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月組が最強のハッピー温泉だった件
ついに、ラスボスのご登場。
そう、月組である。
宙組ハイローにより、突如宝塚歌劇の良質な沼に転がり落ちてから早2年。宙→花→雪→星→専科と順調に浸かる面積を広げていたものの、唯一月組だけは好きな顔が見つからず、観劇どころか情報収集すらしていなかった。ただ正確には、気になる人はいても、これ以上推しを増やしてはまずいと自らブレーキをかけていた部分が大きいのだが。
そんな私が月組を見るきっかけになったのは、6月に出会った友人の存在だった。
SNSで知り合い、「Le Grand Escalier」を一緒に観劇して意気投合。それから月に1回は必ず連番するほどの仲になった。そんな彼女が、月組新トップスター、鳳月杏さんの大ファンだったのである。
おすすめだという作品の円盤をいくつか借り、手始めに「フリューゲル-君がくれた翼-/万華鏡百景色」を見た。これがとても面白かったのだ。
特定の人を見ない分、お芝居の内容に集中することができたおかげか、考察が止まらなくなるほど面白くて夢中になった。(考察についてはこちら)
また、主人公ヨナスを演じる月城かなとさんの歌声が、深くて渋いとても良い声で(しかも声量バグだった)、劇中の歌が全部好きになった。
ショーは和物で芝居仕立てなのもあり、予備知識なしには少し理解が難しい部分もあったが、統一された世界観に、華やかさと深みを併せ持つ月組の魅力がたっぷりと詰め込まれた、初心者には良質すぎる作品だった。
そして運命の11月28日。前述の友人と共に、新トップコンビお披露目公演「ゴールデン・リバティ/PHOENIX RISING」を観劇した私は、今まで何を見て生きてきたのかと激しく後悔した。好きな顔が見つからないどころか、好きな顔だらけだったのだ。しかもお芝居は西部劇。ただでさえスタイル抜群のイケメンたちが、ロングコートにガンベルト、テンガロンハット、果ては拳銃という、イケメン度爆増アイテム満載で舞台を駆け回るのである。ただでさえ可愛い女の子たちが、チェックのワンピースやメイド服、果てはドレスに至るまで、可愛さ激増しで舞台に花開くのである。しかもそのまま銃持って戦えちゃう子までいるときた。
そしてショー。大好きな野口先生がばっちりキメてくれ、何も考えずに見られる難しくないものが好きという個人的な好みにぶっ刺さったおかげで、それはそれは楽しく、中毒性がとんでもなく高い麻薬のようなショーだった。
これは…たまらん!!!!
そして終演後、気づくと友人にチケットの追加を頼んでいた。
こうして私は、面白いほど簡単に、最後の沼へと転がり落ちたのであった。
推し紹介~現役さん編~
・鳳月杏さん
深みがあって声量オバケ、安心感しかない歌声にまんまとフォーリンラブ。ひたすらに余裕たっぷりな大人の色気が漂いまくっているので、何をしても全てが渋くて素敵。初めて生で拝見したのが「ゴールデン・リバティ」のジェシー・サンダー役で本当に良かった。個人的に「ELPIDIO」のロレンシオ役も好き。二役のギャップとビジュが特に良い。
・天紫珠李さん
私の大好物である大人っぽ美人さん。目力ばっちりで超華やかなお顔なのに、どこか愁いを帯びたような深さを感じるところがたまらん。聞けば最初の数年は男役だったそうで、どうりで娘役さんにしては高身長だなと思った。「フリューゲル」のラスト、鳥のように美しい舞をされているお姿がとても好き。
・夢奈瑠音さん
えーっとすみません、同じ人間ですか?と疑いたくなるほどに小顔。めちゃめちゃ顔が小さい。そして当たり前にスタイルがものすごく良い。さらに丸メガネがとんでもなくお似合いになる。「ゴールデン・リバティ」のモートン役も「フリューゲル」のフランツ神父役も最高に眼福だった。メガネかけさせようって言った人、握手して語り合いたいので名乗り出てほしい。
個人的には若干サイコパス味があるお顔なので、そこも好きポイントです。(?)
