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「生きてるだけでいい子だね｣
彼は愛犬にそう言った。
その言葉は私の心を抉った。
まるで私は
「生きてるだけで悪い子だね」
って言われてるようだった。

生きているということが周りの人にいい影響を与える。
逆に生きてるということが周りの人の迷惑になる。

もちろん犬とヒトは違うし、考えすぎだよと言われたらそうだ。だけどそう感じてしまう。
彼は悪くないのに、彼の一言で傷付いてしまう自分が嫌になる。

でも良い子でいるのに嫌われているより、悪い子を演じて嫌われる方が楽な気がする。
だから悪い子が辞められないのかな。
悪い子を辞めたらみんな愛してくれるかな。
優しくしてくれるのかな。少しでも好いてくれるかな。

悪い子をやめて良い子になってもきっとそんなことはない。きっと笑われて馬鹿にされて今までより生きてるのが辛くなる。

だからずっと悪い子でいい。
悪い子のまま終わってしまえばいい。
その方がきっと私の大好きな人達が今よりもっと笑顔で幸せになってくれるから。