見出し画像

映画「VHSテープを巻き戻せ!」の感想


前に、私が組んでいるバンドのメンバーの家でデモを作りに行った際に、久々にテレビデオを発見し、懐かしく思った。

昔の友人から譲り受けたらしいが、まだ使えており、その時は最新のニュースが映っていたが、すごく懐かしく昔のことを思い出したりした。


どうも、皆さん外出自粛していますか。さんぴん倶楽部の役満です。

外出しなすぎてこないだ散歩にでかけたら、熱中症で倒れました。筋トレします。


ということで趣味が完全にインドアな私にとって何の苦でもない自粛期間ですが、普段見ないような映画を見ようということで、ドキュメンタリー映画の「VHSテープを巻き戻せ!」を視聴したので、感想を書いていきます。

まず映画の内容ですが、ビデオの誕生から、衰退までをインタビューを通し、語られていきます。

特に結びつきの強い、「映画」についても語られていきます。

技術的な話は最小限にして、その時々のカルチャーの動きや、自分が興味深いなと思った点をメインで話していきます。


まずは順を追って。


・【映画は映画館でみるもの】

時系列として、ビデオの誕生ですが。まだビデオがなかった時代、映画は映画館でみるものだったみたいです。

もちろん何か家で見る方法があったのかもしれませんが、庶民はそうだった。

もちろん映画館で観る映画は「体験」に近いと思ってますから、特別なものですが、上映期間や時間。また入場料など様々な制限があります。

「あーあの映画みたいなー」って時にそれが家で観れちゃうなんて画期的過ぎたわけです。最初は高かったみたいですが、すぐに庶民に受け入れられ、どんどん名作がビデオになり、普及していきました。

映画館にとっては痛手ですが、現在でも映画館がある理由はやはり、最高の映画体験だからでしょうが、家で一人で観る映画などまた新しい映画の良さを引き立てたのもビデオの良さだと思います。


・【映画の作り方】

家で映画を見る人が多くなると、次はどうなるか?

映画=家で観るものという価値観が生まれてくるというわけです。

どういうことかというと、作り手の悩みの一つに「映画を見る環境を縛れない」という事ができます。

要はみんながみんなこの映画を映画館で観るわけじゃなく、家で一人でご飯を食べながら観るかもしれないし、あるいは友人と集まって夜中に観るかもしれない。

しかもいい音質でいい画質が保証されてるわけでもないし、客層もすごく多種多様なわけで、こうなると作り手の意識が変わるのも間違いありません。


・【様々なジャンルの発展】

作り手の意識が変わればどうなるか?

いっそマニアックな映画つくったれ!!って変態がわいてきますよね。

日本で言えば、Vシネマ、アダルトなどなど。海外でもホラーやスプラッター系など、映画館で流せるかいってジャンルもどんどん発展していきます。

あと、同時に撮影も大きく進化していってます。

特にホームビデオとか。自分ら世代はみんな、親とか親戚が正月とか家族旅行で、録画してそれをビデオに焼いたりしてたのも覚えてるかな。

簡単に言えば、だれでも映画をすぐ撮れるようになったという事。今でもまさに音楽をやってる友達などがYouTubeなどに動画を撮影してのっけてる。

まさにあれのさきがけの様な時代。

いわゆるB級映画が大量にでました。映画館で大ヒットさせようなんて狙いは一切なく、すきなものをノリで撮りました!みたいな。

こうして様々なジャンルが誕生した。


・【レンタルビデオ】

時系列が前後しますが、そういう文化の発展を支えていたのは、レンタル業の発展です。

ビデオが安いったって、でかくて邪魔だし、そんな何回もみないしって人は買うのも高い。そこでレンタルショップがどんどん業績を上げていく。

そしてどんどん人の手に渡っていく。

いまなんかあのTSUTAYAですらどんどんつぶれてるけど、20代の自分にも、幼少期、親がビデオを借りてきたりするのすっごく楽しみだった記憶があるくらい、レンタルビデオってのは主流だったわけです。

そうしてたくさんの人がビデオを観る。そうなればたくさんのビデオができる。たくさんのジャンルが生まれる。

いわばビデオは独自のカルチャーを築きました。


・【ジャケ】

今はもう死語なのかわかんないけど、CDとかよくブックオフとかでジャケいしましたよね。

それがビデオにもあって、なおかつ面白かった。

それがジャケットが絵になっているものが多かったから。基本的にはビデオの表紙をイラストレーターが描く。それ専用の人もいたみたい。

もちろん書き手によって個性も出るし、映画がくそでもジャケは最高。なんてのもあったらしい。

今でこそ写真を加工したのが主流な気がするけど、いろんなジャンルがあって、めっちゃマイナーな作品だらけの世界では、ジャケがダサけりゃ誰も見ないなんて当然なので、ジャケがまずビデオを楽しむ要因の一つだった。


・【ビデオの衰退からの考察】


これまでビデオの魅力や同時にカルチャーの発展やビジネスとしての側面も少し紹介したが、これらから考えるに、今後どうなるのか。類似するものの衰退や変化などもふくめて話していく。

私はこの映画をアマゾンプライムで視聴した。

私のように映画をアマゾンプライムやネットフリックスで観る人がほとんどじゃないだろうか。

DVDやBlu-rayがもう消えていくのも私は時間の問題かと思っている。そうしたことで、特典などもなくなる。レンタル業はオンラインで済む。ジャケにお金をかけなくても、冒頭五分くらいをみて内容を判断できてしまうので、イラストレーターを雇うなんてことをしなくてもいい。

この映画でも言われているが、「物理メディアはすべて消える」とある。

製造のコストがかからないから。

だが、それらはすべて売り手に管理されているともいわれている。それは買い手にとって果たして良いことなのか。

また、今はもう高画質で高音質で映画館さながらの環境を家で楽しむことさえできる。例えば壮大なSF作品を観るときは映画館の臨場感が必要だが、ドキュメンタリー映画やヒューマンドラマなどを観る場合、映画館に行く必要があるだろうか。

これらはまさにミニシアターなどの衰退に直結している気もする。


音楽でも同じことがいえる、マンガや小説もそうかもしれない。

音楽の好きな友人たちは、レコードやカセットテープ、CDを今でも集めている。

漫画や小説が好きな友達も、電子書籍ではなく、紙媒体のものを愛用してる人が多い。

もちろんメリット・デメリットあるが、そういうものを超越したロマンが、カルチャーには必要なのではないだろうか。

ビデオにあって、DVDやサブスクにない作品は山ほどある。

私は、仮面ライダーやウルトラマンのビデオを暇さえあれば観ていた子供だった、そのビデオの表紙などまで今でも覚えている。

箱から取り出す手間や、デッキに入れて、テープが再生されるそのわくわくは、サブスクで味わうことができるのでしょうか。

創造力はどこから生まれるのか。


画像1

形があるからこそのロマンを。

こいつら最高。


さんぴん倶楽部 役満