酒類販売業免許の変革:特殊酒類小売業免許の位置づけと展望(5) 【ビジネス】
今回は、小売業免許の区分の3つ目、特殊酒類小売業免許について説明していきましょう。
特殊酒類小売業免許
特殊酒類小売業免許とは、酒類の消費者等の特別の必要に応ずるために、酒類を小売することを認められた酒類の小売業免許をいいます。
この免許は、「酒類の消費者等の特別の必要に応ずるために付与するもの」という説明がされています。
なので、その販売行為は必要最低限のものとし、それぞれの免許に応じて販売する酒類の範囲やその販売方法について具体的な条件を付けて免許を付与するのだということになっています。
そもそも酒類小売業免許については、一般酒類小売業免許、大型店舗酒類小売業免許及びみりん小売業免許などの特殊酒類小売業免許の区分を設けておりましたが、平成18年4月1日、一部の免許区分を除き、一般酒類小売業免許に統合するなど整理・合理化を図りました。どのように区分変更されたのかというと、次のとおりです。
酒類小売業免許の区分
改正前と改正後の区分の違い
このため、大型店舗酒類小売業免許又はみりん小売業免許など【改正前の特殊酒類小売業免許の区分】で免許を受けている方は、一定の要件を満たす場合、条件の緩和を受け、一般酒類小売業免許(通信販売を除く小売に限る。)となることができます。
ただこういった中で、「役員及び従業員に対する小売業免許」が改正後の特殊酒類小売業免許として残されたのです。
役員及び従業員に対する小売業免許(現行特殊酒類小売業免許)を申請したときには、税務署から人的要件・場所的要件・経営基礎要件のほか、次の要件について審査されます。
1 申請者等は、申請等販売場において酒類卸売業免許を付与されている者又は新たに酒類卸売業免許を受けようとする者であること
2 販売先は、自社の役員又は従業員であること
3 販売する酒類は、主たる免許に付されている又は付すこととする「販売する酒類の範囲の条件」の範囲内であること
ご覧の通り、一般的な要件としては通常の酒類販売業免許要件とほぼ変わりなく、更に申請者や販売先、販売可能な酒類などに対して制限があることから、何かの特殊な販売目的がある事業者でなければ、ほとんどこの免許に「用事」のある人はいないのではないかと思います。
私もこれまでの経験上、クライアント様から「どういった免許なのでしょうか?」という質問を受けることはありましたが、実際にこの免許の申請に踏み切った方はいません。
今回はここまでにしますね。
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