「帰ってきた あぶない刑事」を観ました

結論、最高!

新作公開に合わせて、TVシリーズをBSで毎日再放送してくれていたり、各種映画やTVスペシャルもBSやアマプラで観られる状態だったので、ある程度の内容を再認識した状態で観に行けて、結果大満足でした。

まずは、ネタバレしない範囲で嬉しかった点を挙げると
・新旧登場人物への感情移入がしやすいように描いてくれていた
・ぶっ飛んだドラマだけど、ぶっ飛んだ設定と展開に納得感を与えられるよう尽力してくれているように感じた
・ロケーションや撮影場所がステキだった
・監督さん、撮るのお上手だった
・サントラがソニーだった
・あぶ刑事ファンというファンダムを意識した作品作りをしてくれていたように感じた

です。

・新旧登場人物への感情移入がしやすいように描いてくれていた
00年代、10年代の作品は、公開当時一度だけ観ていて、その後観返すことはありませんでした。あぶ刑事大好きだからもちろん観たけど、観たことに意味があって、それ以上の咀嚼は自分には必要がなかったというか……。そう思ってしまった私の中の大きな理由が、登場人物への「推せる!」っていう共感や、敵役だろうとなんだろうと感情移入がなかなかできなかったからなのです。
元々90年代の新作から「登場人物へ感情移入できない」は、私の中では始まっていました。近藤課長が去り、タカとユージも年齢を重ねていく中で、それでも港署は続いていく。だから新しい人事やそれにともなう港署の変遷も起こって当然なわけで、そこをちゃんと描こうとしたことは、間違っていないと思います。
ただ、連ドラ期間に綿密かつ濃密に描かれた人間関係とは異なり、映画や特番で突発的に描かれる新時代の描写では、もちろん作品の中では何年も流れているのだから、連ドラのように関係性が出来上がっていて当然だろうと頭では思うのですが
私の心がついていけなかった。
新しい課長がタカとユージを「大馬鹿者!」と怒れる関係性を、築けているんだろうけど私は知らない……。トオルもキャリアを重ねて、新人を教育する立場になっているのはわかるけれど、新人が新人類たる傍若無人な振る舞いをしていて、ノーコンな状態になっているのを生かさず殺さずしている描写を
視聴者として割り切れずに観ている自分がいる……。
わかっています、そうやらないと時間の経過が描けないから。わかってはいるけれど「その設定が生かされた展開になったのか?」と思うと、案外その次の新作には登場しないキャラもいたりして、一層感情移入できなかった自分を自分で肯定してしまう……。
しかも、時代が変化することでタカとユージがアップデートと葛藤するような描写や、遅れてるおじさんみたいなコメディもどうしても入ってきてしまい、おじさんかもしれないけどオシャレでカッコよさは変わらない二人でいて欲しかったのに、どうしてもそういう場面が増えてしまう……。つまり、タカとユージにものめり込みきれない。
90年代以降は、そういう複雑な感情との戦いでした。
キャラの皆さんの描かれ方に対して、それが良いとか悪いとか正しい正しくないでははかれなくて、あくまで私はのめり込めなかったというだけのことです。特に「さらば〜」のあの重要な展開は一度観ただけでも覚えていたから、問題なかったというか。
ただ、今回は。
限られた時間の中で、どの新しい登場人物も、そしてタカとユージを中心とした昔から参加している人にも、納得感あるキャラクターの描き方をしようと、スタッフの方が思ってくれてたんじゃないかなあと端々に感じました。
まずは、ヒロインの土屋太鳳ちゃん。その立場上、一番「視聴者の感情移入度合い」で、受け取られ方が波乱を呼びそうな設定です。私も、事前情報は極力遮断して鑑賞したのですが、その理由の一つがこのキャラクターにありました(と、これはプロモーション等で発表されている分、キャッチアップせざるを得なかった情報)。
そんな風に思ってしまったのは、90年代以降のゲストキャラクターたちが「私の心が受け止めきれないうちから、なんか暴れ回ってる」みたいな描かれ方をしていたように、私は感じてしまって(いち視聴者が偉そうに、かつ勝手なことを言ってすみません)「感情移入できなかったら、つらいかもな」という危惧があったからでした。
でも、違っていた。
心の機微、タカとユージとのふれあいと、そのふれあいを通じて関係性を作れたんだなというのが、2時間の映画の中でていねいに描かれている。この、ていねいに、というのが私にとってありがたく、大きかったです。
その他の登場人物、中でも岸谷五朗さん、吉瀬美智子さん、早乙女太一くんは、土屋太鳳ちゃん以上に内面を描く時間を設けられないけれど重要人物で、ともすれば説明台詞で色々語らせて補完されてもおかしくないのに(ちなみに私は説明台詞が大嫌いで、どうしてもそれを選択せざるを得ない場面以外だと一気に鳥肌が立ってしまうタイプです)、それでもここにもスタッフさんの矜持を感じたというか、極力無理のないように、もちろん説明台詞に全振りするとかもなく、映像と展開とお芝居で、魅せてくれていました。
で。早乙女太一くんのキャラクターを理解するのに、映画初期3作は今回の視聴前にちょうど観ていたのですが、観ておけて良かったです。観なくてもわかるけど、観たからこそ一層感情がのりやすかった。
岸谷五朗さんと吉瀬美智子さんのキャラクターと背景は、まあかなりぶっ飛んでいましたけど、それでも長ったらしくならないように過去に何があったのかをダイジェストにならないように描いてくれたおかげで「あぶ刑事の世界線なら、まあこういう人もいるっしょ」って受け入れてしまったというか「受け入れた方が楽しめて得だろうな」と、スイッチできました。
全体的に「あぶ刑事感」に甘えてる要素だらけだったらそうは思えなかったけど、リアルな部分と「あぶ刑事感」の緩急と選球バランスが良かったので、「帰ってきた あぶない刑事」の味方になれたのです。

