもう少し南下した所にある駐車場から撮ったもの。
この願掛岩、登れます。
女願掛の前にある鳥居の奥に道が続いているのですが、15分くらいで一周して駐車場に戻って来られます。さっそく登山(※岩)!
岩を登る登山道は整備されていますが、草が生い茂っていたり、柵が壊れていたりと少し危険でした。何せ転んだら断崖絶壁から日本海に落ちます。
女願掛の頂上から男願掛を臨む。女願掛と男願掛の間の浜にゴミがたくさん流れ着いていました。海流的に仕方のないことですが、こういったゴミが少しでも少なくなるといいですね。
それにしても、今にも雨が降りそうな天気。
仏ヶ浦展望台
案の定、願掛岩から仏ヶ浦の道中ににわか雨に見舞われました。今日はもう駄目かなと思いましたが、仏ヶ浦に着く頃には雨が上がって太陽が!
仏ヶ浦
晴れた!雨上がりの仏ヶ浦は神秘的でとても美しかったです。
仏と言われるのも分かります。巨石群に圧倒されましたが、写真じゃこのスケールを伝えられない。
雨上がりの水溜りなのか、夕暮れなので満潮なのか、水に浮かんでいるようで尚更良かった。
こんな凝灰岩でできた巨石の上にも草木が所々に生えているんです。自然の生命力に感激です。
雨上がりの夕暮れ時だったからか、人も少なくてゆっくり夕日を堪能。
むつ市
夕飯はマグロです。一生分の大トロを食べました。大トロはほぼ肉(?)
ちょうど田名部まつりに被ったので山車の通り道だったお店の駐車場が使えず、他の駐車場探しに難儀しました。ちゃんと調べて行かなきゃね。お店の中から山車と祭り囃子が通って行く様を見ることができたので良かったです。ご飯を食べ終わった頃が「五車別れ」の時分だったらしく、一番賑やかでした。
京都祇園祭の流れを汲んでいるようで、江戸時代中期から現在の運行形態に近い状態で行われているそうです。面白いですよね。なぜ祇園祭がこんな遠くの下北の地にと思ったのですが、どうやら北前船が伝えたと考えられているようです。北前船で伝わった京都の文化が遠い東北の地で生きている。
2022年8月21日(日)
一夜明けて、今日は本格的に地獄とシャーマンキングの聖地巡礼です。
JR大湊線 下北駅
JR東日本 大湊線 下北駅は本州最北の駅、そしてシャーマンキングの聖地。現駅舎は2009年1月改築の新しい駅舎で、シャーマンキング掲載時の下北駅は旧駅舎のものらしい。
シャーマンキングの聖地のモニュメント。これも掲載時のものとは違うようで、掲載時のモニュメントは現存しません。新しいモニュメントは下北駅の駐輪場の隣に設置されていました。
シャーマンキング掲載時の車両は1両編成でしたが、これは2両編成。Wikipediaのメイン画像を見る限り1両編成の時もあるようですが、詳しくないので分かりませんでした。
恐山冷水
おそらくこうして水が出ている所は大抵が手水の代わりなので、そうだろうと思って手を清めておきました。日本伝承大鑑によると正解だったようです。
恐山霊場入口門
地図上のどこにも表示されていないんですよね。こんなに立派な入口門なので、表示されていてもいいのに。
場所は県道4号(むつ恐山公園 大畑線)を恐山方面に向かって北上している道中、左手にある『かまふせパノラマライン』の合流地点から750メートルほど先に行った所にあります。
恐山に近付くにつれて硫黄の匂いがだんだん強くなってきて、とても車の窓を開けていられません。エアコンをかけるほどの気温でもないなと車窓を開けていたのですが、急いで閉めました。
三途川
恐山へ行く手前に三途川と川にかかる太鼓橋があります。駐車スペースがなかったので、路肩に一旦車を停めました。
外に出ると硫黄!硫黄のかおり!あたり一体に硫黄臭が立ち籠めていました。臭いの酷さは大分県の伽藍岳の火口見学で行った火口の臭いに匹敵する、いやそれ以上かもしれない。
三途川は此岸(現世)と彼岸(あの世)の境目にあるとされる川のことですが、今までわたしたちがいた場所が此岸、これから行く恐山は彼岸という意味合いでしょうか。この硫黄臭さはまさにあの世、地獄と言って差し支えないレベルです。
この三途川の正式名称は正津川と言い、カルデラ湖である宇曽利湖から津軽海峡に注いでいます。宇曽利湖からの流出河川はこの正津川のみです。川の色は透き通って綺麗な色をしていますが、透明度が高いのも川底や湖底から硫化水素が噴出し酸性湖となっているためであり、とても危険な川です。
