執着eye 2を完走した感想
・シナリオ★★★★★★
・キャラクター★★★★★
・鬱度★★★★★(特典CD★★★★★★★★)
・センシティブ★★★★☆(特典CD★★★★★)
・サスペンスホラー★★★★★
●総合評価 SS
すげえもん聞いた…………
夏が過ぎそろそろシチュエーションCDが恋しくなり、ステラワースさんの方で4枚ほどまとめて購入したのが一週間ほど前。それの本命が以前紹介した昼海大吉さんの出演CDとこの作品でした。
執着eyeシリーズは4を発売日に聞きまして無事その魅力に落とされたのですが、中々買う機会が訪れず(課金をするなソシャカス)あれから一年が経ってしまいました。
今作はメインキャラクターとなる橘千紘くん以外にサブで保科健人さんが登場するのですが、この作品が発売して暫く経った後、カナリアレコードさんの別シリーズ「おやすみ彼氏」にてメインキャラクターに抜擢され当時界隈はかなりざわついたんだとか。そりゃそうなるわな!
執着eye2を購入するなら折角だしおやすみ彼氏13も買って地獄を楽しもうとキャッキャして、おやすみ彼氏13の質の高さに今作への絶望度が高まりどうなるもんかと思っていましたが、まあとんでもない破壊力でしたよね。
ちなみにおやすみ彼氏13の記事はこちら↓
自分語りはこのくらいにして作品の方に話を戻します。とはいえ説明がかなり難しいので公式サイトよりあらすじを一部引用させていただきます。
眠りから目覚めた私は記憶の一部を失っていた。
ふと視線を逸らすと安堵の表情を浮かべる男がひとり。 それは会社の後輩である、橘千紘だった。
彼は言った。 自分と私は恋人同士であり、この部屋で同棲をしていると。
千紘の言葉が示す通り、 部屋には見覚えのあるもので溢れていた。 私の好きな色、ぬいぐるみ、 彼と一緒に行った旅行の写真―― そうか、私は彼と付き合っていたんだ。
「焦らなくていい、ゆっくり思い出せば」
優しい彼に見守られながら、私は再び眠りにつく。 ――その先に待っているものが、悪夢だとは知らずに。
はい、もうこの時点で状況をなんとなく察して嫌な予感がしますよね。
ざっくり噛み砕いて内容を話すと実力行使に出た負けヒロインの話です。勿論負けヒロインなのは橘くん。
大好きな先輩に振り向いてもらえず心身を消耗していた橘くんが、とある出来事をきっかけに心を完全に壊し最終手段に手を出してしまう。狂気に堕ちてしまった彼が時折見せる心からの叫びで心をズタズタに引き裂かれる。このシリーズは本当に救いがないのでどうしようもない、行き場のない感情が脳を駆け回る、そんな感じ。
Hシーンは耳責め(両耳)、乳首責め、手マン、セックス1回。まあ状況は言わずがなですね、はい…
そして今作の特徴として途中かなりホラーなシーンが登場するのですが(全部ホラーじゃねえかというのは置いておいて)、それが洒落にならないくらい怖いです。
佐和真中さんの怪演がダミーヘッドマイクでさらに臨場感マシマシで本当にその場にいるような緊迫感がありました。やべえ奴演じるときの佐和真中さん大好き
橘くんのキャラクター性も非常に魅力的なんですけど、この作品はとにかくシナリオが凄い。最後聴き終わった後、これってこうなるのか!と関心して思わず口に出してしまいました。
先ほど申し上げた通りステラワースで購入したので特典CDが付いてきましたが、内容は本編の続きです。もし執着eye2の購入を検討しているなら絶対にこちらを購入してください。アニメイト特典がどうだったのかめちゃくちゃ気になる。
というのもステラ特典まで聞いてようやく物語が完成するようになっているんですよね。核心のネタバレは伏せますがイラマチオと首絞めックスが出てくるので苦手な方は注意。ちなみに私は首絞めックスでめちゃくちゃ興奮しました。
執着eye2単体でも非常に上質なヤンデレが楽しめるので本当の本当におすすめです。おやすみ彼氏13と合わせた感想はまた別の記事で書きたいと思います。書き終わったらこの文章の下にリンクが追記されるはず。
→書きました。双方のネタバレ含む感想
公式サイトのリンクを挟んだ後は本編の流れに添いながらネタバレを含む感想になりますのでネタバレ厳禁の方はここでブラウザバック推奨。購入検討されてる方はネタバレを踏まずにまっさらな状態で聞いていただきたいので是非聴き終わった後に感想を見に来ていただけたらと思います。
わたしと橘くんの関係は会社の先輩と後輩。橘くんはしっかり者で誰に対しても穏やかな性格の青年で、わたしとは一緒に飲みに行ったりランドに行くほどの仲。
トラック1を再生した途端橘くんのハッピーバースデーの歌が流れてきて何事!?となる。その後目覚めたわたしを介抱してくれる橘くん。
