自治体システム標準化~運用管理補助者 事業者の闇を暴く?~
自治体システム標準化において、国の目標では3割減としているが、それどころか費用がこれまでより嵩むと全国各地の自治体から声が上がっている。特に自治体クラウドで費用を低減してきた自治体にとっては、インフラの費用は残念ながら上がらざるを得ないと断言する。また、費用が嵩む原因には、なんちゃら運用管理補助者の費用がある。筆者である私も、なんちゃら運用管理補助者の仕様を策定し、それぞれ必要工数を積算し価格を決定した。しかし、いろいろな方とディスカッションする中で、弊社はどうも安いらしい。中にはびっくりする価格を出してくる事業者もいるらしい。同じ事業者としてうらやましい!(いや、それは違う)。むしろ、なんでそんなに金が掛かるのよ?もっと言えば、大してやることないよねというのが私の持論である。ガバメントクラウドという技術的難易度が上がった中での情弱ビジネスで税金を食い物にする事業者は、私が月に替わってお仕置きしたい。
と言うのはウソ。ビジネスと言うものはそういうものなのです。やはり、このような状況に仕向けたデジタル庁に責任があると思う。そんな思いでの投稿となる。なお、ガバメントクラウド共同利用方式を採用する自治体を前提とする。
①なんちゃら運用管理補助者とは?
そもそも、なんちゃら運用管理補助者とはいったい何なのか?基本的には、デジタル庁 地方公共団体情報システムのガバメントクラウドの利用について【第2.1版】の中に記載されている。
1-1 ガバメントクラウド運用管理補助委託契約
1-2 回線運用管理補助委託契約
1-3 登場する運用管理補助者をまとめる
ガバメントクラウド運用管理補助者
回線運用管理補助者
そして、実は1-1に隠れている補助者(団体と複数のガバメントクラウド運用管理補助者の間の調整を行う、統括的な運用管理補助者を定めることも妨げるものではない)で私が重要でマルチベンダーの場合は必須と感じている。。。
統合運用管理補助者
この3つの運用管理補助者について自治体は、事業者を指名することで運用回りはある程度安心できると考える。
特に、ガバメントクラウド運用管理補助者は共同利用方式を採用する自治体は必須である。共同利用方式は事業者が提案する方式に「この指とまれ」で指名することになるので、指にとまった以上、仕様のコントロールは難しい。松竹梅に数パターンのメニューを用意してくれる事業者はいるかもしれない。なにより、他自治体にも運用に絡むことから、仕様のコントロールもガバメントクラウドへの直接の介入も原則できない。
契約としては、統合運用管理補助者と回線運用管理補助者がそれぞれ1。ガバメントクラウド運用管理補助者がASP毎のN。このパターンが多くなり、かつ効率が良いと考える。
②各種運用管理補助者はいったい何をするの?
これといった決まりや仕様がないから困る。もちろん、デジタル庁やCSPなどからリファレンス的なものは出ているが、いまいち現場の実態を理解したものではなく、インフラの管理に留まっている印象である。私なりにまとめてみた。
2-1.統合運用管理補助者
ずばり、自治体情シス担当に替わって(もしくは、補助役として)の自治体基幹システムの全体調整である。当該自治体の長きに渡る、基幹システムの安心安全な運用におけるプロジェクトマネージャーと呼んでもよい。具体的には、障害発生時の一時切り分けや、改版における全体バージョンのマルチベンダー調整、各種運用管理補助者から上がった課題管理などを想定する。自治体業務からガバメントクラウドまで幅広い専門的知識が必要。一方で、運用時において日々忙しく何かが有るわけではない。
2-2.ガバメントクラウド運用管理補助者
各種補助者シリーズで一番ウェイトが高いのはガバメントクラウド運用管理補助者と考える。とは言え、日々の仕事は監視がメイン。あとは、パッチ当てやリリース作業など。月次で共用リソース部分のGCASへの按分設定なども考えられる。構成変更や障害時にはメインで活躍するが、ほぼ活躍する場面はないでしょう。各CSPのプロフェッショナル資格が必要となり、スキルの高い要因をアサインする必要はあるが、人が日々張り付くことはない。そもそも、そんな人を張り付かせるようなものが、モダンでナウいガバメントクラウドなのだろうか?そして、運用関係はマネージドサービスが充実しており、残念ながらアプリケーションはレガシーでも運用回りはマネージドサービスで安価に人手を掛けず実現できると考える。
2-3.回線運用管理補助者
以前は、ネットワーク運用管理補助者と呼んでいたもの。名称を変えたのは、庁内ネットワーク管理と混同しないようにだろうか?まさに、クラウド回りのネットワーク管理で、庁内ネットワークとの接点までが責任分界点と考える。こちらも、ガバメントクラウド運用管理補助者と同様で監視がメイン。新たなベンダーなどが当該自治体に参入してきた場合は、CIDR調整などが必要となるがまずそんな機会は少ない。よって。人が日々張り付くことはない。何かあれば適宜対応がメインとなるであろう。
③あくまでも「運用管理補助委託契約」だ!
一番言いたいのはここ。構築段階のイニシャルではなく、運用段階のランニングの契約だ。構築は相当の費用が発生することは想像に難くない。しかし、オンプレだろうが、自治体クラウドだろうが、ガバメントクラウドだろうが、一度動き始めれば運用で日々何かやることありますか?
「障害発生したらどうするんだ!」と言いたそうなそこの情弱ビジネス事業者のあなた!ちょっと待てよ!非機能要件の標準を知っているか?稼働率99.5%構成を組む必要があるんだぜ。そんなに障害が発生するような構成はそもそもNGだ。長い期間の運用。そりゃ障害が発生することもあるだろう。
でも、年間通してどれだけあるのだろうか?
④高額見積のカラクリ
これは単純明快で、ASPに運用管理補助者をするスキルが無いか、余裕が無いかで、補助者の補助者が登場するからだ。ASPがピンハネするケースも考えられる。自治体に求められるのは、ガバクラの知識もそうだが、長年お付き合いすべき事業者を見定めることではないだろうか?
⑤実際おいくら万円が妥当か?
自治体規模やマルチベンダーの数、マルチCSPでも変わってくる。なんちゃらテックの脂っこいオジサンが人月ビジネスはクソだ(読んだことはない)と言っているが、人月で計算してみた。なお、この金額が一人歩きされると困るのでここから先は有料とする。初めに断っておくが、金払ってまで見る内容ではない(がっかりしても責任は負いません)!※儲けたい意図はないので、知り合い(自治体の方に限る)であれば言ってくれればお見せします。
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