心を鷲掴みにしてくれた映画たち 2019
2019年もたくさん映画を鑑賞しましたね。劇場鑑賞数は115と過去最大数になりまして、おそらく今の仕事をしている以上、この数を抜くことはないものと思います。
ということで昨年鑑賞した作品の中から各賞の発表。
1 ベスト作品賞(順番は上からなんとなくのランク順)
「CLIMAX クライマックス」
オープニングからアゲアゲの状態でラストまで突っ走る!なのにちゃんと3幕構成になってて難解になり切らずに「狂乱」を描ききるドラッグ映画。
「女王陛下のお気に入り」
大好きなヨルゴス・ランティモスの新作はいつもの撮影の美しさに加え、三女優が素晴らしすぎるので当然のお気に入りに。そこはかとない厭さ加減が絶妙です。
「ドッグマン」
のび太とジャイアンのその後。かわいそうな主人公を微妙に擁護しない乾いた視線で描かれるが娘とのやり取りは泣けすぎる。絶対的ヴィランも記憶に残るところ。
「フリーソロ」
すごい!すごすぎる!クレイジーとはこのことだ。
「家族を想うとき」
酷い。酷すぎる。欧米に倣うことなんぞ思いのほか無いのかもしれない。
「ホテルムンバイ」
実話ベースながらも超一級のスリラー。容赦ない展開がテロの現実を描く。
「よこがお」
筒井真理子姐さんの独演会。深田監督、相変わらずの不穏な空気が心地よい。
「スパイダーマン/スパイダーバース」
アニメーションの新たな表現をこの年で観れるとは思わなんだ。
「ジョーカー」
まあ、みんな大好きだろうから省略。
「アベンジャーズ/エンドゲーム」
多少の粗もあるけれども、着地に成功するとはこういうことだ。
次点 「アリータ:バトルエンジェル」 ・・・王道の冒険成長もの。ぜひ次作を!
毎年選出には苦労するのですが、やはりアリータは次点ででも入れておきたかったですね。思いのほかCGも良かったし、応援する人がいないと次作が頓挫しちまう。
2 ベスト俳優賞
こちらは順不同です。
クリスチャン・ベール(バイス)
マッツ・ミケルセン(「残された者」)
クリス・ヒッチェン(「家族を想うとき」)
筒井真理子と市川実日子(「よこがお」)
エルシー・フィッシャー(「エイス・グレード」)
レイチェル・ワイズ(「女王陛下のお気に入り」)
他にもたくさんいるのですが、特に思い出深い彼彼女たち。ほとんど喋らないマッツ先生はもっと評価されていいと思うのですがね。エルシー・フィッシャーちゃんは拗らせ女子を等身大で演じてて泣ける。
なお、ホアキン・フェニックスとかオリヴィア・コールマンとかは除外してます。
3 印象深いシーンたち
作品そのものの総合的な出来はともかく、忘れられないシーンで彩られた作品は魅力的です。2019年も思い出に残る場面をたくさん見ることができました。備忘のためにも記録しておきます。
・「オーヴァーロード」のオープニングシークエンス
軍用機が下から銃撃される場面はよくありますが、機内の様子をリアルに描いた映画はあまり観たことがありません。とにかくド迫力のこのシーンは凡庸な作品の中では秀逸なシーンになってます。
・「クリード 炎の宿敵」におけるドラゴの決断
泣く泣く選外にしたこの作品は素晴らしいものでしたが、特にこのシーンが作品の位置づけを決定的にしています。俺たちの「ロッキー4」がこういう風になるとはスタローンには一生ついていきますよ。
以下、ネタバレ注意です!
・「ハーツ・ビート・ラウド」の歌唱シーン全て
作品としては、まあよくありそうなものなんですけども、「はじまりのうた」や「シング・ストリート」よろしく、楽曲が作品そのものの出来を左右し、主人公たちを魅力的に魅せる典型例。いわゆるハート・ウォーミングな佳作です。
・「The Guilty ギルティ」のラスト
いわゆるドンデン返し。これはやられました。まあ観てください。
・「ワイルドライフ」、「メモリーズ・オブ・サマー」、「ジュリアン」に「ファーストマン」の哀しいシーンたち
離婚がテーマの作品の着地点については時代とともに変化してきているような気もしていて、一度考察していきたいなと思っているのですが、これらの作品たちにも心が掻き毟られるシーンがいくつも登場します。特に「メモリーズ〜」はかなり鬱になってしまうかも。「ジュリアン」も大概ですけどね。「ファースト・マン」はそれがテーマではないし劇中ではそうならないのですが、現実の行末を考えると、いくつものシーンが哀しみに満ちていて、心のやり場に困ります。
4 何とも残念でしたな作品たち
最後に、がっかりした作品たちを。
・ゴジラ キング・オブ・モンスターズ
・スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け
・ターミネーター ニュー・フェイト
いずれ劣らぬビッグバジェットの続編ばかりがランクイン。変に期待が大きいだけに喪失感もハンパないのも確かなんですが、ゴジラはもう少しなんとかなったと思うし、ターミネーターはあれだけ「3」をくさし切って無かったことにしておいて、あんなアイデアしか出せないなんて!(俺は「3」好きなんだよ!)いい加減にしろよキャメロン!
スター・ウォーズについては愛ゆえに言いたいことがたくさんあるので稿をあらためます。
以上、2020年も素敵な映画にたくさん出会えますように!
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