混乱するわたしに、橘くんはわたしは会社の階段から脚を滑らせて気を失ったことを説明する。その時の影響で記憶の一部が欠落してしまったらしい。そして橘くんとわたしは恋人同士であったことも語られる。わたしは橘ではなく「千紘」と呼んでいたことも。
会社の事を気にするわたしに回復するまで養生してくれて構わないと言われたことを話す橘くん。そしてこの場所は橘くんの家で、同棲していることも。彼の部屋にはわたしの好きなものが沢山置いてある。残念ながらスマホは事故の影響でボロボロに壊れてしまったらしい。
橘くん曰く、事故の日はわたしの誕生日だったそう。容態が落ち着いたら誕生日のお祝いをしよう。その言葉の後、わたしは眠りに落ちた。
とまあここまではあらすじに沿った話の展開なんですけど、この時点でもう大変なことが起きてしまった後だというのが容易に想像できますよね。この時点で胃から何かがこみ上げてくる感覚がしてもうしんどい、助けてくれ。
場面転換して、橘くんが電話に出ている声が聞こえてくる。どうやらオフィスの中らしい。
わたしのデスクの上にお菓子が置いてある。保科先輩が置いてくれたんだと橘くんは話す。そこのお菓子は美味しいと話す橘くんにあげようとするも、保科さんに悪いから、と断る橘くん。「先輩は気にしなくても、俺は気にするんです」重い……
保科さんの事でからかってくる橘くん。保科さんは営業成績が良く人当たりもいいことを話す橘くんに、橘くんもそうだと返すわたし。この空気感が尊くて、この先の展開を考えると切ない。
来月のわたしの誕生日にお祝いをさせてもらいたいと話す橘くんだったが、その日は保科さんと予定があると断られてしまう。もしその席で告白されてらどうするのか聞かれるも、断ると答えるわたし。うわうわうわ……
場面転換して保科さん登場。お祝いの席で行く場所をわたしに見せてくる保科さん。ほのぼのした会話の中に橘くんが入ってくる。休憩室とかかな。
保科さんと橘さんの会話、平穏なんだけど聞いてるこっちは背筋が凍っていくんじゃ…
トラック4に移る。タイトルは「嘘」。もう勘弁してくれ〜〜〜〜
仕事が片付かず橘くんと残って仕事する2人。保科さんとの予定があるんですから先に帰ってください、と話す橘くん。そこに保科さんから電話が入る。慌ててデスクから離れるわたし。
わたしは仕事が終わらないことで保科さんとの会話に涙を零してしまう。それくらい楽しみにしてたのに仕事が終わるまで残る責任感の強さが凄いし偉い。
電話が終わった瞬間、右耳から「嘘つき」橘くんの声。ヒェッ…
本当は泣くほど保科さんに会いたかったんだと、保科さんのことは本当は好きだったんじゃないかと責めてくる橘くん。感情が爆発する橘くんが切ない。「もういいよ! 保科、保科、保科……」これ以上傷つけないでよってもう完全に負けヒロインのムーヴなんだよな……。
本気でわたしの事が好きだったから、わたしの事はなんだって知ってるし、わたしの趣味に合わせてたし、理想の後輩像を振る舞っていた橘くん。わたしのことを色々話す橘くん、最高のヤンデレヒロイン(ヒロインじゃないが)なんだよね。
橘くんから逃げ出すわたし。「お願いだから俺をひとりにしないで……」絞り出すような声で胸を締め付けられる。
ここから地獄の鬼ごっこ&かくれんぼパートスタート。ここの橘くん本気で怖い。
一度橘くんに捕まるもなんとか振り切るわたし。どこかしらに隠れてやり過ごそうとするんだけど聞いてるこっちもホラーゲームやってるみたいな臨場感でヤバい。
逃げている途中聴こえてくる、橘くんが本気で後悔している台詞が切ねえ、もうさっきまでの関係には2度と戻れないんだよな……オォン抱きしめたいけどグッバイ君の運命のヒトは僕じゃない。
とうとう橘くんに見つかってしまったわたし。保科さんの名を呼ぶわたしに更に曇る橘くん。いいことを思い付いたとわたしを何処かに移動させる。
大人しくしてくれれば痛いことはしない、とキス。こっから強姦パートですね。強姦パートとか言うな。「先輩とキスしてるなんて夢みたい……」台詞が逐一恍惚のヤンデレポーズで再生される。
服を無理矢理脱がせながらわたしへの想いを語る橘くん。「ずっと、ずっとこの日を夢みてた! 理想とは随分かけ離れた形になっちゃったけど……。もう、そんなことはどうでもいいや」が本当の本当に切ない。望んでこんな形になった訳じゃないんだよな、どうして……(現場猫)
わたしを気持ちよくしてくれる橘くん。多分濡れてるのは防御反応からなんじゃないかな……。
愛撫の最中、保科さんの名を呼ぶわたし。この後に及んで保科に縋るの、なんで俺じゃないのと激昂する橘くん。もう少し優しくしようと思ってたのに、という言葉の後に無理矢理挿入されてしまう。