・ぶっ飛んだドラマだけど、ぶっ飛んだ設定と展開に納得感を与えられるよう尽力してくれているように感じた
一つ目のキャラクターの描き方にも共通しますが、
あぶ刑事の世界はぶっ飛んでいる
子供の頃、放課後帰宅するといつもやっていたあぶ刑事再放送を観て育った世代なので、多少のことでは動じないけれど、それは「そうはならんやろ」と笑って見逃せる描写と、あまりにズレ過ぎていて一気に心が引いてしまって、大好きなあぶ刑事すら楽しめなくなることすらあり得る、諸刃の剣でもあると思います。
繰り返して恐縮ですが、あくまで私個人の受け止め方としては、90年代以降の新作では「楽しめないぶっ飛び」が増えてしまった気がしていて、一度観たらもう良いかな、となっていました。
そこへいくと、今作は。
私は「話を展開させるきっかけの描き方が、無理なく自然だな」とすごく受け入れやすかったです。細かい話はネタバレになるので、あとでまとめてネタバレ感想にまとめます。

・ロケーションや撮影場所がステキだった
もちろん、あぶ刑事は横浜が舞台だけれど。
それ以上に、横浜の切り取り方と、切り取る部分とが、とっても良かった。
実際には横浜だけじゃない場所でも撮っているはずだけど、その場所も横浜とシームレスに繋がるように見せていたし、逆にここは横浜だ!とわかるロケーションでは、存分に横浜の実景を映し込んでいて、もはや横浜の街は登場人物のひとりのよう。
あとは、実景だけならずセットやロケーション場所の”化粧”も、
感動的に素晴らしかったです。
例えば、タカとユージが暮らす家の、屋上。
抜けに見える◯◯も横浜らしさを強調していたけれど
あの「なんかブルックリンにありそうなマンションの屋上だなあ」感
予想ですが、あの屋上の煉瓦は、美術さんのお化粧じゃないかと……。
外観で使った建物は、横浜を舞台にした映像作品だとよく見かけますが
屋上部分を撮影した場所がどこなのかは不明とはいえ
あんな風に、人が出入りできる部分にまで煉瓦を張り巡らしているだろうか?
(これがロケ場所そのままだったらすみません)
観ながら、演出的に撮影のために貼った(お化粧した)んじゃないかなと思ったんです。
結果、そこに立ち入る人物たちの
深い交流と心の機微を描く重要なシーンの場所になることが多くて
そのロマンティックな空気を作ってくれたのは
あのあたたかみのある煉瓦も必要不可欠だったんじゃないかと
あれがコンクリ剥き出しなら
TVシリーズのドンパチをやるだけの場所だったら、不要だったでしょうけど
なんか、神が細部に宿っているなあと観ていて感動しました。