三途川には太鼓橋がかかっていますが、現在は老朽化のため2018年5月から通行止めになっています。ここもシャーマンキングの聖地ですが、掲載時はまだ柵がなく、橋は渡れたようです。
奪衣婆と懸衣翁
太鼓橋の手前に奪衣婆と懸衣翁の像があります。奪衣婆はよく見ますが、懸衣翁がいるのは珍しい!鬼灯の冷徹でも「現世の資料に載っていないことが多い」とネタにされていたので。
霊場恐山
恐山に到着しました。恐山菩提寺 総門の前に駐車場があり、来迎の像が我々を出迎えてくださいます。
一番手前がシャーマンキングにて破壊されてしまったお地蔵様です。総門の左手にある門前に鎮座しています。台座の石には『地蔵歎偈』が掘られていました。
6体の地蔵尊は「六地蔵」と言って他のお寺にもありますが、立像の方がよく目にするかも。
総門をくぐると立派な山門があります。シャーマンキング聖地のひとつ。左手に見える赤い屋根の建物が本堂です。
山門の奥、参拝客が普通に歩いている脇に恐山温泉があります。男湯、女湯、男女入替制、混浴の4つの湯小屋(冷抜の湯、古滝の湯、薬師の湯、花染の湯)があります。いずれもちょっと熱めだそうです。
ご本尊の伽羅陀山地蔵大士が祀られています。
地蔵殿本尊の伽羅陀山地蔵大士、地蔵殿の北の奥の院に祀られている地蔵山不動明王、釜臥山奥の院に祀られている釜臥山嶽大明神本地法身仏釈迦如来の三者が一体であり、参拝すると満願成就になります。三体は地図上だと一直線上に祀られています。
岩だらけの地に風車が異様なほど差してありました。風車は死者への供養や幼子の霊を慰めるためという宗教的な意味合いと、人体に有毒な恐山の火山性ガスの風下に入らないための効果があるようです。
いずれにせよ、どこか切ない気持ちになる風景です。仏ヶ浦が天国だったら、恐山の景観はやはり地獄だろう。
恐山には様々な地獄の札が立っています。
恐山の開祖、慈覚大師のお堂。石が積み上げられ、風車がたくさん。
ひときわ大きな岩。でき方は全然違いますが、まるでさざれ石みたい。
とても大きな観音様。
霊場内には無数の石が積まれています。地獄の賽の河原で子どもが積んでいる石のを見立てているのだと思いますが、地面から噴出する有毒な火山ガスを空気と効率よくなじませる効果もあるそうです。
前日に雨が降ったせいか、水が湖に向かって流れていました。ひと目見ただけで危なそうなオレンジ色をしています。
恐山に行くと霊感の強いひとは当てられると言われましたが、霊感がなくても恐山に一日いるだけで精神はやられると思います。頭痛や倦怠感は霊的な現象ではなく、有毒ガスによる軽い中毒症状だそうです。背の低い子どもや体力のない高齢者は注意が必要。
初めて見る地獄。どんな地獄なんだろう。
座禅ができそうな石。
巨大です。雨水の痕がまるで泣いているようにも見えます。不謹慎かもしれませんが、ガンツさながら恐ろしくもありました。
美しいでしょう。天国みたいでしょう。でも地獄みたいな硫黄の臭いがするんですよ。
極楽浜の手前あたりにある賽の河原にあるお堂は死者が降りてくる場所と言われています。堂内には遺族の方が納めた服や靴などが納められています。中に入りましたが、亡くなった方の遺品や遺族から贈られたものだと思うと胸が締め付けられます。
血の池地獄といえば別府温泉が有名ですが、恐山の血の池は赤くありません。
血の池地獄は理不尽で女性にとってとても不遇な地獄なので、地獄でありながら中心にお地蔵様が鎮座されているのだろうなと思います。
入れそうなほど綺麗な湖でしょう。でも入ったら死ぬんですよ。
今まで地獄が続きましたが、ここが極楽のようです。宇曽利湖の流入河川のほとんどが中性のためか、場所によって硫黄臭の薄い場所がありました。この極楽浜あたりは硫黄の臭いが薄かったように思います。
極楽浜のほとりにあります。
「人が死ねばお山に行く」の信仰故、此岸と彼岸の間の恐山の極楽浜に建てられた理由は言われなくとも分かってしまいます。
重罪を犯した人間の落ちる地獄なんだろうな。
金に関連して調べて知りましたが、温泉の沈殿物として金の異常濃集体が発見されており、2007年に日本の地質百選に選定されているそうです(恐山の金鉱床)。金鉱脈が発見されたのが恐山が国定公園に指定された後だったのと、土壌に高濃度の砒素と硫化水素が含まれており危険であるため、採掘は不可能のようです。
それでも掘ると金掘地獄に?
