小説家のエッセイ 昔の自分が好きだったのに
今の自分は嫌いで、昔の自分の方が好きだった。
それはシンプルに今より若いからとかかわいいからとか、赤ちゃんを育てる今より身軽な独身時代の方が楽しかったとか、そういう事ではなく、もっと、昔の自分の方が芯が強くて、自分と言うものを持って生きていたし、誰かや何かの意見に影響されない強さを持っていた。
十代の頃とか、大学生の頃とか、就職したての二十代前半ぐらいまでは、まだ良かった。
それがだんだん上手くいかない事だらけで、自分の力で対処できなくなってしまい、挫折から立ち上がるのがめんどうくさくなり、やさぐれるようになってしまった。
そりゃ三十路の今よりずっと世間知らずで、いろいろと甘かったかもしれないけど、
それでも夢や目標に向かってまっすぐに生きていた。
失敗する度に傷つく事ができるほど、純粋な気持ちで生きていたのに。
今はもうとっくの昔に純粋じゃないし、失敗すらしたくないから、もう何も挑戦したくない。
十代の頃は、自分の力だけで生きていく事に強い憧れを持ち、社会的に成功した強い大人の女性になる事を強く夢見ていたのに、
今の私は、結局未だに成功できておらず、気がついたら娘を育てつつ家事と育児をして、合間にちょろちょろっとnoteを書いて、ランサーズの方も全然仕事が無く、もう30になるのに全然まともな収入が無く、夫のお金で生活している主婦みたいな感じになってしまっている(ていうか主婦そのものだが)。
あの頃あんなに嫌っていた主婦と言うものに、気がついたらなってしまっている。
私は何も成し遂げられていないまま、娘が成人するまで育てて、育て終わったら私には何も残らない。
最近はスランプで何も書けない。
もう生きている意味が無いではないか。
「0歳の赤ちゃんを育てているだけで偉い」
「育児しながら夕飯を作れるだけですごい」
「ブログを執筆できるだけでもすごい」
と、他人は言ってくれるかもしれないけど・・・・。
私の親兄弟や友人だって、育児を頑張っていて偉いね、みたいに思ってくれているかもしれないけど、
でもさ、
私って褒めて欲しい訳じゃなくて、
他人がどれだけ私を褒めてくれて、認めてくれても、
私が私自身を許せないの。
自分が一番自分を許せないの。
だから他人からどれだけ褒められても、
いつももやもやする。
たとえ夫が私の作った料理を美味しいとほめてくれても、
娘が笑いかけてくれても、
それでも何一つ成し遂げられていないから、
ただただ空しい。
家事育児で1日が終わり、
どんなに家がキレイで、湯気の立つ美味しい料理ができても、
ひたすら空しい。
「私って何のために生きてるんだっけ?」
「書くために生きているだけなのに、どうしてこんな無駄な事をしているの?」
「あの頃あれだけ嫌悪してなりたくなかった主婦のお母さんに、今なっている自分が情けなくないの?」
と私を責める声がひたすら聞こえる。
「お母さんがんばってるね」
って褒められても何一つ嬉しくない。
自分が自分を絶対に許せないから。
じゃあ外で働けばいいじゃんって思うかもしれないけど、
そもそも外で働くのが、一般企業や組織で働くのが向いていなくて無理だから在宅で仕事しようとしてたのに、
それすらできないなら私働く才能が一ミリも無いって事じゃん。
私何のために生きているんだろう、
って思う日々です。
今日はネガティブな記事しか書けません、
無理です。