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映画「叫びとささやき」について
皆さん、こんばんは。
さんぴん倶楽部の役満です。
今回は、イングマール・ベルイマン制作、脚本、監督作品の「叫びとささやき」という作品について書いていきます。
そもそも、ベルイマン作品で「仮面 ペルソナ」という作品があって、個人的には刺激的だったので、別の代表作でも漁るかってことで見たんですが、個人的に「めちゃくちゃ最高!!」って感じよりは「好みではあるけど、これは誰かと語ることでうま味が増すな~」という作品だったので書いていきます。
まず、この映画知らない人のためにざっくりあらすじだけ書いておこうかと思ったのですが、正直言ってストーリーの起承転結がそんなにない。一応起点になる展開は何個かあるんですが、文字に起こしたらまじでつまんなさそうな感じになったのでやめときます。
すごい簡潔にいうと下画像の女の人たちが、みんなこじらせてるっていう話です。ファンの方すみません。でもまじでどのキャラにも感情移入できなかったし、そういう作品ではない気がする。
というのもこの映画の良さはそこじゃない。
ドラマ性がおもしろいのではなく、その中での人間の心情描写にフォーカスして映画を見ないと「は?」ってシーンの連続だと思います。
また心情を表現する動きや表情や台詞や語りはもちろん、シーンごとの景色や音など様々な要素がちりばめられています。
あとなんといってもこの映画の良さはなんといっても、きらびやかな絵画のような映像美だと思います。
赤をメインとして、「愛」や「性」などを連想させます。また、「血の色」ということもあり、「生と死」といってエネルギーを感じさせます。
まず出演者の方々の綺麗さも、幻想的な美しさから人間的な生々しさゆえの美しさが描かれている。
【映像美と音について】
この話の流れのまま、映像美と音について書いていきます。
映像作品である以上はどの映画にも少なくとも、「映像の効果」について考えられてると思うんですが、「物語のための映像」の比重が多すぎて、個人的にあまり「どのシーンを切り取っても綺麗」な作品は少ない気がする。
この作品から感じたのは、テーマを映像に落とし込み、人形や時計、大邸宅、自然、陽の光などから感じ取れる不気味さやグロテスク、閉塞感などを読み取れる。
それらはどちらかというと静の要素があると思っていて、この映画の「赤」から感じる動の要素が相まって、「愛」などのテーマの複雑性や曖昧さを感じます。
「叫び」と「ささやき」ってのも多分そういう対するものが混在しているという隠喩なのかなとも思いました。
あと音ですが、基本的に情報が少ない。映画の冒頭のリンの音?とかこわいし。息や風の音や食器のカチャカチャという音など自然な音が基本的に流れていて、台詞も動きも少ないのでずっと静かな感じなんですが、それがより映像への効果を出していると思いました。
まあとにかく赤い、目に悪い。こんな家は嫌だのやつ。
【テーマについて」
ここまでに何個か言いましたが、「愛」がテーマっぽい感じはするけど、もうややこしいのなんのって。
家族愛や恋愛などが絡み合っていて、すごく純粋なものではあるんだけど、それに対する人間たちの弱さが相まってややこしくなってる。
ただ「仮面 ペルソナ」の時にも感じたけど、人間の持つ二面性を描くのは素晴らしいと思う。
葛藤とともにむき出しにされていく本性はすごく脆くて、崩壊しかけるところまで行くんだけど、その様が美しいと思った。
病から連想される生と死に対しても、恐れをわかりやすく感じる。
シンプルであり、そのもの自体が美しい、人間が本来持つ感情を描いており、この映画を見れば言葉ではなく感覚で感じると思います。
【まとめ】
変な気持ちになる映画でした。
ここにはあまり書きませんでしたが、役者さんの演技もすごすぎるのでそこにも注目してみてみてください。
ネタバレしない程度に書きましたが、映像美だけでもみて。
アマプラでみれるんでね
以上、さんぴん倶楽部の役満でした。