・監督さん、撮るのお上手だった
素人が上から目線の偉そうな話で恐縮ですが、どのカットの撮り方も、そのカットの尺も(編集にもクレジットが出ていたので、編集マンさんにお任せではなくご自身でもある程度編集されていた模様)観ていて気持ち良く、撮るのがお上手な監督さんが新作を手掛けてくださって良かったーと心から思いました。
TVシリーズやその流れを組む映画等では、何度もあぶ刑事を撮ってきた監督さんが参加されているわけで、監督さんごとの色の違いはあれど、全体的なトンマナは心配する必要もなく、あぶ刑事になる。
でも時代は2020年代になり、作中だけでなく制作体制にも時は流れるわけで、新作でもあぶ刑事らしさを感じられる映画に仕上げられるかは、全てのスタッフさんや俳優さんの総力の果てに、監督さんがどう撮るか?にかかってくるはず。
今回の監督さんは、第一期の最終回を撮られた監督さんのお子さんということですが、そういう要素を置いておいても、ご自身のメソッド(ゆったりした繋ぎや画角の切り返し)は過去のあぶ刑事に左右されることなく確立されていて、それでいて今のあぶ刑事を完成させていらっしゃった(と、素人が勝手に受け取っております、恐れ多くも)。
その頼もしさたるや、観ている最中の安心感にも繋がるし、実際に「嫌だな」と感じるような演出もなくて(逆に、演出次第では嫌だなと感じてしまいそうな展開も、嫌な感じにならずに撮ってくださっていた)変な話ですがずっとホッとしておりました。

・サントラがソニーだった
TVシリーズ第一期のサントラを作っていたのはソニーのレーベルエピックで、代名詞的なインストの数々に、インストじゃない曲もあの頃のエピックアーティストが総力戦レベルで参加していて、あぶ刑事のサントラといえばこのエピックから出たもののイメージが世間的にも強いはず。
その後の映画版や特番では、音楽を担当される方やサントラを出すレコード会社も色々変わっていて、コアとなる曲はその都度リメイクされて劇中で使われたりしていたけど、実際のサントラには各種権利の都合上収録されることはなく……という状態が続いていたようですが
今回は(サブスクに過去のサントラがソニーを通じて上がっていることなどからも)サントラ自体をまたソニーが出してくれたおかげ(?)で、第一期の曲の数々もアップデートされながらたくさん登場していたし、それ以降のサントラからも数曲ずつ使われていたようで「これまでのあぶ刑事があったから、今がある」というスタッフさんたちの意志というか、熱い思いみたいなものを感じて、すごく良かったです。

・あぶ刑事ファンというファンダムを意識した作品作りをしてくれていたように感じた
これまでに感じたことを総合的にまとめるなら、キャラクターの肉付けにしろ、物語へのいざない方にしろ、サントラにしろ
「ファンの心理を無視しない。ファンが嫌がるような作り方はしたくない」
というスタッフさんや、何よりもタカとユージやあぶ刑事の世界に生きる人たちを演じる役者さんたちの気持ちが強かったのではないか?と思わせるポイントが、至るところに感じられたのです。
平たく言うなら「ファンをがっかりさせたくない」という視点は、そのためにはどうすれば良いか?という意識と大事にするべき要素をシンプルかつ明確にして、関係者全員で共有することにより、どの立場の人も迷ったらそこに立ち返れば良い、といった導き方をしたんじゃないかなあ?などと、これも勝手に想像しています。

ここからは、ネタバレしながら良かった要素を書き連ねます。
なので映画を観ていない方はくれぐれもお気をつけください。






>>>ネタバレあり良かった要素<<<
・サングラス着用禁止の張り紙

・口説かれる前に逮捕して良い(課長命令)

・瞳ちゃん、お茶!二つ!!

・関係ないね!関係ないね!関係ないねっ!

・(ブオオオオオン……)タカのショータイムだ!

