サンダルでトレイル〜その1
突然ですがサンダルで走ることにハマっております。2013年の東京マラソンに当選して走り始めた私、それまで陸上経験ゼロで3km以上走ったこともありませんでした。結果、練習はしたものの初マラソンは5時間25分という平凡なタイムで、後半の10kmはほとんど歩きでした。
それから9年間、練習を重ねあちこちのレースに参加してマラソンのタイムは3時間2分まで改善したものの、今般のコロナ騒動でほとんどのレースが中止となってしまい、モチベーション維持に苦労する日々。そんな時、以前呼んだBORN TO RUNという本を読み返し、「そうだ、サンダルで走ってみよう」。
BORN TO RUNは2010年に著されたクリストファー・マクドゥーガルのノンフィクションで、「シューズを履いてもケガが減らないのはなぜか」という疑問を持った著者が調べるうちにスポーツメーカーの巨大な利権と欺瞞に気づき、「もともと人間は走るために生まれた」という原点を今も忠実に守る種族、タラウマラ族との邂逅に至ります。メキシコ・チワワ州の山岳地帯に暮らす彼らは古タイヤに革紐を付けただけのサンダルで走る生活を今も続けており、アメリカで行われた100mileのトレイルランニング(山道を走るランニング)レースでぶっちぎりの優勝を果たしたことでその運動能力とスタイルが注目を集めるようになります。
詳細はぜひ本書をご覧頂くとして、「今までと違うことをしたい」という興味からサンダルランを始めた私。いざ走ってみるとトラブルの連続でした。
何といっても足裏が痛い。厚さ1cmもないゴムの板ですから、靴と同じように着地したら踵が痛いのは当たり前です。毎日10km程度走る私も、サンダルだと最初は5kmくらいが限界でした。足裏にマメが出来ては破れるのも参りましたが、不思議と鼻緒の部分は傷つきませんでした。
ところが、何回か走るうちにその面白さがわかってきました。上体を含めたフォームを変えると、痛みがなくなるポイントがあるのです。もちろん慣れたフォームを変えるのは簡単ではないのですが、痛いフォームは身体も嫌がるため、自然に痛くならないフォームに変わっていきました。足が痛くならないということは無理がないということであり、効率がいいフォームを学びやすいのです。足裏にマメができるということは足裏を擦り付けているわけで、無駄なエネルギーが横向きにかかっていることになります。つまり、サンダルを履いたことで痛みが正しいフォームを教えてくれるのです。これは大きな発見でした。(その2に続く。)
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