母娘の名字が違う件について

離婚して、名字を旧姓に戻して
子供は名字を変えないまま、
親権をもらった。

娘は高校生。
多感な時。

とあるところに登録しようと
2人で行ったら、名字がちがうから
親権を証明できる書類が必要と言われた。

娘の目の前で言われた。

離婚して、そのような形になったのだと
説明しているうちに、
娘が泣きそうな顔で、
「もう出よう」とささやいてきた。

そのあと何も言葉を交わさずに
家まで帰ったが、
娘はずっと泣いていた。

普段、どんなことがあっても
ポジティブに変換し、
明るく振る舞っている我が子が、
これほどまでに
感情を隠しきれずに泣いている。

離婚した私を責めるでもない。
家を出なければならないほど
私を追い詰めた父親の事を言うでもない。

いろんな事を理解しようとして、
でも、どうにもならない自分の感情と向き合っているのだと思った。
どうしてうちは「普通」の家庭と違うのだろうと。

私は私で、
自分を責めるまい、と思って日々過ごしているが、
こんな事で娘を悲しませるのなら、
家を出ずに自殺していればよかった。
とか、
そこに行く前に自分で電話して
事前に確認したらよかった、
やはり自分が悪いんだ、とか、
離婚前に元夫からよく言われていた
「お前が悪い」
その言葉が繰り返し繰り返し
私を責め続けた。

元夫は自分が子供の頃に
母親が自分たちを置いて
出て行ったのを未だに恨んでいる。

「出ていかれるくらいなら、
死んでくれた方がよかった」
と、よく言っていた。

だから、離婚前は
私がこの家を出るには
死ぬしかないんだと
思っていた。

でも、上の娘や
私の親も姉も、
生きていて欲しいと、
私が家を出る後押しをしてくれた。

せっかく生かされたこの命を
無駄にするわけにはいかない。

今、私が死んだら、
娘は元夫の元に戻って
父子家庭になる。
今より「普通」の生活は出来なくなる。

でも、それは、若干16歳の娘には
想像できないだろう。

母娘で名字がちがうと、
いろいろ問題が出てくる、と
離婚する時に人に言われた。
でも、元夫と同じ名字を名乗り続ける事は、当時の自分では無理だった。

限界だった。
引き取った娘の名前も変えたかったが、
本人の意志を尊重してそのままにした。

どうしてそこまでこだわるのか、
娘にはわからないだろう。
わかるはずもない事を
理解させようとも思わない。

親子といえども、別の人間なのだから。
経験がないと相手の気持ちなんて、
そうそう理解できるものではない。

ただ、自分のせいでこんなふうに
泣かれると、とてもつらいが。

私の気持ちを理解できないくらい、
幸せな人生を送って行って欲しい。
ただ、そう願う。