・家事をするユージ
タカとユージはLOVEじゃないけど、でも一生二人で生きていく生き物。港署があった頃は、港署というハコとそこの刑事さんという立場で”一緒に”いられたから、私生活までは一緒じゃなくても良かった。だけど定年後は、二人が一緒にいられる理由とハコが必要。だから二人で起業して、起業するなら一緒に住んじゃえとなるのは、私は全面的に支持しますし、それで良いと思っています。
で、どうやら家事をメインでやっているのは(二人で分担しようって話してるんだろうけど、タカはあんまり上手くないだろうし、なんでも器用なユージは結局多くやってくれちゃいそうだし)ユージっぽくて、これまでタカとユージの生活感は描かれなかった分、禁じ手のような見方もできなくもないとは思いましたが、でもこれも「いいじゃん」と思ってしまった私です。だって港署がないんだからこうなるしかないもの。

・シティーハンター感。それも私には「すごく良いじゃん!」って思えた
探偵事務所兼住居に、依頼人がやってくる。
そのシティーハンターみたいな要素が、定年後のタカとユージの活躍を描くならすごく合ってるな、と思いました。
実際、事務所兼住居のセットがとってもおしゃれに作り込まれていて、これから二人はここで生きていくんだなあっていう未来が地続きに思えたし、薫が秘書に(一文字違いの香の如く)なってもいいし、定年退職したトオルやフラフラしてるナカさんがルパンにおける次元や五ェ門みたいに都度、召集されてもいい。いいなあ、定年後の港署メンバーの活躍(妄想だけど)。

・舘さんと柴田恭兵さんは、素で喋るんじゃなくて「タカとユージのトーン」を意識して演技されていた気がする。だからこそ喋り方も慎重になっていたと思うし、その姿にもシティーハンターで冴羽獠を演じる神谷明さんの矜持と同じようなものを勝手に感じました。

・ああいう魔法みたいな特別制度、本当に実在するの?
偉い人の委任状があって、ハンコも押してあったら、1日限定で現役の刑事さんみたいになれるみたいな特例は、実在するのでしょうか?私は無知なので知らなかったし、他の刑事ドラマとかでも良くある話……だったりするのかもわからずなのですが、今に至るまでこれがフィクションなのかどうかも調べていません。ドラマ的な作り話だったとしても「この方法があったのか!」って嬉しくなったし、これでタカとユージが鉄砲バンバン打てるぞやったー!って観ていて思ったので、答え合わせはしなくていいやという気持ちになりました。
二人が現役刑事時代も、トオルは二人に武器を集めるように言われてかき集めていたし、今回は言われる前に先を何手も見越して、行動や発言を過去最大級でコントロールしていたトオルが、本当にカッコ良かったです。あと「大馬鹿者!」も。

・彼女がハーレーで飛び出して、港(私有地)まで動かしてくれた後だったから、タカがノーヘルで公道を走る必要がなく、スムーズにノーヘルでショットガンを打てた。めでたしめでたし。

・港(=私有地?)なら、ノーヘルでハーレー乗ってもいいんだよね。いいのか。知らんけど(許す)

・薫の飛び道具的な登場が、今回は「意味がある感じで無理がなくて」良かったし嬉しかった。薫も定年していて、飛び道具的な登場しかできないことはわかっているけど、それでも話の筋に絡まないというのは寂しすぎる。だけど薫にはいつもぶっ飛んでいてほしいし、それでいてキュートでもあってほしい。昔はその両方を共存させてくれていたのを、いつしかぶっ飛び比重が大きくなり、しかもこのまま暴走したら愛せない感じにもなりかけていた中で(それはトオルにも言える)、今回は本当にイカれつつ愛らしかった。このバランス感覚で描いてくれたのが嬉しかった。

本当に、新作は良いところばっかり。なので、以下は「基本的には全面支持だからあえて言う必要はないけど、それでもあえて気になった点を挙げるなら」です。

・富士フイルムのビルの前の行ってこい
土屋太鳳ちゃん演じる彩夏が、タカとユージの元をハーレーで飛び出してしまった時のモノローグシーン。詰めた画角と広い画とで、FUJIFILMのビルの横を通過するカットが行ってこいしてる感じになってたんです。これは、良い絵を優先した結果と判断だろうから仕方ないし、話の筋を阻害するものでもないので気にしなくて良い部分ではあるのですが、どうしてもそう思っちゃった、というところで。

・創作の世界ではよくある設定や背景だけど……
早乙女太一くん演じる海堂巧が、映画3作目のラスボスの息子さんだったということで、港署の鷹山と大下という刑事を恨んでいる……というのは自然な気もする一方で、海堂の年齢を考えたら「幼少期からすでに父がおらず」だとして「悪いことしてたのはあなたの父親で、警察から手をかけられてしまった」という状況は、苦しみはあれどその刑事に憎しみは向くものかしら?と、ここは若干のとまどいが……。
でも、早乙女太一くんの三白眼が憎しみを湛えた目線を送っていた姿からは「そのくらい、ずっと憎かったんだな」という劇中の現実を受け入れよう、と思わせる強さを感じました。

