生き写しバトル【毎週ショートショートnote】
ある日、A君が言った。
「世の中には自分と似た人が三人いるって言うだろ。同じ顔は四人までだ。なのにこのクラスには同じ顔が五人もいる。つまりこの中の一人は偽者」
「……偽って何? 似てるだけでみんな自分の顔だよ」
「偽者をあぶりだす」
「話、聞いてる?」
かくして同じ顔を持つ男五人の戦いが始まった。
「見抜く方法はこれだ」A君はスマホを出した。「顔認証。全員のスマホのロックを解除できれば本物。できない奴が偽者だ」
一人ずつ試していく。A君は全員のスマホをクリア。B君、C君、D君も同様だった。
最後のE君がA君のスマホをかざす。これまでと同様に——はいかなかった。
「偽者はEだ!」
E君は不敵に笑う。「俺の顔がなぜ認証されなかったかわかるか?」四人は同じ顔を見合わせた。「よく見ろ」とE君は自らの瞳を指した。「ふ、二重に!?」
「プチ整形だ。もう俺は同じ顔じゃない」
勝ち誇るE君。四人は悔しそうに俯いていた。
それからしばらくして。
気づけばみんな二重になっていた。
※たらはかにさんの企画【毎週ショートショートnote】に初参加させていただきます。
【毎週ショートショートnote】『ショートショート書いてみませんか?』お題発表!6/25|たらはかに(田原にか)
【あとがき】
今週は419文字。。先週よりましですが、あとちょっとシェイプアップ必要ですね。
そして、なにこの変な話。
いろいろ変なこと言っているのが、ほとんど無視されたまま。文字数を意識するあまり、はさんでおきたいツッコミや解説もすっとばしたような感じですね。。
実は、この話の元ネタは140字小説にしようとTwitterの下書きに眠っていたものでした。偶然、お題に近い話があったもので転用。……いや、140字ってもっと少ないだろ。どうやっておさめようとしていたのだ。
410字のショートショート。
やっぱり難しいです。
バシッと決まる感覚がなかなかつかめずにいますが、また次のお題も楽しみにしています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?