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自治体システム標準化 勉強会&交流会 in 仙台 開催レポート #標どう仙台


①開催のきっかけ

東京のコミュニティがうらやましい…ただ、それだけのきっかけでした。田舎が好きで田舎で働いています。しかし、どうしても同業他社などとのリアルコミュニティの機会が少ない(そもそも同業他社がいない)のです。いま、"まさに"全国の事業者、自治体が苦しんでいる自治体システム標準化。仕事中では、オンラインなどを活用してそれなりのコミュニティはできます。しかし、所属会社(自治体)の鎧をまとった状態ではどうしても建前が入ってしまいます。しかし、プライベートコミュニティでは、フランクに本音や真の課題の深堀がしやすいと思っています。東京では、平日、休日を問わず同業他社を含めプライベートなコミュニティが実現しやすいと思っています。プライベートの時間で仕事にかかわる話の賛否はさておき、情報格差という現実は生まれているのです。だから、東京のようにはいかないけれど、なんとか自分のエリア(東北とその周辺)で構築したかったのです。

②企画

きっかけにある通り、プライベートコミュニティ(≒飲み会)なので、メインは飲み会としたかったのです。一方で、今年に入って上京するたびに、いろいろな方々とプライベートコミュニティを持てるようになりましたが、飲み会からスタートなので記憶が飛ぶこともまちまち(自業自得)です。飲み会前に、まじめな議論の時間も欲しいと考えたのが今回の仙台企画でした。
飲み会メインにすると、あまり人数が多いと結果的に自分がコミュニケーションを取れない人が出てくるので定員を20人としました。

募集チラシ

③現実と理想のギャップと嬉しい悲鳴

正直、集まっても5人。ただ、飲み会としてはちょうどよい人数だと思っていました。貸会議室も安い所で20人がギリギリ入るか入らないかの場所を押さえました。しかし、募集2日目にはほぼ枠が埋まり、満員御礼となってしまいました。ただし、理想は私の住むエリアの方々だったのですが、予想に反して全国から集まることになりました。しかも、錚々たるメンツ。本来の目的にはなりませんでしたが、それを上回る嬉しい悲鳴です。
貸会議室は、当初押さえていたところをキャンセルし、多少値は張りますが、人数に余裕を持たせた設備の良いところを予約しなおしました。

貸会議室のきれいな共用部分
スクール型から囲み型へ(ちょっと狭かった)

④バランスの良い参加者属性

今回の参加者の属性が絶妙なバランスでとてもよかったです。
キーノートやLTをトリガーとした議論も良いのですが、私はそれぞれが質問者でそれぞれが回答者という皆が主役の勉強会がしたかったので、コントロールが難しい参加者属性のバランスが良かったため開催前から変なことにはならないなと確信していました。
・私を入れた事業者8名(地場・大手、アプリ担当・インフラ担当)
・自治体6名(県、指定都市、中核市、一般市、町)
・その他7名(メディア、コンサル、議員など)

このスライドで皆様をお迎え
入口に掲載したPOP
プロジェクターやモニター歓迎

⑤勉強会の内容とルール

こちらは、募集時にどのようなことを勉強や議論したいのかを記載してもらいました。それらをテーマ分けしてタイムテーブルに起こしました。
さらに、ルールはチャタムハウスルールを採用。氏名や所属などを明かさない前提にすることで本質的な議論ができると考えます。

タイムテーブル
ルール

⑥【テーマ1】標準化の解像度を上げよう!

テーマ1スライド
勉強会はこんな感じです

標準化初心者の解像度を上げるには?

・国からドキュメントが出ているので、それを読み進んでいくのが良いと感じています。
・自治体の方は、共創PFに「システム標準化・ガバメントクラウドの研修資料」があるので参考にしては?
・新人SEにはまずは「標準化基本方針」、インフラ担当だったら「ガバメントクラウド利用について」「ガバメントクラウド概要解説」の内容を理解できるまで読もうと話してます。

共通化、SaaS化について

・共通化と地方自治法は矛盾しないんですかねえ
・共通化と地方自治法は、矛盾しないように整理しなければいけない。ガチガチに共通化することで、地方自治を妨げるという可能性もあり。
・全部を共通化しなくても、共通部分(フレームワーク)を共通化して、それをベースに各自治体のシステムを構築するという考えはなかったのかな?
・一事業者寡占になると、諸々リスクが高くなるというのはある。
・政令市の中でもバラバラで標準化はあまりマッチしなかったりしますね。 旧五大市とそれ以外で全然違うし、旧五大市の中でもバラバラ。
・もともと連携部分は国が共通機能として提供すべきというのが自分の意見ですね。

社内(庁内)のコミュニケーションについて

※すべて弊社に変換
・弊社内では、チャットツールを多用しています。情報量がえぐいので、毎回会議は開けないですし、毎回人を捕まえられません。気軽に意思疎通をとる方法の確立は大事ですよね。
・弊社も業務部署ごとに標準化チャットグループ作って、資料共有したり疑問点を共有したりしてますね。
・コミュニケーションは大きな課題ですね。弊社はチャットツールでほぼリアルタイムに20業務担当課と意思疎通を図っています。

⑦【テーマ2】事業者間調整のあれこれ!