「危険」という立て札が立っていたため遠目から。恐山自体、至る所で硫黄臭のする煙が上がっています。
五智山の展望台は小高い山の上にあり、恐山一帯と宇曽利湖を一望できます。
恐山の地獄巡りはここまで。むつ市に戻ります。
むつ市
シャーマンキングの聖地。おみやげの店「くまくら」。漫画内では「ぐまくら」ですが、建物自体は「くまくら」です。現在は2階に「下北妖怪ハウス」があり、手作りの地獄が展示されているそうです。
向かいにある旅館「とびない旅館」は時々テレビで取り上げられるほどの風変わりな旅館ですが、その旅館に宿泊し、「見学したい」と言えば下北妖怪ハウスを見学させてもらえるようです。
むつ市のシャーマンキング聖地巡礼もここまで!八戸市へ戻ります。
八戸市
夕飯は八戸屋台村 みろく横丁にて八戸のご当地グルメを食しました。南部せんべいが入ったせんべい汁がすごく美味しかった。
ホテルに向かう途中で花火に遭遇。ちょうど八戸市の花火大会だった模様。コロナ禍を経て久々に花火を見られて嬉しかった。
2022年8月22日(月)
八戸まちなか広場 マチニワ「水の樹」
午前中は八戸市内を散策。ふらっと入った施設で綺麗なアートに出会えました。上から水が流れて円盤に注ぎながら落ちて行き、地面から噴水も上がります。光が差し込んでいる感じもかっこいい。
八戸城本丸跡
本八戸駅まで歩きながら、八戸城角御殿表門の前と三八城公園内の八戸城本丸跡を通りました。
JR八戸線 鮫駅
本八戸駅から鮫駅に来ました。鮫駅だけにサメのリアルなモニュメントがありました。
本日は公共交通機関と足で巡ります。鮫駅の時刻表は1時間に一本、多くて二本でした。時間通りに戻って来るよう気を付けて出発です。
蕪嶋神社
蕪島に建つ蕪嶋神社。
蕪島はウミネコの繁殖地として国の天然記念物に指定されているため、毎年3月から8月頃までウミネコが飛来し子育てをしています。
フンが当たると「運(ウン)」が付くとのことで縁起が良いそうです。テレビで見ましたが、当たる確率は相当低いようです。8月も下旬だったせいがウミネコの数も少なく、私も当たりませんでした。
2015年11月5日に発生した火災により社殿が全焼してしまいましたが、全国各地からの寄付金が集まり再建。2020年3月26日の例大祭に合わせて一般参拝ができるようになりました。
境内に「島を3周まわり参拝すると、心身が払い清められ運が開けるといわれております」と運開きめぐりの説明板があったので3周してみました。
新しい社殿が立派。
蕪島と蕪島海水浴場
かぶあがりひょうたん御守の名前の元になった島の形。本当にひょうたんみたいな形をしています。手前の海水浴場は子どもたちで賑わっていました。
恵比須浜
干されていた昆布がおいしそう。
枕を積み重ねたような形の岩。
鮫角灯台
小さめの可愛い灯台です。
私が行った2022年は中に入れなかったと記憶していますが、今年は2024年5月3日(金・祝)から10月20日(日)まで一般開放しています。
葦毛崎展望台
行った時は改修工事中でした。工事は2022年12月に終わり、破損して側面が補強されたとのことでした。
階段にロープが張られていましたが、展望台には行けたので太平洋を眺望は絶景。
イタコマイマイ岩
こういう陸地から離れた所にある巨石や岩礁が大好き!出雲の経島とか伊勢の夫婦岩とか、いいよね。
近くにあるマイルポストにも行きました。
蕪島物産販売施設「かぶーにゃ」
蕪島まで戻って蕪島物産販売施設の「かぶーにゃ」で藻塩がかかったソフトクリームを食します。「しょっぱい」と「あまい」が同時に楽しめるソフトクリームでした。藻塩なしにもできます。
かぶーにゃで西村牧場の「さめっ娘牛」を使ったレトルトカレー「八戸さめっ娘牛カレー」を買いました。今まで食べたレトルトカレーの中でダントツで美味しかった。
島向踏切
初めて見るシンプルな踏切。
鮫駅から八戸駅まで戻り、八戸駅で無事に東京行きのJR東北・北海道新幹線に乗車して帰宅しました。
下北半島でシャーマンキング聖地巡礼と地獄巡り、これにて完!
青森は奥入瀬や蔦沼、八甲田山、三内丸山遺跡、弘前など、行きたい所がまだまだたくさんあるので、また行きたいです。