自治体システム標準化~高コスト化の温床か?「非機能要件の標準」①キホン編~
今回は、自治体システム標準化においてあまり話題に出ない「非機能要件の標準」を何回かに分けて執筆したい。
話題に出ないのは、おそらくあまり知られていない?のではないかと心配している。実は、「非機能要件の標準」は結構大事なのだ。ベンダーお任せの自治体も少なくないだろうが、これに関しての主役は自治体だ!
標準仕様を満たさないと、標準準拠システムとして認めないと国は言っている。その中には、非機能要件の標準も含まれるのだ。
そして、この要件は非常にコストに影響する要件も多いのだ。
ボリュームのある内容なので、今回はキホン編。
①非機能要件ってそもそも何だ?
標準仕様!標準仕様!とみんなが騒いでいるのは、機能要件だ。
非機能要件を簡単に言うと、機能要件がどのように動くのかを定義しているものだ。
電卓を例に挙げると、「1+1=」を入力したら「2」を出力と言うのが機能要件。大概、仕様に書いてあるのはこれ。ただし、「2」を出力するまでにどれくらい時間を要するかいわずもがなの期待値が皆さんあるはずだ。
1分?ばか言え!30秒?冗談じゃない!1秒?ふざけるな!一瞬だろ!!
このいわずもがなを明文化したのが非機能要件だ。
電卓程度なら、そんな明文化もいらないだろうが、自治体システムはどうだろう。何気なく、動きが遅い!と、住民を目の前にイライラしながら窓口対応をする自治体職員さんは、少なくないのではないだろうか?その"遅い"は、個人の感覚が大きく、クレームを入れることもあるだろう。が、それ(レスポンス)は要件として明記されているだろうか?
機能は実装されて当たり前、使い勝手は非機能要件に定義されるものだ。
簡単に説明すると上述の通りだが、もう少し深堀したい方は、以下のサイトなどがお勧めだ。もちろん、レスポンス以外にも様々な要件があり、体系化されている。
②「非機能要件の標準」とは
ー 国の資料、PDFとExcelはこちらから。
ー 「利用ガイド」と記されているのはこれ。
非機能要件の標準の利用方法を、ベンダー視点と自治体視点の説明がある。
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