進化するペットボトル〜飲料メーカーの取組みを調べてみた〜
こんにちは!
株式会社ラバブルマーケティンググループでSDGs推進を担当している相澤です。
まだまだ暑い日が続きますね。
岐阜県多治見市では今年の8月8日に最高気温40.6度を観測したとか🥵
熱中症対策で水分補給を頻繁に行うため、家からマイボトルを持って出かけてもすぐに飲み切ってしまい、出先でペットボトルを購入することが増えました。
飲み終えたペットボトルを捨てるとき、ふと、日本ではどれくらいきちんと回収されているのだろう?と気になったので、ペットボトルの回収率やペットボトルに対する各飲料メーカーの取組みを調べてみることにしました!
日本のペットボトルのリサイクル率は世界最高水準
「PETボトルリサイクル推進協議会」によると、2019年度の日本のペットボトルの回収率は93.0%、リサイクル率は85.8%で、この数値は欧米諸国よりも高く、世界最高水準だそうです。
ちなみに欧州のリサイクル率は39.6%、米国は19.7%ですので、日本が突出して高いことが分かりますね!
(PETボトルリサイクル推進協議会「日米欧のリサイクル状況比較」より)
そもそもリサイクル率はどのように算出しているかというと、回収されたペットボトルを再資源化し“リサイクルした量”を“指定ペットボトルの販売量”で割ります。
量で言うと509,000トン÷593,000トン。
実際どれくらいの量かは想像できませんが(笑)、毎年大量のペットボトルが販売され、そのほとんどがリサイクルされていると想像できます。
家庭での分別のほか、自動販売機の横やコンビニ、駅など、至る所にペットボトル専用のゴミ箱が設置されていますので、いかに皆がきちんと捨てているかがわかりますね👏
ペットボトルのリサイクルの流れが分かる動画はこちら↓
進化するペットボトル①軽量化
続いて、ペットボトルの進化について調べてみました。
ペットボトル自体、以前と比べてずいぶん薄くなり、軽くなっているなと思っていましたが、各飲料メーカーの技術開発により軽量化が進んでいるようです。
例えば、日本コカ・コーラ株式会社の「い・ろ・は・す」の500mlボトルは、1996年には32gでしたが、2009年には容量520mlで12gと約3分の1の重さに😲
軽くなっただけでなく、簡単に潰れるので捨て易くなりましたよね!?
ちなみに、国産最軽量はサントリーホールディングス株式会社の「サントリー天然水」550mlペットボトルで11.9gだそうです。(2020年11月時点)
軽量化に取り組んだ結果、出荷数の増大に比べCO2排出量は横ばいとなり、CO2排出量を抑制できているようです👏
進化するペットボトル②ラベルレスボトル
シンプルで無駄のないデザインのラベルレスボトル。
2020年4月1日の資源有効利用促進法省令改正により、外装ダンボールに識別マークの表示を記載することでペットボトルのラベルを省略できるようになり、各飲料メーカーが販売し始めました。
出典元:経済産業省「ペットボトルの表示に関する資源有効利用促進法関係政省令の見直しについて」
アサヒ飲料株式会社は、ラベルレスボトル製品の2020年販売数量が前年より2.1倍(223万箱)に増えたそうで、今年はそれを上回る300万箱を目指しており、それによりラベルのプラスチック樹脂の使用量は年間約70tの削減に、CO2排出量は年間で約230tの削減が期待できるそうです!
この取組みは環境に優しい上、ボトルを捨てる際にラベルをはがす手間が省けて嬉しいです✨
進化するペットボトル③ボトルtoボトルリサイクル
2018年11月に「一般社団法人 全国清涼飲料連合会」が発表した、「清涼飲料業界のプラスチック資源循環宣言」で、2030年度までにペットボトルの100%有効利用を目指すとしています。
この宣言以降、大手飲料メーカーは、使用済みペットボトルをリサイクルして、新しいペットボトルに再生する「ボトルtoボトルリサイクル」に取り組んでいます。
まさにSDGsの目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」ですね!
サントリーホールディングス株式会社では、2012年に国内清涼飲料業界で初めて100%リサイクル素材のペットボトルを導入し、その後も「ボトルtoボトルリサイクル」を実用化してきたそうです。
2021年には、リサイクル素材や植物由来素材を100%使用したペットボトルを「またあえるボトル」と名付け、「ペットボトルは適切にリサイクルされることによって、何度も循環する資源である」ことをお客様に伝える啓蒙活動をされています。
おわりに
そもそもペットボトルの問題点は、ボトルの一部が散乱して海洋プラスチックごみになっていたことでしたが、調べてみると、日本の回収率が高い事実や、植物由来素材を100%使用したペットボトルが存在することなどが分かりました。
それらは、長きに渡る各飲料メーカーの真摯な取組みと卓越した技術開発があってこそで、尊敬の念を抱きました。
特に「ボトルtoボトルリサイクル」は、資源循環型社会の実現になりますし、そもそもボトルを製造する必要がなくなるため省資源で、理想的な姿なのではと感動すら覚えました。
ペットボトルに関して私たち個人ができることは、ペットボトルのラベルを剥がす、フタを分けるなど、些細なことのように思えることが意外と貢献できるのだと、先に紹介した動画で分かりました。
この記事をきっかけに少しでもペットボトルを捨てる際に気をつけるようになっていただけたら嬉しく思います。
※記事内で表記した“ペットボトル”とは、清涼飲料が入っているペットボトルのことを指し、しょうゆや酒などが補填されているペットボトル容器は含みません。
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