同棲していた家を飛び出した話。
出会ってからは1年半。同棲してからは1年。
常に彼が隣に居ることが当たり前になった。
初めの頃はどうでもよかったことが
彼への想いが大きく膨らむほどに気になり、
だけど仕事の邪魔はしたくない…喧嘩をするのも嫌だ…
そうやって1人ずっとずっとずーっと我慢してきた結果、
些細なことがきっかけでわたしは彼と同棲していた家を飛び出した。
今思えば、そうなる前にきちんと言葉にするべきだった。
逃げたのだ。彼と真正面から向き合うことから。
彼にとって1番の“理解のある彼女“で居たかったから、
ごちゃごちゃと文句を言うような真似はしたくなかった。
でも、彼からすればわたしが言葉にしていないのだから…
もちろん何が原因なのかもわからない。
最初の1日は連絡があったけど、
そこからまったく音沙汰が無くなり…自分から飛び出したくせに
「なんで無視?」「わたしのことはどうでもいいの!?」
痺れを切らして結局わたしから話したいと連絡(は?)
既読無視されたまま1日が過ぎ、
その間彼が2人の家に帰っていないことも知っていた。
もうどうでもよくなったのかも…もう無理なのかも…
そう思っていたら、連投で連絡が来て
「俺はただ仕事をしてただけ、楽しんでればいいんじゃない?」
で締めくくられた連絡を見て、自分の無計画さに項垂れた。
とにかく彼と話さなければ、とにかく顔を合わせなきゃ。
そう思ってひたすら話すチャンスを伺っていたけど、
これも今回で得た知見。
男の人って”話し合う”ことが大嫌いだってこと。
彼からすれば自分が責められるのはなんとなく分かるし
もしかしたら彼女がヒステリックに攻撃してくるかも…?
とにかく、想像したところで楽しいイベントではないのだ。
彼とLINEでやり取りする中で、
明らかに話し合うことを後回しにされていることに気付いたけど
ここは女性と男性の違いなんだなあ、と学んだ。
戦法を変えて、「伝えたいことがあるからよんで」って
先に自分が話したいことのおおまかな内容を送ったところ
「俺も嫌いになったわけじゃないから、また話そう。」とレス
これを読んで、やっぱりまだ身構えてるのかな?と思ったわたしは
「そんなに重たく話すつもりはない。会いたいから待ってるね」
と送ったら、彼の方から
「明日の◯時に帰るから、そこから話せる?」と予定を組んでくれたのだった。
彼がくれていた愛情に1人気付く。
この時点で、すでに1週間まともに彼と会ってなかった。
わたしは毎晩どこで寝泊まりしてるのかもわからない彼を想いながら
メソメソメソ泣き、1人ぽつんと居ながら家を見渡し
彼がわたしのわがままをたくさん聞いてくれていることを思い出す。
もともと出ていく!!までになったのは、もう彼はわたしのことなんて…
とか、自分ばっかりわがまま言いやがって!みたいな感じだった。
彼の仕事柄、家を1日以上空けることも多く、
つまるところわたしは寂しかったのだ。
テレビの横にあるSwitchは、わたしが待ってる間寂しいから欲しいと言ったら、
次の日に彼が列に並んでまで買ってくれたもの。
というかそもそもテレビだってそうだし、
一緒に飼っている猫も、わたしが寂しくないように飼ってくれた。
1つ1つ家の中のものを見ながら、それを一緒に選んだ時のことを思い出して
彼が毎日帰ってきてくれていたこと、彼にはちゃんとわたしへの愛情があったこと。
それが全部当たり前になってしまっていたことに気づくきっかけになった。
向き合うことから逃げない。
結局、わたしたちはお互いが言葉足らずだった。
彼は仕事のことは言わない、わたしは聞かない。
コミュニケーションが圧倒的に足りていなかった結果だった。
今回わたしがこのまま、彼と向き合うことから一生逃げ続けていたら
こんなことに気付くことも無かっただろう。
というかわたしは家を飛び出した時点で、向き合うことを放棄しようとした。
あのまま一生逃げ続けていたら、きっと本当に終わっていた。
カップル同士がお互いに目を向けず、向き合うこともしなくなった時が
本当の終わりなんだろう。
毎日一緒にいれば、会話が減るのも
わかってくれているだろう、と言葉を伝えなくなるのも自然なこと。
だけどそれでも、「伝える」ということを怠ってはいけない。
それは、大好きな相手のために。
そして、この世で1番愛おしい“わたし”のために。