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【バリアフリーを考える。住みやすい環境を目指すには】


株式会社コムニコの髙橋です!

私は、現在パラアルペンスキー競技に取り組んでおり、2026年に開催されます、ミラノ・コルティナダンペッツォパラリンピックの出場を目指し、日々トレーニングに励んでおります。

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最近、共生社会が注目されているので、バリアフリーの重要性について改めて考えてみました。

共生社会とは:これまで必ずしも十分に社会参加できるような環境になかった障がい者等が、積極的に参加・貢献していくことができる社会である。それは、誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合い、人々の多様な在り方を相互に認め合える全員参加型の社会(文部科学省HPより抜粋)

バリアフリーという言葉は、英語の「バリア(障壁)」と「フリー(なくす)」を組み合わせたもので、日常生活や様々な活動において不便を感じる障壁を取り除くことを意味します。

特に、高齢者や障がい者が自立して生活できるようにするためには、物理的な障がいだけでなく、心の障がいも取り除く必要があると感じています。
私も障がいのある状態で生まれてきたので、例えば、ここの段差は乗り降りしやすいか、歩きやすいかなど、車いすユーザーや、視覚に障がいのある人々の立場に立って、確認するようにしています。

公共交通機関のバリアフリー化は物理的な対応の代表例で、バスや電車に低床車両を導入することや、駅やバス停にエレベーターやエスカレーターを設置することなどが挙げられます。


縦に長いエレベーターで、車いすや、荷物を持った人でも乗り降りしやすい


これにより、車いすの利用者や高齢者が安心して移動できるようになります。また、歩道や建物の段差をなくし、スロープや自動ドアを導入するといった点も大切ではないかと思います。もちろん、障がいのある方だけでなく、大きな荷物を持った人やベビーカーを押す人にも暮らしやすくなるかもしれません。


平面で動くエスカレーター。段差がなく乗り降りしやすい


私の知り合いの車いすユーザーは、低床車両のバスに手助けなしで乗り、少しの階段も難なく降りたり、エスカレーターに乗ったりして、自由に移動できることをとても喜んでいました。

このような設備が整っていると、誰かに頼ることなく行動できるため、心理的な負担や恥ずかしさも少なくなりますよね。

私の場合は、歩くことができるので、こういったところでの不便さはありませんが、家での生活で不便を感じるときがあります。

例えば、爪切りです。
私は右半身麻痺という障がいがあるので、皆さんもぜひ同じ障がいがあると想像しながら読んでみてください。

右側の爪を切る時は、麻痺のない左手で切るので難なくこなせます。が、麻痺がある右手では、爪切りをつかめません。

皆さんならどうやりますか。

私の場合は、足で踏んで切っています。
でも足だとうまく切れなかったり、一か所だけとんがってしまうことがあるので難しいです。
恥ずかしさもあり、誰かに頼むことを躊躇してしまいます。このように生活面で困ることがたくさんあります。

足で、爪切りをする様子


私の先輩は、階段から落ちて、脊髄損傷になりました。
辛うじて、歩けはするものの、足には麻痺が残っています。

障がいのせいで、トイレが近くなっているのですが、飲食店などで男女兼用のトイレが1つしかないときは大変困ると話しています。
飲食店で、大きなスペースを確保するのは現実的に厳しいですが、公共交通機関では、オールジェンダートイレを設置する取り組みがされているようです。
オールジェンダートイレ

さらに、身体以外に、視覚や聴覚に障がいのある方々への配慮として、

視覚障がい者向けの点字ブロックや音声案内システム、聴覚障がい者向けの字幕付き映像や手話通訳の導入などがあり、情報のバリアフリーも非常に大切だと感じます。

情報が平等にアクセスできるように工夫することで、誰もが生活しやすい社会が実現すると思います。

名刺に点字を入れたりするなど、視覚障がいの方々にも優しい取り組みをしている人々が増えてきています。

また、ウェブサイトのアクセシビリティを向上させることも必要になってきていますよね。視覚や聴覚に障がいのある人々だけでなく、どんな人でもスムーズにインターネットで情報を得られるようにする必要があります。

▼政府広報オンライン「ウェブアクセシビリティとは?」
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/202310/2.html#firstSection

子供たちに人気のYouTubeも、耳が聞こえない人に向けて字幕付きの動画を作成するなど、情報のバリアフリー化が進んでいます。


そして、心のバリアフリーも忘れてはならない重要なポイントです。バリアフリーの精神を広めるためには、教育や啓発活動が欠かせないと自分自身でも思っています。

皆さんは、街中で車いすユーザーなどの助けを求めていそうな方がいた時、手を差し伸べられますか?

私の答えはこうです。
昔なら勇気はない。でも、今なら勇気があります。

「お手伝いしましょうか」という勇気ある言葉を言える方が増えることで、より良い地域社会になっていくと思います。

助け合い、そして「お手伝いしましょうか」という言葉を学校や地域でのバリアフリー教育を通じて、子どもたちや大人たちに障がい者や高齢者への理解と配慮を促すことが必要ではないでしょうか。

そのため私は、講演会を通じて、バリアフリーについて訴えかけています。


講演の様子



また、ダイバーシティ推進の一環として、バリアフリーの取り組みを強化している企業もあります。従業員が働きやすい環境を整えることで、生産性や企業イメージの向上にもつながります。

私がスキー活動をしている団体「日本障害者スキー連盟」でも、思いやりの心を持ち、誰もが気持ちの良い環境で、過ごせるように心の準備として毎年1回研修が設定されています。

誰に対しても、差別せず、例えば道で迷子になってそうな人がいたら声をかけてみる、目が見えない人への配慮等々、を教わることができます。

最後に、さらなるバリアフリー化を進めるために、政府と国民が一体となった取り組みが必要になっています。

参考までにこういったことが行われているようです。
▼政府広報オンライン 知っていますか?街の中のバリアフリーと「心のバリアフリー」
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201812/1.html

共生社会を目指す中で、バリアフリーについて改めて考え、行動することが求められています。皆さんも、身近なところからバリアフリーを意識し、実践してみてはいかがでしょうか。

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