・英かおとさん
実は去年の宝塚GRAPHで拝見して、ずっと気になっていた方。月組の私服紹介コーナーに掲載されていたお姿が、お洋服もお顔もタイプだったのだ。
「ゴールデン・リバティ」のケイン役は髭面、グレイヘア、軍服だったので、初見では全くわからず(シンプルに視力が悪かったのもある)、途中で気づいて発狂するかと思った。とても顔が綺麗。マジで超綺麗。
・礼華はるさん
何を隠そう、私を最後の沼に引きずり込んだ張本人様である。
まず、とにかくデカい。(笑)身長が高くてスタイル抜群なのはもちろんだが、声もめっちゃデカい。私は声量バグジェンヌが大好きなので、安心感の塊である。
「フリューゲル」のトーマ役で、お顔小さくて背高くて何となく気になるなぁ、と思っていたのだが、「ゴールデン・リバティ」のディーン役でやっぱりかっこいいかも!になり、「PHOENIX RISING」で見事に完落ち。特に上海の場面は本当に衝撃的で、今でも忘れられない。
178cmという長身に映えまくる真っ黒なロング丈のチャイナ服に身を包んだ彼女が、銀橋に登場しただけでワクワクがMAXに。まず劇場全体を包み込むような歌声にやられ、娘役さんたちが作るどピンクの羽に全く負けない華々しさに目が眩み、前半だけで既に胸がいっぱい。すると中幕が開き、何やら怪しげな雰囲気の男たちの中に、鳳月さん扮する艶やかなフェニックスが。そして2人が吸い寄せられるように手を組み、タンゴを踊り始めたではないか。しかも周りの男役さんたちもそれぞれ組んでタンゴしていて、色気の渋滞すぎてわけがわからない。そもそも男役さん同士で組んで踊るのすら初めて見るレベルなのに、タンゴなのでなんか激しいし距離めっちゃ近いし挙句平然とリフトとかしだす。エッアノ……チョトマテ……(汗)(焦)と動揺していたら、まさかのちなぱるキス(未遂)というメガトン級の爆弾が突然投下されたのである。
ちょっと待ってくれ。
今何が起きた????????(大混乱)
この時の感情は興奮しすぎていて上手く言葉にできないのだが、見事に脳みそが爆発四散して記憶が吹き飛んだことだけは覚えている。本気で鼻血が出るかと思った。しかもその後、天紫さん扮する青い鳥が参戦してきて、男2人で女1人を取り合う定番のパターンかと思いきや、なんと男1人を男女で取り合う展開になりさらに大パニック。雪組育ちのせいか、てっきり女をめぐって男同士で争い最終的に誰か(だいたい女)が死ぬのだとばかり思い込んでいたので、キス未遂の衝撃も引きずっていたせいか初見では理解できず、終演後友人に説明してもらって頭を抱えた。なんてこった……こんなん沼るしかないやんけ……(尊)
あまりにもハマりすぎて、千秋楽までに4枚もチケットを追加しSS席以外立見含め全席種をコンプリートするという暴挙に出たのだが、もはや上海のために通っていたと言っても過言ではない。
他にも、リアル韓国ドラマでしかない韓服姿や、本物の韓ドルにしか見えないアイドルシーン、キメキメで踊りながらたまに可愛い笑みを浮かべてギャップ萌えさせてくる群舞などなど、沼要素てんこ盛り。観れば観るほどその深みにハマり、幸せで仕方がない。
過去作はディーンやトーマなど、割と単細胞的な明るいキャラクターばかり見ているので、余命僅かで儚げな青年とか、闇深めの孤独な富豪とかを見てみたい。あと頼むから白河りりさんと「雲が描いた月明かり」やってください。
・大楠てらさん
かっこいい。もうとにかくかっこいい。その一言に尽きる。あまりにもかっこよすぎて、こんなに”かっこいい”という言葉でしか形容できない人を初めて見た。
個人的にスチール写真のビジュアルはどの作品も、たとえそれがご贔屓であろうと好みでないものがほとんどなので、「PHOENIX RISING」のスチール写真を見た時、全員見事に私好みで驚いたのだが、彼女はひときわ目元が鋭く、イケメンおる……と目を奪われたのが第一印象。するとショーで、スチールそのまんまの顔の人(当たり前)がギラッギラの視線をオペラ越しに浴びせかけてきて、心臓が止まりそうになった。本当に、とんでもないイケメンがいた。昔から爬虫類系のちょっと鋭い顔を推しがちなので、見事タイプまっしぐらのお顔を見つけてしまったのだった。