テーマ2スライド

企画の通り、キーノートやLT中心とする予定はありませんでしたが、何か用意している方がいれば時間を作りますとアナウンスをしたら、お二人の方から申し出がありました。
先日の某勉強会で一躍全国区に躍り出た事業者のFさんと私が尊敬する某事業者のMさん。いずれも事業者間"調整"の実態を、インフラ部分の視点と独自施策システムの視点で発表していただきました。課題を整理していただいたからこそ、「これ本当に全国でやりきれるの?」と言うのが私の率直な感想です。

LT中

事業者間調整の実態”行間を読む”

・連携に目が行きがちですが、NW調整重要ですよね。
・何はともあれ、情シスが標準化PMOとして、システム間や業務間の課題を拾い上げるような体制を作るのが重要だと思います。
・LGCSそのものをどこまで信用して良いのか、国のGMCNも不透明で悩ましいところです。
・某事業者はプライベートリンク接続を断念しましたね。
・インシデント発生時の対応フローも大事ですが、DRがかなり重い課題になると思います。
・そもそも1741団体それぞれに統合運用管理補助者がいないとうまくいかない制度設計はどうなんでしょう(弊社は統合運用管理補助者は十分な有識者リソースを確保することが難しいのでお断りしています。)
・弊市は事業者間協議で扱うテーマは全て各システムの発注者として職員間でやっています。その場に事業者が入ることはありますが、事業者のみないです。
・移行困難の対応は業務継続性の観点からかなり重要だと思います。特に撤退ベンダの対応ですね。
・なんちゃら管理者を分けて調達してしまって、障害時の特定・解決に時間かかるの悩ましい。

独自施策システムの調整

・弊庁は移行困難のため、標準化移行するシステムと既存システムとが混在する期間が生じそうです。
・独自施策システムの連携の棚卸しは必要ですよね。弊市は影響を受ける標準外のシステムとの調整も行っています。市営住宅とか。
・旧五大の政令指定都市レベルだと、全件連携の連携頻度は死活問題です。
・20業務以外を含めた運用の標準化がとても重要だ再認識しました!
・独自施策は文字、ABR周りも気になっています。

⑧【テーマ3】腹を割って話そう!「自治体vs事業者」

テーマ3スライド

自治体vs事業者あれこれ

・事業者も一枚岩ではない。取りまとめ部署と、個別業務担当の標準化に対する解像度は違う。
・ベンダに何も言わない自治体って、PMOツールに何も入力してないと思うんですが、都道府県はそこフォローしないんですかね?
・うちのユーザー(自治体)は、国からの資料や会議情報を何もよこさない。
・ベンダー丸投げ気質な自治体は、情報提供しなくてもベンダーは知っていると思っているのでは?
・自治体側から資料着弾情報は大変助かっております。
・原課担当職員として事業者にいろいろ注文を着けているが迷惑か?
 →標準化はとにかくリソースがない。一つ一つの自治体と向き合う余裕はない。
・標準化は我慢を強いる施策ですよね
・自治体も事業者も我慢…お互いつらいですね

標準化における業務フローとは?

・業務フロー:住基の標準仕様書 4.本仕様書の内容(P19)https://view.officeapps.live.com/op/view.aspx?src=https%3A%2F%2Fwww.soumu.go.jp%2Fmain_content%2F000967210.docx&wdOrigin=BROWSELINK
・業務フローは標準化基準ではなく参考資料です。
・政令市は区ごとに業務フロー違います。
・政令市は税は課税区もありという感じです
・それじゃ、標準化もSaaS化も無理じゃない?
・風呂敷広げすぎで、インターフェースだけでよかった(皆同意)

⑨【テーマ4】標準化ランディング

テーマ4スライド

ガバメントクラウドあれこれ

・ドル建ては厳しい(AWSもリセラー経由ならある程度レート固定できますけど、ガバクラは聞いたことがないですね。)
・「為替のヨミができたら公務員になってない」パワーワード爆誕
・ガバクラ班が意見照会のコメントを真正面から受け止められるようにならないと・・・
・OCIは円建て

ドミノ倒し対策は?

・A自治体→B自治体→C自治体の順で移行する予定だったけど、A自治体で移行が失敗したのでSEリソースの問題でB/C自治体の移行が止まる可能性)そして、自治体はコンチプラン(受け身の計画)をどの程度考えているのか。ぶっちゃけで聞いてみたいです。
・住基リフトなくしてた業務のリフトなし
・人柱自治体立てて、そこで問題点を洗い出し五月雨の移行計画

⑩メインの飲み会

飲み会がメインなので1次会参加は必須(もちろんアルコールの強制な一切なし)。2次会は14名に減り、3次会はさらに減り、そして朝までカラオケ組が5名。1次会は仙台名物のせり鍋からの〆が牛たんしゃぶしゃぶは我ながらナイスな店チョイス。

炎上Tシャツ軍団で記念撮影
せり鍋の〆は牛たんしゃぶしゃぶ
ラストサムライ5人衆

⑪仙台の魂は静岡へ

今回の参加者が、当イベントを参考に次回静岡で開催してくれることなりました。僭越ながら「標どう塾」と命名してくれたのはうれしい限り。私は一参加者として楽しみたいと思います。

情報公開POP


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