『Fate Samurai Remnant』感想
●はじめに
Fateシリーズの新作が無双シリーズ・アトリエシリーズで有名なコーエーテクモさんから出るということで、気になっていたのでやってみました。↓オープニングあまりにも良すぎる。
●感想(ネタバレ無)
Fateシリーズお馴染みの7人のマスター・7騎の英霊で争う聖杯戦争に似た儀式「盈月の儀」に浪人の侍である宮本伊織が巻き込まれ、「盈月の儀」の真相に迫っていく物語。
手短にキャラクターを紹介
・宮本伊織 : 本作主人公。宮本武蔵の弟子。
・セイバー : 宮本伊織をマスターとして召喚されたセイバーのサーヴァント。中性的な容姿で、特徴的な衣装に身を包み、剣を携えている。貨幣を知らないレベルで当世に疎い。
他にもマスターと英霊(サーヴァント)がいっぱいいて紹介しきれないので、以下筆者が好みで抜粋する
・アーチャー : 優美な着物に身を包み、髪を束ねている美少年。声と容姿がイケメンすぎる。。。
・逸れのライダー : 大太刀を携えた狐耳の着物の可憐な少女。なでまわしたい。かわいい。
由井正雪 : 黒い鎧のライダーのマスター。高潔で凛々しく、世を正そうとしている志士。ビジュアルが良すぎる。
この具足2人組あまりにもかっこよすぎる。白と黒で対になっててめっちゃ良い。江戸が舞台だからできた最高の要素。
ゲームのシステムは、無双系に近いアクションで戦闘する感じで、工房を強化したり、武器(刀)の部位を変えて能力を付け替えたり、キャラクターのレベルを上げることでもらえるスキルポイントでスキルツリーを解放していったりとやり込み要素もある。武器強化については簡単にいうと、『原神』の聖遺物のような感じである。マップ数がかなり多いのに、マップが迷うくらい広くて作り込みがすごい。霊地を取り合う陣取り合戦みたいなのがあるが、制限ターン数が2ミスすると時間切れでゲームオーバーになるくらいシビアなので、頭を使う必要があって、アイテムが無く難易度が上がる中盤が特に難しかった。
ストーリーは、マルチエンディングを採用していて、途中に選択肢が出てきてエンディングが分岐する。2周目は1周目のクリアデータをほとんど引き継いでできる上に、2周目でストーリーが変化するため、同じことをやるストレスは少ないのが非常に優秀。他にも難易度が追加されたり、新たなサブクエ(異傅)が解放されたりする。周回しないと伏線など全回収ができないので注意。1周目は26時間程でクリア。2周目は12時間程でクリア。
グラフィックは、画質が良いゲームが跋扈する現代では並程度だが、アクションとストーリーがメインのため、十分綺麗に感じられる。個人的には、血液、水などの液体系のグラフィックがちょっと思ったのと違って引っかかった。
●感想
Fateシリーズの醍醐味として、ネタバレを踏んでない初見時にしかできないことだが、この英霊(サーヴァント)はなんの英霊なのかという真名を予想をしながらプレイできたのが新鮮でよかった。既にあるFateシリーズだと真名を知ってしまったりしていたので、非常にわくわくしながら予想できて楽しめた。アクションゲーム好きとしても難易度普通でかなりボスが硬かったり、サブクエでクソ強い敵が出てきたりしてやりごたえがあった。世界観が作り込まれていて、屋台の食べ物がめっちゃ多かったり、細かい要素が結構多くて良かった。
ー以下ネタバレ注意ー
●感想(ネタバレ有)
タイトルのサムライレムナントは直訳すると侍の遺物(残した物)となるので、宮本武蔵の遺物(残した物)=宮本伊織のことを指してる?