さらに、群舞を見ていたら手足が尋常じゃないほど長い。絶対に股下1000kmあるだろ(ない)調べてみればなんと宝塚で一番の高身長、181cm。そりゃあんな美しい舞ができるわけだ……しかもキメ顔キープして踊れる上、途中で娘役さんと組んだ瞬間、相手と目が合うと、それまでの厳ついキメ顔が信じられないほど甘々の笑顔にふわっと変わるのだ。そのままはけ際にウインクぶちかまして消えたりするのだ。それなのに愛称が”まるちゃん”だったりするのだ。
ヒィ……ぬ、沼すぎる……ッ!!!(悶絶)
・彩海せらさん
致死量のキラキラを際限なく振りまいてくれる爽やかさん。キラキラ度でいうとたぶん彼女の右に出る者はいない。そして声量オバケ。好き。
雪組でのご活躍を多く拝見しているので、生真面目で可愛らしい印象が強い彼女には親みたいな気持ちになってしまう。キラッキラはもちろん大好きだが、「ELPIDIO」のセシリオ役、「Golden Dead Schiele」のエゴン・シーレ役など、闇や葛藤を抱える暗い作品もすごく似合う方だと思う。
・涼宮蘭奈さん
もうとりあえず可愛い。何よりも顔がめちゃくちゃに可愛い。なんでそんなに可愛いの……と叫んで五体投地したくなるぐらい可愛い。
「PHOENIX RISING」の冒頭、EIGHT PHOENIXというダルマの男役が8人出てくるのだが、その中にやたらと綺麗な顔かつずば抜けた美脚の持ち主がいて目が釘付けになり、それが彼女だった。めちゃくちゃ細い上に身長もそこまで高い方ではないので、周りにデカい人が多いのもあって小柄に見えがちなのだが、そんなことを感じさせないダイナミックでしなやかな踊り方が最高に好き。ただ小顔すぎるせいか、大人数で舞台に出られると探し出すのが難しく、特に上海の場面は、どこに座ってもハットに全部隠れてしまって顔が見えず大変苦労した。(笑)
ご本人曰く踊ることが好きなんだそうで(組本参照)、体に気を付けて、これからも美しいダンスを披露する場面が少しでも増えてくれればと願うばかりである。個人的には「Deep Sea」の若手爆踊り場面で軽やかに舞い、娘役さんをリフトして誰よりも高速でぶん回している姿がかっこよくて大好きだ。
OGさん編
・千海華蘭さん
お顔がタイプ。凪さまの同期で、2年くらい前に一緒にインスタライブをされていた時が初見だったのだが、なんとまあ可愛らしいお顔立ちの方……と即フォローした。しかも投稿されるお洋服や髪型がめっちゃおしゃれ。どうやら在団中から月組生におしゃれNo.1と言われていたらしく(組本参照)、そのうちスタイリストとかになっててほしい。
過去作品では「ELPIDIO」のマルコス役が好き。
・一星慧さん
この方もお顔がタイプ。「万華鏡百景色」の男役群舞で、月城さんの後ろで踊ってらしたのだが、またまた高身長イケメンがいるな、とお名前を調べてみると、既に退団済みであることが判明。そのままインスタグラムを見に行ったら、スタイルバケモンの可愛らしい美人がいて、これまた即フォローした。プロフィールによれば179cmもあるんだとか。もうパリコレとか出てくださいお願いします(誰)
自分でも引くほどハマるスピードが早い。(笑)
しかも一番仲の良い友人が月組ファンなので、学習材料(=過去作品)に事欠かないのが大変ありがたい。順調に月組オタクへの道をひた走ることができているのは、確実に友人のおかげである。1年前のフラグは無事(?)回収されたことをここに報告しておく。もっと早く気づけばよかった…!
日々舞台に立ってくださるタカラジェンヌの皆様、舞台を作り上げてくださるスタッフの皆様。いつもたくさんの幸せをありがとう。
2025年も、平和で楽しいヅカオタライフを送れますように。