・土屋太鳳ちゃんのキャラクターがスポーツ万能というか蹴ったりなんだりできる理由の説明とか描写、ありましたっけ?
1回しか観ていないぶん、彩夏がスポーツ万能ガールだったという説明などはあったか、記憶に定かではなく……。襲われても怯まないし、走ったら早いし。メタ的に、土屋太鳳ちゃんがスーパースポーツウーマンなのは認識している分、スッと観れてはしまったけれど、なんか説明あったかなあ?と。私が聞き逃したり拾いきれていない可能性は大です。

・ショットガンの射撃場、どうやって入ったの
って、海堂も言ってたけど。ほんとよ!もう現役の刑事じゃないのに。でも、港署の管轄エリアであれば、何年経っても自分の庭のように動けて、受付とかにも顔がきくってことなんだろうな、と受け入れました。

・閉店したジャズクラブになんで入れたの?最近の防犯システムでロックされてたら、昔みたいにユージは鍵なくても開けられちゃうみたいにはできないはず。だし、あんなに物が残された状態で廃業するってあるかなあ?
ここはもう、その後の展開を考えたら入れないと困るし、当時の設備も残ってないと困るし。だからもう、これも受け入れました。

・なんで爆破テロになったんだっけ
これは最悪ですね……。結局、海堂が爆破テロまでやるに至った詳細を、ちょっと忘れてしまい……バカバカ!次に観たら、補完します。

・吉瀬美智子さんとタカとユージが深い仲だった。……という納得感については、さすがにモノローグで語られるだけだし、なかなかにアレではありましたが、そこは受け入れないと話が進まないので仕方ない。し、吉瀬美智子さんくらいの年齢であれば(それでも若いけど)まだ、理解できた。
私が「さらば〜」を一回しか観れなかったというのは、このLOVEの部分がとても大きかったのです。
つまり、鷹山さんが菜々緒ちゃんと恋に落ちる、というのは、ちょっとおじさんの夢物語すぎません????って思っちゃったので……。
タカはダンディーだし、何歳になってもカッコいいし魅力的だし、惚れられるのはわかる。
でも!菜々緒ちゃんは!!!!
さすがに若すぎると思いました……。
で、ああいう悲しい展開になったわけですが、それも「この二人が結婚するほど想い合っていた」という展開にも、のめり込めなかったんです。納得感がなさすぎて。だから、悲しい展開だったけど、悲しくはなかったというか……タカの想い人との永遠のお別れなんて、タカとユージのファンなら悲しいはずなのに。
それゆえ最新作では、劇中で描かれる超展開に驚きつつ、まだ菜々緒ちゃんよりはマシか(決して、菜々緒ちゃんが悪いわけではありません。2016年時点でタカの想い人になるというあのキャラの存在自体が違和感あったというだけです)と思えたので、そういう意味でちょっと贔屓目になってしまいました。
ただ!!
そもそも、タカとユージが(自主規制)しないで……というのが、そうやって既成事実を作っておかないと「どっちかが二人の父親!?」にならないから仕方ないけど、二人のキャラ的に、そうかなあ?と……。ワンナイトな関係でも(自主規制)してくれそうだもん、二人なら。本気だったから、しなかった?タカならまだしも、ユージの状況でも?ユージの性格で??うーん。とは、思ってしまいましたが。でもそうじゃないと話が進まないので(以下略)。

・で、顔を変えてもわかるほどの女性と恋に落ちたのに、その後菜々緒ちゃんとあんな「運命の人」みたいな仲になったのか……。で、顔を変えてもわかるしバックハグして逢いたかったって言っちゃうくらいなのに、菜々緒ちゃんと結婚しようとしてたのか……。と、ここに関してはもう、納得できないけどむしろ心の中で封印します。

・西野七瀬ちゃんの尾行、下手すぎた
これは尾行に気づかなかったら話が展開しないから、納得するしかないパターン。

・巡査部長が女性で、その下に若手刑事男性2名という配置は、
いま日テレが出せる最大限のバランス感覚なんでしょう

と、ここまで長く書いておいて、やっぱり結論は「楽しかった!傑作!!」なので(爆破テロになった理由がすっぽり抜けているにも関わらず)己の思う名作とは全体の総合的な素晴らしさからそう受ける印象によるのだなあと、実感しています。