追記: 剣鬼√クリアした感じ間違いなさそう
●1周目
難易度は剣客で、分岐は等々力と、行かないとドロシア死ぬんじゃね?と思ったので、アサシンを倒しにいく√を選んだ。妹のカヤがかわいさとウザさを兼ね備えていて、ウザさが妹像としてリアルだった。好きだったアーチャーがあっさりしかも最初に退去して悲しかった。
土御門が勝手に死んでてめっちゃびっくりした。土御門が英霊を乗っ取る大魔術を行使してから展開が怒涛すぎる。ライダー陣営・ランサー陣営・逸れのセイバーが出てこなさすぎて裏で何してるんだという感じ。途中で妹のカヤに憑依というか擬似サーヴァント化してるし、しかも十五騎目って言われてて(ルーラーのギルガメッシュ入れたら十六騎では?)、こんがらがった。
武蔵ちゃんがFGOと同じ感じで漂流(ドリフト)してたことからFGOと同じ武蔵ちゃんと分かってびっくりした。
正雪に認められて志を同じくする仲間になった。実質正雪√だろこれ。セイバーとの友好度で応刀時の台詞変わるの良いね。宮本武蔵vs宮本伊織戦になるとは思ってたけど、やはり熱すぎる。地右衛門もあっさり死んだ、呆気ない。もう連れて行かれたものだと思ってたから正雪が急に出てきて庇ってくれたのびっくりした。
仲間だった鄭成功がキャスター連れて復活して、ラスボスなのめちゃくちゃ良い。最後の霊地戦今まで逸れサーヴァントがみんなきてくれるのテンション上がる。最後に令呪全部使って稗田阿礼が宝具使ってくるのもそれに対して最後の令呪で真名呼んでセイバーが宝具撃つのも熱すぎる。戦いのその後は描かれずに、鄭成功とドロテアのやり取りで終わった。あっさり終わってちょっと寂しい。
●2周目
川崎大師、土御門を倒す√、盈月を壊す√を選択。
伊織関連の追加の台詞が増えてて、アサシンの大おろちをセイバーの宝具で倒すところで、1周目と違って一気に雲行きが怪しくなる。江戸の人々を助けるために戦っていたが、鄭に「それは願いとは違うのではないか」と問われて、本当の己の願いとは何なのか伊織は考えてしまう。
カヤを助けにいくところも選択肢を1周目と変えてみたが、道中が変わってアサシン陣営の動きが分かっただけであまり変わりなかった。土御門が演技していたライダーに裏切られて殺されたと思ってたけど、ランサーに殺されてて意外だった。こっちのルート選ばないと、逸れセイバーが出てこなかったのか。
武蔵ちゃん倒した後に、伏線回収の盈月を壊す壊さないの選択肢出てきて怖い。とりあえず1周目の別ルート見たかったので壊すを選択。1周目と同じく地右衛門が奇襲してくるが、ランサーも一緒にいてカヤをまた攫われるまたかよ。こっちのルートだとラスボスは地右衛門&ランサーなのか。なんかこのランサー、見た目はジャンヌオルタなんやけど、異傅進めるたびに中身がジャンヌすぎる。これクリア後に追加されたマテリアルで、召喚者の憎悪により精神汚染を受けた「ジャンヌ・ダルク」って書いてたわ正解。
最後の決戦が江戸城なの粋すぎる。あと一騎で盈月が完成→自分とランサー捧げるんじゃね?と思ったら本当に盈月取り込んでしまった。2周目以降で盈月壊すルート選んだことにもやもやしてる伊織の特殊台詞まであるのすご。最後令呪の一画で真名呼んで宝具撃つのめっちゃよすぎる。朝日に照らされながら伊織がカヤを抱えて帰る描写で終わるの良いな。
●3周目
等々力、土御門を追う√、盈月を壊さない√を選択。
3周目でやっと気付いたんだが、あらすじのナレーションしてるの稗田阿礼だわ。記録者だからってことか。
盈月を壊さないを選んだら、奇襲に気づき、雰囲気の変わった伊織にびびった地右衛門が逃げて、その後稗田阿礼と戦って相打ちになった。通常ルートのラスボス同士が同時に消えてしまって予想外すぎる。
やっぱりセイバーvs伊織になってしまったか。欲を言ったらセイバーがプレイヤーで、ラスボス伊織が良かった...そっちの方が展開的にもあってるし...。その上で伊織がめちゃくちゃ強かったらガチで面白かった。
通常ルートからバタフライエフェクトレベルでちょっとでも違ったら、マジでこの剣鬼√入るんやろうな。いつ爆発するか分からん爆弾みたいなもので、伊織の生い立ちから刻まれた運命なんやろうな。伊織の令呪が消える演出良すぎる。他のルートが綺麗に終わりすぎてて、通常ルート2つがIFルートで、真ルートがこのルートだと言われても妙に納得できるエンディングだった。このルートだと結局セイバーのことを真名で一度も呼んでないことになるということに気づいたが、マスターとサーヴァントの関係で終わった他のルートと違って、伊織がセイバーのことをかけがえのない友だったと心から気づけたのがよかった。
◆マスター陣営
剣: 宮本伊織・ヤマトタケル
弓: 鄭成功・周瑜
槍: 地右衛門・ジャンヌダルク
術: 土御門・稗田阿礼
騎: 由井正雪・源雷光(丑御前)
殺: ドロテア・甲賀三郎
狂: 高尾太夫・宮本武蔵
◆逸れ
剣: 木曽義仲
弓: アルジュナ
槍: クー・フーリン
術: キルケー
騎: タマモアリア
殺: 李書文
狂: サムソン
裁: ギルガメッシュ
術: オトタチバナヒメ
●まとめ
2周目の剣鬼ルートまでやることで伏線がしっかり回収されて宮本伊織という人物像が描かれていてよかった。1周目にセイバーにとっての理想的な儀の終わりを体験させることで、2周目以降に到達可能な剣鬼ルートの最後のセイバーの台詞がめちゃくちゃ刺さる。
周回前提のストーリーじゃないので、2・3周目の道中がきつかったが、全エンディングを回収して良かった。なかなか周回前提のゲームって1周目クリアして、2周目始めてから途中で辛くなって辞めちゃうんですが、今回は最後まで辿り着けた。
通常ルート2つあっての剣鬼ルート、剣鬼ルートあっての通常ルート2つという感じで、全エンディングやった人と1周だけだと評価が変わるくらい相互に物語の深みを出していて素晴らしい構成だった。