橘くんの口から今この場所は保科さんのデスクの上であることを明かされる。抵抗を強めるわたし。屈折してんねぇ!ほんと何するにしても保科に囚われてるのはわたしよりも橘くんの方な気がするんですよね。セックスも保科さんより気持ちいいかどうか聞いてくるし。
セックスの最中、わたしのスマホに保科さんから連絡が来る。最初は動画でも撮って送ってやろうかなんて余裕吹かすけど段々精神的に追い詰められてきてスマホを何度も何度も叩いて壊す橘くん、愛おしいね……。
「いつかきっと両想いになれるよ……。俺は、ずっとその日を待ってるね」帯にも記載されている台詞なんですが切ねえ〜〜〜〜〜〜〜〜こっちも苦しいよ、橘千紘さん…………(慟哭)レイプ中に喋る台詞じゃない
中出しした後、わたしは気を失う。その後正気に戻る橘くんの台詞で脳味噌グチャグチャ心臓ボロボロ。そうだよね、笑ってる楽しそうな表情が一番好きなんだよな……。当たり前の幸せを享受したかっただけなのに、それが一番遠い出来事で叶わなかった橘くん。誰が悪いとかがない地獄が辛い。いやまあレイプは悪いけども。
ゼロから始めよう、ってそんなことできれば誰も苦労しないしそれは橘くんが一番分かってるんですよねきっと、生き地獄に囚われてしまったのはわたしだけではない、というか橘くんの方がずっと前から囚われてるんだろうな。ハァ〜〜〜〜〜〜〜〜(クソデカため息)
わたしは目を覚ます。橘くんに今まで見た夢の内容を語る。彼は保科さんという人はいないと語る。もう少し安静にしていようと促され、もう一度眠りにつくわたし。
最後は橘くんの独白。どうやら橘くんはわたしに記憶を無くす薬を投与しているらしい。しかし暫く薬を投与していなかった影響で記憶を取り戻してしまったわたし。また振り出しに戻らなければ、と橘くんは日記に書き込む。次に出会うわたしはどこまで記憶しているのだろうか。
そして橘くんの歌うハッピーバースデーの歌で締め括られる。お気付きの方もいらっしゃるだろうがここのシーンが最初に結びつくのである。思わずここで「そういうことか!」と口に出してしまいました。シナリオが秀逸過ぎる。
最後の最後にキャストトーク。佐和さんもお辛そうでした。まあですよね〜〜。でも楽しく演じられていたらしいのでヨシ!
ステラ特典のCD、タイトルは「リセット」。辛い。
病院に行きたがるわたし、パニックを起こすかもしれないから病院に連れて行くのは心配だと橘くんは語る。
わたしが橘くんのことを「橘くん」と呼んだ矢先、橘くんの態度が急変する。千紘って呼ばせてたからね。橘くんを騙して病院に行った時に抜け出そうと計画していましたが、記憶が戻ってたことがバレてしまいます。
わたしが記憶を失っている間にこんなにいやらしい身体になったんだよ、と局部に指を挿れながら話す橘くん。恐らく否定するも、身体は正直に反応してしまう。
本編の時と同じように、先輩を傷つけたくないから分かるよね?と脅してわたしと身体を交わる橘くん。イラマチオ好きなんだけど折角だからSEほしいな〜って思う。無理強いする事はないんだけど、たまにはこういうのも良いね、って普段はやっぱりわたしのことを大切にしてるんだな、橘くん……。
橘くんに無理矢理挿入されるわたし。自分の身体に違和感を覚えるシチュってめちゃくちゃエッチだな〜〜(現実逃避)。
橘くんを否定するわたしに激昂する橘くん。もうだいぶ現実と虚構が入り混じってる感じがするな……。そして首絞めックス。首を締める音が痛い痛いこっちまで苦しい。もう完全に自分の世界に入ってしまってる橘くんが痛々しくて見てられない。
橘くんがイッた後気絶しているわたし。まるであの日に戻ったみたいだ、と呟く橘くん。薬の音とさよなら、という橘くんの声。ハァ〜〜〜〜…………
目覚めたわたし。おはようと声をかける橘くん。しかしいつもとは決定的に違っていたのは、わたしの記憶。
わたしは自分の名前すら忘れてしまった。ガラス細工を丁寧に扱うかのように優しく声をかける橘くん。「はじめまして、俺の愛しい人」
ッア〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜オアアアアアアアアアアアアアアアア…………
とことん報われねえ、なんだこのシナリオは……。
こちらの心(と2人の心)を折るために懇切丁寧に作られたシナリオ、4の時も凄いと思ったけどほんと流石としか言いようがない。本編だけでも話が纏まってるけど特典を聞くことで完成する構図ズルでしょ。私の心に大きな爪痕を遺して地獄の中へ消えていった橘くん、暫く橘くんを引き摺って生きていこうと思います。