「地下に潜む怪人」 レビュー
評価:☆3.5/5
視聴方法:Netflix
視聴回数:1回
ジャンル:POVホラー
評価の前に
この話は、ダンテ・アリギエリの「神曲 地獄篇」を現代版にアレンジしたと海外のWikipediaにはあるが、私は「神曲」を読んでいないため、事前知識がない前提での評価となります。
あらすじ
パリのカタコンベ(地下墓所)にある「賢者の石」を探しに、歴史学者のスカーレット・マーロウはパリで会った宝探し目的の仲間とカメラクルーといっしょにドキュメンタリーを撮影しながら、目当ての宝のある地下へ探索へ行く話。
いいところ
・恐怖演出が素晴らしい
POVホラーの得意手法である「追われるスリル感」と「臨場感のあるその場にいるような雰囲気」が出ており、恐怖演出が素晴らしい。
・テンポがいい
モキュメンタリーらしく全体の演出には殆ど説明がなくご都合主義的な演出がそこそこあるが、アクシデントや恐怖演出のイベントが度々発生するためそこまで気にならずに次の展開を楽しめる点。
イマイチなところ
・主人公の成長がなく誰にも共感できない点
こういったPOVのファウンド・フッテージもののホラー映画にどの程度通常は、共感要素を組み込むのか私にはあまりわからない。
この映画では、主人公がひたすらに興味があるものに対して、子供のように恐怖心などが麻痺した突っ走る姿をひたすら見せられる。その勝手な行動で仲間が次々に死んだり怪我をしてしまうが、あくまでも自身の好奇心を満たす前提で、そこまで反省しているように思えない。
よく映画である「おい、そんな奴ほっといて先行かないとお前まで死ぬぞ」というようなツッコミを本作はしなくてよいのだが、逆に仲間が死んでも30秒程度で切り替えてしまう切り替えの早さはいかがものだろうか。
主人公の仲間思いの一面が見えると、敵や周囲の環境への恐怖や畏怖感がましたかもしれない。
ご都合展開と未回収フラグが多いかも
スムーズに解かれる謎、主人公の恐怖を感じる能力が欠如した行動などのご都合展開や、頭に響く謎の声、本作の恐怖体験を引き起こしている元凶などわからないて点が多かった。
まとめ
本作は、見終わったあとにあまり内容には印象に残りにくい映画だが、恐怖演出はよくできているため、怖い体験をしてみたいという人にとっては良い映画ではないだろうか。
評価が結構割れている作品なので、細かい点までいずれは分析をしてみたい。