花嫁が実家で菓子を撒く。
花嫁が実家で菓子を撒く「花嫁菓子」という文化がある。
現在では結婚式場で参列者に菓子を撒くという演出のひとつになっているらしい。
私は一度だけ、地元で見たことがある。
幼い頃、近所のひとが結婚するからと、花嫁の実家まで親と一緒に出向いた。
いまではあまり見かけないが、自宅で婚礼衣装に着替え、車で式場に向かう花嫁だった。
白無垢に身を包み、綿帽子(角隠しだったかもしれない)を被り、自宅の庭に集まった近所のひとに、二階から菓子を撒いた。
菓子を撒き終わると、花嫁は近所のひとに挨拶をし、祝われながら車に乗り込み式場に向かった。
近所のひとは畑仕事を終えたひとから、ちょっと小綺麗な服に身を包んだひとまで、様々だった。
先日書いた名披露の話もそうだが、近所付き合いが減った昨今、近所への結婚報告の行事がまるっとなくなりつつあるんだなと思った。
なくなりつつある文化を実際の目で見ることができたことは、とても良い経験になった。
ただ、こちらも形を変えて式場での菓子撒きとして残っていくのは嬉しく思う。
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